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絶対語感の世界  2010年12月14日  No.1099
 URLは、https://www.mori7.com/index.php?e=1099      




 子供が3、4歳の小さいころは、よく親に同じ本の読み聞かせをねだることがあります。飽きずに同じ本や同じ話を何度も聞きたがるのです。

 大人は理解の世界に生きているので、同じ本を読むよりも別の新しい本を読んだ方が意味があるように思いがちです。しかし、同じものを繰り返すというのは、実は大人の理解の世界を超えた何かがあるのです。

 その何かとは、知的な理解ではなく、感覚的な一体化です。

 子供に限らず大人になってからでも、例えばいい音楽を聴いたときはそれを何度も繰り返し聴きたいと思います。1回聴いたからそれでいいとは思いません。何度も同じ音楽を聴いて味わいます。それは、その音楽が、理解の対象ではなく、一体化の対象となっているからです。

 この一体化の感覚を身につける能力が最も成長するのが、3歳から5歳ごろです。

 0歳から2歳のころは、まだ生きることに精一杯の時期です。3歳から5歳は、生き延びることが一段落して、自分が何になるかを決める時期です。この時期に、人間は、狼になるか人間になるかに分かれます。

 この時期に繰り返し与えられた経験が、その子の絶対的な感覚を形成します。つまり、世界の座標軸を作る時期が、この3歳から5歳にかけてなのです。

 3歳から5歳は、知的に何かを身につける時期ではなく、感覚的に身につける時期です。このころ知的に学んだことは、そのときは身についたように見えても、年齢が上がると消えてしまいます。例えば、6歳以前に海外に行き外国語を自由に聞いたり話したりできるようになっても、6歳以降に日本に戻ると忘れてしまうのはこのためです。

 一方、絶対音感は、6歳以前に身につくと言われています。この時期は、音の世界が自分の外にある世界として認識されるのでなく、自分の身体の一部として感覚的に受け取られる時期です。しかし、それはただいろいろな音を聴くからではなく、一定の流れの音、つまりある音楽を繰り返し聴くからです。繰り返された世界が身体化するのです。

 絶対語感というのも、やはりこの3歳から5歳の時期に身につきます。絶対語感というのは、言葉を知的に理解する能力ではなく、言葉を自分の身体のひとつとして感じる感覚です。
 

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絶対語感の世界 森川林 20101214 に対するコメント

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そういえば 20101218  
 我が家の2人の子供たちも、3~5歳の頃、同じ本の読み聞かせを繰り返しねだりました。 就寝前、5~6冊読んであげていましたが、読んでいるうちにこちらが眠くなってしまったりして・・・。最後に読んだ『ロボットカミイ』など、長めの絵本を「もう一回!」などとせがまれたときは、睡魔との闘いでした。
 高校生と小学生になった子供たちは、今も読書が好きですが、2人の本の好み、国語の基礎力の違いに、あの頃の読み聞かせの内容が影響しているのだと思うと、納得できるものがあります。もっと早く知っていたら!!!ちょっぴり残念ですが、3~5歳のお子さんのいる友人たちにこの記事をお見せようと思います。

森川林 20101218  
 コメントありがとうございます。
 小さい子供が、なぜあんなに同じ本を何度も繰り返して読みたがり聞きたがるのか、昔は不思議に思っていました。しかし、それは大人が普通に読むような理解のための読み方ではなく、言葉を身体化するための読み方聞き方だったのではないかと今は思うようになりました。
 と考えると、国語の勉強は生活の中で3~5歳に始まっているのだと思います。今度、通学教室でそういう勉強を始めたいと思っています。


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