ゲストさん ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 873番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/20
学習漫画をどう位置づけるか―学習漫画、漫画、テレビ、ゲーム、ネット、メールと子供の教育 as/873.html
森川林 2010/04/20 20:46 


 本は読まないが、学習漫画はよく読むという子がいます。確かに、知識は身につきますが、それはテレビで身につく知識と似ています。絵や映像の助けを借りているので、吸収しやすい知識ですが、読む力はつきません。これは、漫画も同じです。学力で大事なのは、読む力であって知識ではありません。読む力さえあれば、知識はいつでもつけることができるからです。

 もちろん、漫画にも字がありますが、漫画が読む力につながるのは、小学校1年生の文字を習い始めたころまでだと思います。

 しかし、漫画や学習漫画やテレビの問題点は、読む力がつかないことにあるのではありません。読む力がつかないことと言えば、ほかに、朝ごはんや散歩や入浴もそうです(笑)。問題は、読む力がつかないことではなく、それらが読書と競合するところにあります。

 普通の本と漫画が両方手元にあった場合、することがないからと、子供が最初に手にとるのは漫画の方です。ですから、漫画や学習漫画がよいか悪いかというのは二義的なことで、いちばん大事なのは、いかに本を読む生活をするかということです。

 本を読む習慣を作るためには、毎日読書を10ページ以上すると決めておくことです。自分で読む力が伴わない子の場合は、読み聞かせも並行して行います。どんな本を読むかというのは親が指定してよいのですが、親が選ぶ基準は真面目で難しくなりがちなので、どちらかといえば楽しくて易しいと思われるぐらいの本を選ぶようにします。

 毎日本を読んでいると、「することがないから本でも読む」という場面が出てきます。本の好きな子は、ちょっとした空き時間にも本を読むという形で読書量を増やしています。このわずかな時間の読書があるかないかということが大事なのです。

 漫画や学習漫画が普通の本の読書と競合しないようにするためには、漫画や学習漫画は、読んだら片付けるということを基本にします。もちろん、常時置いておいておきたいと思うような価値ある数冊の漫画や学習漫画は残しておいてよいのですが、基本的に家庭の環境として、たくさんの本と数冊のよい漫画又は学習漫画あるという状態にしておくとよいと思います。

 テレビも、これに似ています。テレビの場合は片付けるというわけにはいかないので、毎日見る時間を1時間などと決めて、見たい番組を選択するようにします。つまり、暇だからテレビを見るという惰性の見方をしないということです。そのためには、親自身がテレビをコントロールすることが必要です。

 ゲームは、魅力のある遊びなので、親でもなかなかコントロールしにくいものです。私(森川林)の家では、子供が小学生のとき、朝早起きして5時までならゲームをしてもよいというようにしていました。ロールプレイングゲームで盛り上がっているときは、結構早起きしてがんばっていました。ひとつは、このように時間帯で決めておくことです。こういう決め方をすると、たまに異常に早起きをして何時間もゲームをする場面も出てきます。そういうときは、「おお、すごいなあ」と感心していればいいのです。そういう無理は長続きしないので、自然に子供の生活時間になじむ形に落ち着いていきます。

 もうひとつは、早起きなどの特別の時間帯以外の1日のゲームの時間数を決めておくことです。これも私の家の例ですが、ゲームは平日は1日15分と決めていました。しかし、15分では物足りない場面もあります。そういうときは臨機応変に追加することもありました。この場合、大事なことは、しぶしぶやらせるのではなく、心から楽しくやらせることです。

 雨の日曜日で子供が退屈しているときなどは、「読書を50ページ読んだらゲームを15分」というように、読書とセットにしておくといいと思います。子供の生活で大事なことは、勉強することでも、遊ぶことでもありません。「よく学び、よく遊べ」という言葉のように、「よく○○する」ということ、つまり心からする状態を作ってあげることがです。

 インターネットと携帯のメールは新しいツールなので、まだコントロールの仕方が社会的にできていません。これも、基本は、本人が自分の力でコントロールできるように話し合いをすることと、インターネットやメールに埋没しなくても済むように、他の生活を充実させることになると思います。


 低学年から学力の基礎を作る
幼長、小1、小2、小3の基礎学力をひとつの講座で学ぶ。
読書の習慣、国語算数の勉強、暗唱の学習、創造発表の練習をオンラインで。


コメント欄

おはろ母 2010年4月20日 22時38分  
テレビゲームでも心から楽しくやらせることはどうして大事なのですか?テレビゲームしているそばで、「そんなにゲームばかりしていると目が悪くなる、とか、頭が悪くなるのよ。」とかいう親の発言は、子どもにどんな悪影響が考えられるのでしょうか?

森川林 2010年4月21日 3時57分  
 小言を言われながらやっていると、よけい目が悪くなったり、頭が悪くなったりします。
 どんなことでも、家庭での話し合いで一定のルールを決めて、その範囲で楽しくやるようにするといいと思います。

コメントフォーム
学習漫画をどう位置づけるか―学習漫画、漫画、テレビ、ゲーム、ネット、メールと子供の教育 森川林 20100420 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
しすせそ (スパム投稿を防ぐために五十音表の「しすせそ」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
子育て(117) 
コメント1~10件
国語読解問題の 森川林
 あるとき、高3の元生徒から、「国語の成績が悪いのでどうした 3/28
今日は読書3冊 森川林
苫米地さんの「日本転生」は必読書。 3/25
共感力とは何か 森川林
言葉の森のライバルというのはない。 森林プロジェクトで 3/23
3月保護者懇談 森川林
 いろいろ盛りだくさんの内容ですが、いちばんのポイントは、中 3/22
中学生、高校生 森川林
 意見文の書き方で、もうひとつあった。  それは、複数の意 3/14
【合格速報】栃 森川林
 おめでとう!  受験勉強中も、硬い説明文の本をばりばり読 3/13
受験作文と入試 森川林
将来の作文入試は、デジタル入力になり、AIで自動採点するよう 3/13
大学入試が終わ 森川林
大学生になっていちばん大事なことは学問に志すこと。 18歳 3/12
【合格速報】東 森川林
 T君、いつも椅子に腹ばいになってずっと本を読んでいたものね 3/11
1月の森リン大 森川林
 小1から高3までの作文が並ぶと、学年に応じて、みんなの考え 3/11
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
日本復活の道筋 森川林
 工業製品を経済発展の原動力をした資本主義は終わりつつある。 4/17
メモ 森川林
https://www.mori7.com/za2024a0 4/16
単なる作業 森川林
勝海舟は、辞書を買うお金がなかったので、ある人から夜中だけ辞 4/8
勉強は、人に教 森川林
勉強は、人に教えてもらうのではなく、 自分で学べばよい。 4/7
タイマー勉強法 森川林
 勉強も、家事も、仕事も、やらなければならない細かいことがた 4/2
人間の役割 森川林
うちの子が1歳か2際のとき、 車で30分ほどの三浦海岸につ 4/2
舞岡のシラサギ 森川林
舞岡八幡宮に行ったら、帰りにシラサギがいた。 3/29
身体や物理的現 森川林
身体や物理的現実は、時間や空間に限定されているが、意識はそれ 3/29
メジロとか、ヒ 森川林
メジロとか、ヒヨドリとか、スズメとか、ヤマバトとかが、毎日わ 3/28
批判と創造 森川林
人を批判することはたやすい。 大事なことは、批判ではなく創 3/27

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習