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作文がうまく書けない理由(質問に答えて)  2009年2月20日  No.394
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 上手な作文は皆同じように上手だが、下手な作文はそれぞれに下手である、というような言い方をすることができます。
 これは健康と病気の関係にも当てはまります。健康な人は皆同じように健康ですが、病気の人はそれぞれに病気です。
 ところで、現代の医学や科学や教育は、欠点に対して対処療法をして直すという発想しがちです。ところが、そのような方法では、病気の種類はどんどん増えていきますが、病人は減りません。病気の原因にいろいろな名前をつけて治し方を工夫していくよりも、大切なことは、トータルな自然治癒力をつけて、身体全体を健康にするということです。
 勉強についても事情は似ています。勉強の苦手なところを細かく分けて、それぞれの欠点に適した処方箋を書くというようなことをしても、欠点はなかなか直りません。健康における自然治癒力と同じものは、作文における読む力聞く力です。読む量と聞く量が増えていくと、自然に書く力と話す力がついてきます。
 具体的には、読書と対話です。対話は、両親がいろいろな話を聞かせてあげるという方法で子供に話しかけ、日本語のインプットを増やしていくという形です。こういう話しかけが、作文の勉強の土台になります。

 多くの人に共通する作文の問題点を四つ挙げたいと思います。
 第一は、書くことがない、書く気がしないという場合です。これは、小学生でも中高生でも同じです。本を読んでいないと問題意識がわかないので、書く意欲がわいてきません。特に、中学生や高校生で書くことがないという場合は、本を読んでいないというのが原因になっていることが多いものです。
 第二は、長く書けないという場合です。長く書けないのは、実例がないからです。実例を増やすためにもやはり読書が必要です。本を読んでいると、それが物語の本であっても自然にそこから自分の体験実例を連想できるようになります。長く書くための、手っ取り早い方法は、目標の字数を決めて何が何でもそこまで書くという練習をすることです。両親や先生など周りの人が手伝ってもいいですし、会話をたくさん入れて芝居の台本のようになってもかまいません。何しろ目標の字数までむりやりにでも書くようにすると、そこで、その字数が自分の実力になり、次回からはその字数までは比較的楽に書けるという力がついてきます。
 第三は、速く書けないということです。これは、読書をする場合、前に戻って読んでしまうために速く読めないというようなことと共通しています。書きながら前に戻ってときどき読み返しながら書くという書き方をすると、書くスピードは遅くなります。速く書くための練習方法は、一言でいうと根性です。なるべく速く書こうと思って書くことによって速く書く力がついてきます。
 第四に、意外に多いのが、漢字の間違いです。特に高校生ぐらいで学力は十分にあるのに、小学校中高学年のころの漢字を間違えて覚えているというケースがよくあります。これは大人でも同じです。小学校中高学年のころは勉強に対する自覚がないので、その時期に覚えた漢字は、勘違いして覚えていることがかなりあります。間違ったまま覚えている漢字をずっと正しいと思って大人になるまで使っているのです。この解決方法は、他の人に自分の書いた文書を見てもらうか、又は、自分の書いた文章に出てくる漢字を正しいと思うものも含めて逐一辞書で調べ直してみるかどちらかです。

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