国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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生徒が一番、演習が二番、先生の話は三番目  2019年4月26日  No.3698
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 人間は、子供も含めて、自分が何かをするのが好きです。
 人のするのを見ているだけとか聞いているだけとかいうのは、あまり好きではありません。

 授業もそうです。
 先生の話を聞いているだけというのは、本当はつまらないのです。
 優れた授業を聴くよりも、自分が喋る方が楽しいというのが、人間の普通の心理です。
 だから、生徒が一番なのです。

 だから、寺オンクラスでは、生徒の発表、そのあとの質問と感想を中心にした運営にしています。
 もちろん、子供たちの話があまり弾まないときに、先生がその場を活性化させるために話すというのは大事です。
 しかし、子供たちが話し出したら、先生はその交通整理に徹する方がいいのです。

 ところが、子供の中には、長く話しすぎる子も出てきます。
 特に、読書紹介では、簡潔に話すことができずに、あらすじを延々と話してしまうということが多くなりがちです。
 これは、学校の感想文の宿題を書くときにもよくあります。

 一般に、文章を要約する力がついてくるのは小学5年生からですから、4年生までは本の内容をかいつまんで話すということが年齢的にできません。
 更に、小学2年生までは、周囲の目を気にするという意識がないので、話は長くなりがちです。

 そこで、読書紹介は、あらすじではなく、「いちばん面白かったところ」だけど言うようにしてもらっています。
 それでも、ついあらすじを話したくなる場合もあるので、先生はタイマーをセットして2分以内で話すという目安を決めています。 大事なのは、一定のルールの中で、全員が話に参加するということだからです。

 ところで、小学3年生までの生徒の中には、質問や感想を聞かれても、すぐに、「ありません」と言う子もいます。
 それは、これまでの生活の中で、自分から進んで何かを言うという場面があまりなかったからです。

 質問や感想を聞かれた生徒がずっと黙っていて、しばらくしてからひとこと、「ありません」などというのを聞くと、先生はつい自分で話した方が、クラスが活性化すると考えがちです。
 もちろん、先生が楽しく話すことはある程度は必要です。
 しかし、毎週の授業は、演劇ではなく教育ですから、話が弾まない日があっても、その中で子供が少しずつ成長していけばそれでいいと考えておくのです。
 これからの時代には、自分で何かを言うということが必要になるからです。。

 さて、生徒が一番の次は、演習の二番です。
 生徒が話をして、先生が話をして、それで授業のほとんどが終わってしまうと、作文の場合は書く時間が後回しになってしまいます。
 生徒と先生の話だけが授業の中心になると、肝心の演習の時間が本人任せになってしまうのです。
 先生の立場としては、演習の時間が長くなると、その間は何もできないので、ものたりなさを感じると思います。
 しかし、この場合も、毎週の授業は先生が教える場ではなく、生徒が学ぶ場であると考えて、演習の時間の方を確保していくのがいいのです。

 そして次に、三番目は先生の話です。
 先生の話は、授業の中心ではありません。
 先生がどんなに上手にいい話をしても、その話が心に残るのは生徒の一部です。
 ところが、全員対話型の授業であれば、自分の話したことや、人から言われたことはそれぞれ全員の生徒の心に残ります。

 しかし、生徒だけの話になると、話の流れのコントロールや、まとまりや、区切りなどがつけにくくなります。
 そのまとまりや区切りをつけるのが先生の役割です。
 だから、先生の話は三番目になるのです。

 将来、寺オン作文の講師を目指す人は、こういう優先順位を頭の中に入れておくといいと思います。

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教育技術(5) 

 コメント欄

森川林 20190426  
 子供たちに、ほかの人の発表に対する感想を聞くと、みんな、なかなかいいことを言います。
 そして、言われた人と言った人の間に、明るいつながりのようなものができます。
 これは、新しい発見でした。
 しかし、考えてみれば、子供たちは遊びの中ではみんな自分たちでやりとりをしていたのです。
 勉強だけは、先生が演出しないといい授業ができないような気がしていましたが、勉強も同じように子供たちで自然に楽しむことができるのだということがわかりました。

nane 20190426  
 勉強を面白くする工夫は、教材にあるのでも、先生の教え方にあるのでもなく、生徒どうしの関係の中にあるのだということがわかってきました。
 だから、勉強は、顔の見える少人数の中で行われるのが最もいい形なのです。
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