作文の勉強は毎週やることで力がつく 作文や感想文の宿題で苦労している人へ。低学年では無理をしない。中学年では書き方を知る。高学年の感想文は役に立つ。 お父さん、お母さんとの対話によって伸びる国語の思考力 中学生の勉強は、戦略や戦術を考える力を育てることも大事 漢字の書き取りは、すぐにはできるようにはならないと思って気長に取り組む仕組みを

記事 1879番  最新の記事 <一つ前の記事 一つ後の記事> 2017/10/20 
将来、学力の伸びる子の勉強スタイルは、低学年のころから作られる
森川林 2013/07/19 05:10 



 いろいろなことを考えていて、自分の好きな分野を持ち、たっぷり読書をしたり、親子で対話をしたりする豊かな精神的な生活を送っている子が、ある日、塾の入室テストを受けます。それが、小学校3年生のころです。
 すると、その塾の勉強は面白い。成績もいい。みんなから褒められる。そして、その塾に入り、塾の勉強の生活をスタートします。
 そうすると、次々と出される宿題で、これまでののんびりした生活はできません。遊びを削り、読書を削り、対話を削り、ひたすら問題を解いたり、知識を覚えたりするようことに時間を取られるようになります。
 その宿題をやってきた成果が、塾でのテストという形で評価されると、確かに勉強をしていればテストはよくなるので、まるで成績がよくなっていくような印象を受けます。しかし、それは「受験勉強の先取り」という架空のゲームの世界の成績なのです。その成績がよくなるのに比例して、頭はだんだん悪くなっていきます。
 なぜかというと、本を読んだり、考えたり、遊んだり、話をしたりという知的な生活を削って、ペーパーテストの点数に特化した生活が中心になっていくからです。

 勉強は、いつも自由な遊び時間とのバランスで考えなければなりません。
 「よく学びよく遊べが」子供の生活の基本です。しかし、どっちを優先するかと言えば、「よく遊べ」の方です。その反対に子供の頭を最も悪くするのが、「よく学ぶだけ」の生活です。遊ばずに学ぶことで、子供の学力は、塾のテストという架空の世界に合わせてどんどん薄くなっていきます。テストに出る範囲以外のことはやらない方が、テストの成績はよくなるからです。

 成績をよくするための勉強は、受験勉強です。それは、受験の直前になってからやればいいのです。
 頭をよくするための勉強が本当の勉強です。それは、毎日の自由な生活と両立する形で家庭で決めた範囲の勉強を自習として続けることなのです。

 小学校低中学年で塾の勉強に燃えた子が、高学年から、中学生高校生になるにつれて、勉強に対する興味を失い、どんどん学力が低下する様子をこれまでよく見てきました。
 一方、小学校低中学年のころ、毎日の遊びに夢中で勉強などそっちのけだった子が、高学年になり、中学生高校生になるにつれて、次第に勉強に目覚め、学力を伸ばし志望校に入る例もよく見てきました。
 子供というのは、今の小学生のころの状態を見ていただけでは、将来を見誤ることが多いのです。今の成績の延長に将来の成績があるのではなく、今、成績には表れない学力を育てることが、将来その学力の開花につながっているのです。

 現在は、親の世代も、子供のころ塾通いをした経験を持っています。その経験から、もっと早くから勉強をしていればもっと成績がよくなっていたはずだという幻想を抱いてしまうのです。
 大学入試を当面の目標と考えた場合(本当はもっとその先に勉強の目的があるのですが)、成果を上げられるかどうかは、高校生の最後の受験生の時期に正しい勉強法で集中力を発揮したかどうかにかかっています。低学年からの先取りなど、全くと言っていいほど関係がありません。
 実際に、自分の学力に自信を持っている人は、そういうことをよく知っています。だから、「そんなに小さいころから受験勉強のようなことをする必要はない」ということが自然に言えるのです。勉強というのは、やる気になったときから始めれば充分に間に合うことを知っているからです。
 早くから始めなければ間に合わないと思う人は、正しい受験勉強の方法で取り組まなかったから成果を発揮できなかっただけなのです。

 子供のころからの勉強は、もちろんしてもいいのです。子供の生活の一方の柱が遊びで、もう一方の柱が勉強だからです。
 しかし、それは成績を上げるための勉強ではなく、学力をつけるための勉強にしていく必要があります。
 テストの点数というのは、テストという架空の世界の順位であって、その子の本当の学力とはかなりずれがあります。小学校低中学年のころの成績は、そのテストに向けて訓練をしたかどうかがすべてで、その子の本当の学力とほとんど関係のないことも多いのです。
 では、本当の学力はどこで見るかというと、それは親子の対話の中で、子供がしっかり受け答えをしているかどうかです。だから、入試でも本当の学力を見るとすれば、それは小論文をもとにした面接のような口頭試問による評価になっているのです。
 大事なのは、テストの成績を上げるような勉強ではなく、その口頭試問に堪えられるような学力と実力をつけていく勉強です。

 更に言えば、学力の伸びる子は、他人との競争にはあまり関心がなく、謙虚に自分の勉強を進めていける子です。競争に燃えて自分の成績を自慢する傾向の強い子は、学年が上がるにつれて学力が伸びなくなります。
 塾での勉強というのは、競争意識という将来の学力低下の原因になる感情を利用することで、今の目の前の成績を上げるような仕組みを持っています。だから、家庭では、塾の成績に左右ざれずに、勉強の大本を見る軌道修正を常に行っていく必要があるのです。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
小学校低学年(79) 

コメント欄

コメントフォーム
将来、学力の伸びる子の勉強スタイルは、低学年のころから作られる 森川林 20130719 に対するコメント

▽コメントはここにお書きください。
 ハンドルネーム又はコード:

(za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
メルマガの配信
▼バックナンバー
○一般用 ダイジェスト版
○生徒用 完全版

Facebookページ
言葉の森作文ネットワーク
いいね! 16,301件
新着コメント1~10件
雨の日は明るい nane
 自分の子供が小さかったとき、「もしこの 5:35
雨の日は明るい 森川林
 いつも明るい気持ちでいるのが難しいとい 5:27
受験作文コース nane
 受験作文コースで練習した生徒は、合格し 10/19
受験作文コース 森川林
 入試に作文試験があり、それがかなり得点 10/19
小1オンライン nane
 子育てには、やりすぎの問題と、やらなさ 10/18
小1オンライン 森川林
 勉強の仕方のコツを知っていると知らない 10/18
小1オンライン nane
 私は、いつも同じことを言っていますが、 10/17
小1オンライン 森川林
 今回は、小1の生徒を中心にしていました 10/17
学力向上の秘訣 nane
 知っていることと、できることは、かなり 10/16
学力向上の秘訣 森川林
 思いつくことや始めることは、誰でも比較 10/16
……次のコメント

オープン教育 1~10件
オープンの川
過去の記事

過去の1~30件目を表示
■作文の勉強は毎週やることで力がつく 7月17日
■作文や感想文の宿題で苦労している人へ。低学年では無理をしない。中学年では書き方を知る。高学年の感想文は役に立つ。 7月17日
■お父さん、お母さんとの対話によって伸びる国語の思考力 7月16日
■中学生の勉強は、戦略や戦術を考える力を育てることも大事 7月12日
■漢字の書き取りは、すぐにはできるようにはならないと思って気長に取り組む仕組みを 7月12日
■5月の森リン大賞(中3の部) & 今日の教室 7月8日
■読書感想文のコツは、あらすじや感想を書くことではなく似た例を書くこと 7月8日
■5月の森リン大賞(中2の部) 7月6日
■過去問は仕上げのためではなく、作戦を立てるために取り組むことが大事 7月6日
■国語力をつけるには、共感力と論理性 7月5日
■共感力の必要な国語の問題を解く力をつける勉強法 7月4日
■5月の森リン大賞(中1の部) 7月3日
■高校入試小論文問題と解説8「自分が工夫して解決した体験と将来の目標」 7月2日
■高校入試小論文問題と解説7「セレンディピティ」 7月2日
■高校入試小論文問題と解説6「情報化社会」の問題 7月2日
■高校入試小論文問題と解説5「遺伝子組み換え作物のメリットとデメリット」 7月2日
■高校入試小論文問題と解説4「野生化したアライグマによる京都の社寺の被害」 7月2日
■高校入試小論文問題と解説3「日頃関心を持っている学問分野」 7月2日
■高校入試小論文問題と解説2「因果関係と相関関係」 7月2日
■高校入試小論文問題と解説1「生きるということは徐々に……」 7月2日
■今日から七夕週間 7月2日
■選択式から記述式へ。googleリーダーの引っ越しをしながら考えたこと 7月1日
■漢字の読みの先取りと、暗唱漢字集 6月30日
■公立学校運営の民間への委託と、これからの作文教育の可能性 6月28日
■夏の体験学習が始まります 6月28日
■国語の記述式問題を解く力をつけるには 6月27日
■家庭での作文の教え方、算数数学の教え方、国語の教え方(1) 6月26日
■人に頼る勉強から自分で工夫する勉強へ 6月26日
■言葉の森の夏の無料体験学習 6月25日
■5月の森リン大賞(小6の作文から) 6月24日
……前の30件
HPの記事検索
ホームページの全記事

 言葉の森新聞

Google+ページ
言葉の森作文オンエア

Twitter
言葉の森@kotomori

RSS
RSSリーダー

代表プロフィール
森川林(本名中根克明)

講師ブログ
言葉の森の講師のブログ

算数の通信教育
できた君の算数クラブ

カテゴリー
全カテゴリー
ICT教育(1)
遊び(6)
新しい産業(23)
暗唱(121)
生き方(41)
息抜き(19)
いじめ(1)
インターネット(25)
英語教育(10)
オープン教育(24)
親子作文コース(9)
オンエア講座(41)
オンエア作文(2)
音声入力(10)
音読(22)
外国人と日本語(4)
科学(5)
学問コース(1)
学力テスト(2)
合宿(14)
家庭学習(92)
家庭で教える作文(55)
漢字(17)
帰国子女(12)
教育技術(5)
教育論文化論(255)
教室の話題(26)
行事と文化(1)
ゲーム的教育(4)
合格情報(27)
高校入試作文小論文(10)
構成図(25)
公立中高一貫校(63)
国語問題(15)
国語力読解力(155)
子育て(117)
言の葉クラブ(2)
言葉の森サイト(41)
言葉の森の特徴(83)
言葉の森のビジョン(51)
子供たちの作文(59)
作文教育(134)
作文検定試験(4)
作文の書き方(108)
算数・数学(22)
自習検定試験(10)
自習表(5)
自然災害(1)
実行課題(9)
質問と意見(39)
受験作文小論文(89)
小学校低学年(79)
森林プロジェクト(50)
政治経済(63)
生徒父母向け記事(61)
生徒父母連絡(78)
全教科指導(2)
センター試験(7)
創造が価値の源泉となる社会(9)
大学入試(14)
対話(45)
他の教室との違い(22)
知のパラダイム(15)
中学生の勉强(21)
中高一貫校(11)
寺子屋オンエア(101)
読書(95)
読書感想文(19)
読書実験クラブ(9)
友達サイト(7)
日本(39)
日本語脳(15)
発達障害(1)
東日本大震災(15)
facebook(29)
facebookの記事(165)
プレゼン作文発表会(20)
プログラミング教育(5)
勉強の仕方(119)
未来の教育(31)
MOOC(2)
無の文化(9)
メディア(8)
森の学校オンエア(2)
森リン(103)
問題集読書(33)
読み物(1)
四行詩(13)
未分類(378)

QRコード






 
小学生、中学生、高校生の作文(2007年4月まで)
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。