低学年から学力の基礎を作る
幼長、小1、小2、小3の基礎学力をひとつの講座で学ぶ。
読書の習慣、国語算数の勉強、暗唱の学習、創造発表の練習をオンラインで。


これまでの全記事
理詰めで解く国語――センター試験を例にして  2015年3月17日  No.2334
ホームページの記事は→2334


 国語の問題というのは、感覚で解くのではありません。すべて理詰めで解くのです。
 理詰めで解けない問題は悪問です。そういう悪問もたまにはありますが、原則としてすべての問題は理屈で考えて答えを出せるようになっています。

 ある年のセンター試験の問題で、高校生の生徒が、「これはどうして5が正解なのかわからない」という選択問題がありました。

 設問は、「『そのような日常言語は、人によってニュアンスが異なり多義的である』とあるが、『そのような日常言語』の具体例として最も適当なものを選べ」というものです。

 選択肢は、五つです。うち二つは明らかに×とわかるものなので、微妙な三つを載せると、

1、山に登ると水は貴重だ。ペットボトルの水が半分残っているのを見て、ある人は「まだ半分ある。」と思うし、別のある人は「あと半分しかない。」と思う。水の分量は同じであっても、その受け止め方は人それぞれだ。
2、略
3、略
4、友人とデパートの入り口で待ち合わせた。約束の時間に現れないので携帯電話に連絡すると、別の入り口にいた。「デパートの入り口で……。」という同じ言葉であっても、それぞれが思い浮かべた場所は違っていたのである。
5、最近、家を新築したおじが、「駅から近いよ、歩いておいで。」といって、手書きの地図をくれた。「近い」というので地図をたよりに歩いたところ、かなり歩かされた。「近い」といっても人によってはだいぶ差がある。

 正解は、5です。
 1も4も5も、同じようなことを言っているので、なぜ1と4が正解でないかわからないという人も多いと思います。

 1は、「ペットボトルの半分の水」と実物が対象ですから、日常言語が対象になっているのではないということで、消去法的に×なのです。
 4は、「デパートの入り口」というのはニュアンスではなく、定義が曖昧だっただけで、北の入り口とか南の入り口とか言っていれば解決したことですから、これも消去法的に×なのです。
 5は、「駅から近い」という日常言語のニュアンスが対象になっているので、特に間違えているところはありません。
 この結果、最後に残った5が正解になるということです。

 こういう理詰めの解き方を身につけるだけで、国語の成績は短期間で上がります。

 しかし、これは国語問題の解き方のテクニックであって、本当の国語力ではありません。
 本当の国語力とは、思考力のことです。だから、国語力を見るためには、小論文と口頭試問のようなことが必要になるのです。
 今後の大学入試は、そういう方向に向かっていくと思います。

233-0015 233-0015 横浜市港南区日限山4-4-9言葉の森オンラインスクール 電話045-353-9063
 
 同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
国語問題(15) センター試験(7) 

 コメント欄
コメントフォーム

理詰めで解く国語――センター試験を例にして 森川林 20150317 に対するコメント

▽コメントはここにお書きください。 お名前(ペンネーム):

 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。


 国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

受講案内の郵送(無料)をご希望の方は、こちらをごらんください。
(広告規定に基づく表示:受講案内の郵送を希望される方はご住所お名前などの送信が必要です)

電話通信の無料体験学習をご希望の方は、こちらをごらんください。
(無料体験学習をお申し込みの方に、勉強に役立つ小冊子をお送りします。)

Online作文教室 言葉の森 「特定商取引に関する法律」に基づく表示」 「プライバシーポリシー」