低学年から学力の基礎を作る
幼長、小1、小2、小3の基礎学力をひとつの講座で学ぶ。
読書の習慣、国語算数の勉強、暗唱の学習、創造発表の練習をオンラインで。


これまでの全記事
語彙力がつき、面接力がつく、少人数授業の思考発表クラブ  2018年1月19日  No.3141
ホームページの記事は→3141


 言葉の森では、現在小学1年生から6年生まで約30名の生徒が思考発表クラブに参加しています。
 この思考発表クラブを始めた目的は三つあります。

 第一は、ただ答えを覚えるだけの知識の詰め込みを中心とした勉強は、もう時代遅れになっていると思ったからです。
 まだ多くの生徒は、辞書を調べればわかるような知識を詰め込むことに長い勉強時間を割いています。
 しかし、これからはそういう知識力よりも自分で物事を考える思考力が重視されるようになります。

 そこで、思考発表クラブでは、答えのない勉強、つまり自分で考えて自分なりの問題と答えを作る勉強を中心にすることにしました。
 その一つが、作文の構想図の作成と、今読んでいる本の紹介です。
 そして、ほかにも理科実験や工作や社会経験や算数の似た問題作成など、自分の興味を発揮できるような勉強の発表をしています。
 ただし、あまり盛り沢山に勉強ををすると時間がなくなってしまうので、今は作文の構想図、読書紹介、その他の自由な発表という形が中心になっています。

 自由な発表の勉強というのは、取り組み方によって手を抜くことも力を入れることもどちらもできますから、自分の都合に合わせてやって行けばよいのですが、ほとんどの子は、毎週よく工夫した発表を行っています。

 思考発表クラブの第二の目的は、自分が発表し、他の人の感想や質問を受け、また自分自身も他の人に対する感想や質問を述べるという人間どうしの相互の交流がある勉強をしてほしいと思ったからです。

 思考発表クラブに参加する子供たちは、互いに見知らぬ者どうしです。
 しかし、どの子もすぐに慣れて、他の人の発表のよいところを評価したり、他の人の発表を参考に新しい自分の発表を考えたりと、相互の交流がとてもスムーズに行われています。

 何よりも感心するのは、特に教えたわけでもないのに、どの子も相手のよいところを見て評価するような話し方を自然にしていることです。
 そのため、どのクラスもとても和やかな雰囲気で発表が行われています。

 思考発表クラブの第三の目的は、子供の勉強を、先生と教材と子供自身に任せるのではなく、親子で関わりを持って勉強を進めるような機会を作りたいと思ったからです。

 子供が何かを実験したくなったり、新しい思いつきを実行したくなったりしたときに、お父さんやお母さんの協力がなければひとりではできないものが数多くあります。
 例えば、レモンで電池を作るというような実験などは、レモンを買ってきたり、コードを買ってきたりという準備がなければ子供の力だけでは実行に移すことはなかなかできません。

 また、自分が書いた構造図や、行った実験の写真を掲示板にアップロードすることも。子供の力ではなかなかできません。
 この保護者の協力があることによって、親子が知的な取り組みで経験を共有する場が持てるようになっています。

 確かに、保護者の負担はあると思いますが、親が子供と勉強的なことで深く関われる時代というのは過ぎ去ってみるとほんのわずかです。
 小学生の時期にこのような機会を持てるということが、子供にとっても親にとってもよい経験になりいい思い出になっていくと思います。

 さて、このような思考発表クラブに参加する子供たちの成長を見ていて、特に印象に残ったことが三つあります。

 その一つは、子供たちの読んでいる本が、だんだんとその子らしいものになってくることです。
 それまでは、親に言われるままに親のすすめる本を読んでいた子が、ほかの子供たちの影響を受けて、次第に自分の読みたい本を読むように変わるということがありました。

 自分からの動機で本を読むという習慣がつくと、読書生活は確実にその子の生活の一部になっていきます。
 また、読書も、学年が上がると、やはり他の人の影響を受けるせいかだんだんと読む本のレベルが上がっていくようです。

 第二に、子供たちの発表の仕方がとても上手になってくることです。
 本の紹介でも、短い時間で自分がいちばん面白かったところや簡単なあらすじを説明するというのは意外と難しいものです。
 最初は、とりとめなく話していた子が、その発表を繰り返すうちに、自然に上手に発表ができるようになってきました。

 今、入学試験では、ペーパー試験だけでなく、作文小論文や面接という形が増えてきています。
 この面接又は口頭試問という形の試験に関して言うと、毎週みんなの前で自分の考えを発表し、他の人の発表に感想を述べるということをしていると、それが自然に面接に必要な応答力の練習になっていくと思いました。

 第三に、作文の構想図の作成に関して、保護者への取材が充実してくることです。
 毎週の作文の課題について、あらかじめどんなことを書くか考えてくるのが構想図ですが、そこにお父さんやお母さんに聞いたことが加わると作文の材料がさらに広がります。

 子供たちは、その構造図を書くために、自然にお父さんやお母さんに取材するようになるので、親子の対話がそこでもまた充実してきます。

 親子が、作文の課題のような知的な話題について、共通の話し合いの場を持つというのは普通はなかなか機会がないと思います。
 それが、構想図をみんなの前で発表するという目標があると、自然にそういうことができるようになるのです。

 小学生時代に、このような親子の対話が毎週できるというのは、子供の語彙力の向上にとって大きな意義を持っています。

 この思考発表クラブというのは、新しいコンセプトの勉強なので、参加する前はどういう感じでやるか分かりにくいと思います。
 しかし、実際に参加してみると、どの子もこの勉強の面白さが分かるようで、ほとんどの子は毎週欠かさずに出席しています。・
 風邪を引いて学校で休んだときも、自宅でできる思考発表クラブだけは参加するというような熱心さで取り組んでいます。

 現在、この思考発表クラブの授業の時間帯は限られていますが、将来は希望に応じてクラス数を増やしていく予定です。
 思考発表クラブも、作文の勉強と同じように無料体験学習が2週続けてできますから、体験学習を希望される方は言葉の森までお問い合わせください

 なお、この思考発表クラブに関しては、当面、言葉の森の生徒、及び生徒のご兄弟に限定して募集します。
 また、現在、思考発表クラブ、自主学習クラスのいずれかを受講している生徒のご兄弟も、この思考発表クラブにいつでも参加できます。

233-0015 233-0015 横浜市港南区日限山4-4-9言葉の森オンラインスクール 電話045-353-9063
 
 同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
発表学習クラス(0) 

 コメント欄

森川林 20180119 1 
 思考発表クラブをやっていて驚いたのは、初めは恥ずかしがって話していた子供たちが、どんどん話が上手になり、積極的に自分の感想を言うようになったことです。
 最近の入試では、作文のほかに、面接をするところが増えてきています。
 これまでは、面接の練習というと、直前に擬面接をやるようなことしかできかったと思いますが、思考発表クラブで毎週作品を発表し感想を述べ合うというのが、意外に面接などの練習になっていると思いました。
 しかも、ディベートのような勝敗を競うやりとりとは違って、互いのよいところを認め合う建設的な話の仕方です。
 こういう話し方は、将来社会に出てからも役に立つと思いました。

コメントフォーム

語彙力がつき、面接力がつく、少人数授業の思考発表クラブ 森川林 20180119 に対するコメント

▽コメントはここにお書きください。 お名前(ペンネーム):

 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。


 創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

受講案内の郵送(無料)をご希望の方は、こちらをごらんください。
(広告規定に基づく表示:受講案内の郵送を希望される方はご住所お名前などの送信が必要です)

電話通信の無料体験学習をご希望の方は、こちらをごらんください。
(無料体験学習をお申し込みの方に、勉強に役立つ小冊子をお送りします。)

Online作文教室 言葉の森 「特定商取引に関する法律」に基づく表示」 「プライバシーポリシー」