●総合 78 点 

字  数 1738 字 思考語彙 48 点  (9 個)
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-0--0--0--0--0--0--0--0--0--0--0--0--0--0--0--0-
00-02-04-06-08-10-12-14-16-18-20-22-24-26-28-30-
知識語彙 72 点  (57 種)
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-0--0--0--0--0--0--0--0--0--0--0--0--1--1--1--1--1-
00-09-18-27-36-45-54-63-72-81-90-99-08-17-26-35-44-
 表現語彙 94 点  (166 種)
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-0--0--0--0--0--0--0--1--1--1--1--1--1--1--2--2--2--2-
00-15-30-45-60-75-90-05-20-35-50-65-80-95-10-25-40-55-

点数はほかの人の点数との関連で毎日少しずつ変わります。
棒グラフは全作品の分布で、濃い部分は当作品の位置です。 をクリックすると、最新のデータをもとに再計算されます。

【総評】 点数はそれぞれの級の合格ラインの目安です。 20080901 改訂
12級11級10級9級8級7級6級5級4級3級準2級2級準1級1級
総合52点~59点~62点~64点~69点~72点~74点~78点~81点~86点~88点~90点~91点~92点~
相当学年小1小2小3小4小5小6中1中2中3高1高2高3大社大社
合格率95%95%90%90%85%85%80%70%60%50%40%30%20%10%
思考語彙34点~35点~36点~37点~40点~43点~50点~52点~55点~62点~65点~67点~70点~73点~
知識語彙40点~41点~42点~43点~47点~49点~52点~56点~60点~65点~70点~78点~85点~90点~
表現語彙46点~48点~50点~52点~56点~57点~58点~62点~65点~71点~73点~80点~86点~91点~
思考語彙:意見や説明を書く力/知識語彙:難しい言葉や漢字を使う力/表現語彙:多様な実例や表現を書く力
 
  
思考語彙48

























































94
知識語彙72
△上の三角形の高さは思考語彙
▽下の三角形の深さは知識語彙
三角形の横の長さは表現語彙
○円の大きさは字数
(円はひし型の後ろに隠れている場合があります)。
【文体】
 △文のリズムが標準と異なっています。
 ○文章の中心がよくしぼられています。
 △中間の長さの文がやや少なめです。
 △文の長さの平均がやや短めです。
 百字を超える文1ヶ所(-1点)
 ▲113字  「これ、行く前に書いた字だ」 「もしかすると、これのおかげかも。」 その後、水拭きの雑巾は真っ赤になり、売るほどあるように見えた赤いチョークは、すべて粉になって教室からなくなったので、職員室から持ってきたりと、大騒ぎだった。
【語彙バランス】
 説明に比べて、素材がやや多い文章です。(-1点)
 概念的な言葉よりも、描写的な言葉がやや多い文章です。(-1点)

△三角形の高さは思考語彙、▽逆三角形の深さは知識語彙、
△▽の底辺は表現語彙、○円の幅は字数。

【文リズム】  (一文中の文節的語彙群の数) ~6個 7~10個 11~14個 15~18個 19個~

0806101112040406050603080413091213060409030402070907040304080504030306030303020205050202080107020404050404030403060603080627


【文の長さのグラフ】 -20字短い文 21-40字やや短い文 41-50字中ぐらいの文 51-70字やや長い文 71字-長い文
35 った。
39 きた。
56 った。
57 らだ。
61 った。
14 、と。
15 、と。
24 遅い。
24 無い。
22 ない。
16 った。
36 った。
18 った。
61 ある。
36 った。
49 った。
75 った。
32 った。
19 えた。
39 いた。
13 った。
15 から。
10 いた。
28 った。
56 った。
23 った。
27 うか。
18 った。
21 った。
57 った。
17 いる。
17 声も。
9 声も。
15 った。
31 った。
18 った。
14 した。
18 した。
8 いた。
10 った。
26 いた。
26 んだ。
16 った。
28 える。
38 った。
15 差」。
26 無い。
7 役だ。
14 えた。
18 った。
20 いる。
29 った。
17 人も。
12 人も。
17 った。
14 いる。
17 来た。
28 とだ。
9 じた。
31 した。
25 った。
113 った。
113
75
61
61
57
57
56
56
49
39
39
38
36
36
35
32
31
31
29
28
28
28
27
26
26
26
25
24
24
23
22
21
20
19
18
18
18
18
18
17
17
17
17
17
16
16
15
15
15
15
14
14
14
14
13
12
10
10
9
9
8
7

【最長の文】 (最長の文は、文章全体の特徴を表しています)
「これ、行く前に書いた字だ」 「もしかすると、これのおかげかも。」 その後、水拭きの雑巾は真っ赤になり、売るほどあるように見えた赤いチョークは、すべて粉になって教室からなくなったので、職員室から持ってきたりと、大騒ぎだった。 (113字)
 

【本文】
それは、三十数年間の常識が破られ、希望と感動と声が爆発した瞬間だった。
「逆転」、「一点差」、「勝った」
この言葉が信じられない五年間を送ってきた。運動会で優勝したのは二年生で、もうその時の記憶と言えば、ダンスで水着を着なくて良かったと思ったことくらいだった。
(一年生の時、水着に装飾を着けて、グラウンドの中で踊ると言うダンスだったのだ)
「逆転」が信じられなかったは、少なくともこの五年間で、お昼前に点数で負けていた組が、優勝す事はなかったからだ。だからこそ、六年生の運動会で優勝することばかり想像していたけれど、お昼前の点数を見て、私は半分諦めていて、投げやりだった。もう私にできる事は無い、と。後はリレー選手に任せよう、と。私は足が速い方ではないし、どちらかと言うと遅い。自分が何位を取ろうが、一点なんて大した事は無い。自分は、大会社で言えば下っ端社員にすぎない。決して、前向きとは言えなかった。必死に駆け回った棒取りも負けて、私はただただ、後ろを振り向くだけだった。
そんな中、ビッグニュースが入った。慌ててテントに駆け込んできた友人の話によると、リレーで私たちの組が一位と二位を取れば、勝てるかもしれないと言うことである。リレー選手にはもう伝えたと言うので、私は勝てるかも、とちょっぴり思った。だが二位だったハチマキチームが、他の組のチームとぶつかり転んでしまって、ブーイングが巻き起こった。
「わざとでしょ!!」
「ひどい!!」
結局、私たちのクラスの帽子チームは、一位を取っているものの、走者が変わってもハチマキチームは四位のままだった。唯一、頼りにしていたのは、全校最速と言われているアンカーだった。しかし、それでもダメかな、とも考えた。なぜなら三位と二位の人もすごく離れていたし、一位の人は、さらにずっと先にいた。でも誰もあきらめなかった。だってこの運動会で最後だから。後は十秒で片付いた。物語を初めて作る人たちが考えるような、見事な結末だった。
アンカーは、土煙を立てるくらいのものすごいスピードで走り、あっという間に、三位と二位の人を追い抜いてしまった。横を見ると、口を閉じている人な誰もいなかった。
一位と二位は取れたが、果たして勝っているのだろうか。「勝利」を疑ったのは、その時だった。けれど「勝利」の可能性を疑いはしなかった。それは「勝てるかもしれないよ。」と言った友人を信頼しているからでもあり、勝ちたい、と思い続けていたからでもあった。
先生の声の響きが耳に残っている。それを聞いた時の私たちの叫び声も。そして喜びの声も。学校で泣いたのは初めてだった。先生に叱られた時も、悲しい時も、学校で涙を見せた事はなかった。嬉しくて泣いたのも初めての事だった。今だけは泣いていい気がした。思いっきり今を楽しんでいる気がした。だから、泣いた。ただそれだけだった。「勝った」という自分の声が、頭の中でこだましていた。
ふと我に帰った時、「一点差」という言葉が浮かんだ。徒競走で、私は六人中四位だった。徒競走では、一位は三点で二位が二点、三位が一点もらえる。もし私が、三十センチ前にいた三位の人を抜かしていれば、点数の差は三点だった。「一点差」ではなく「三点差」。そう考えると、私の役割はもはや下っ端の社員では無い。会社の重役だ。いや、みんなが重役に思えた。もう、私たちに上と下なんてなかった。みんな重要で、みんな勝利を左右している。誰かが、三位ではなく四位を取ったら、引き分けか負けだった。活躍した人も、そうでなかった人も。一位の人も、六位の人も。みんな勝利を喜ぶ点では同じだった。一番自分が重要とされている。私はこの運動会で、一番成長出来た。大きな出来事も小さな変化も、人間にとっては大事なことだ。心からそう感じた。
運動会が終わって、教室に帰った私たちは、部屋を見て爆笑した。そこには、「赤」の字で埋め尽くされた黒板があった。
「これ、行く前に書いた字だ」
「もしかすると、これのおかげかも。」
その後、水拭きの雑巾は真っ赤になり、売るほどあるように見えた赤いチョークは、すべて粉になって教室からなくなったので、職員室から持ってきたりと、大騒ぎだった。
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原文   森リン ベスト5