授業の渚 nngu-10-2


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ング 10.2週

 第一段落は、状況実例と社会問題の主題。「社会が、共通の大きな価値観を失ったために、個人が自分の所属する場所を見つけられないでいる。ある人は、よりよい学校よりよい就職という与えられた価値観に自分をあてはめ、ある人は、居心地のいい集団に自分の居場所を見つける。主体性のある個人を確立をせずに、全体への従属を求めるところに現代の社会の問題がある」など。
 第二段落は、その原因1と体験実例。「第一の原因は、(この長文にもあるように)社会が共通の大きな目標を持たなくなったことにある。私の祖父母の世代は、今でも国のために奉公するという精神が生きている。例えば……」など。
 第三段落は、原因2と自然科学実例。「第二の原因は、個人が所属する集団の個性がなくなり、だれもが平等に同じ環境で生きるようになったからである。かつては、自分がどういう身分又は集団に属するかということがその人のアイデンティティにつながったが、今そういう自覚はなくなりつつある。植林された杉林は、自然の雑木林に比べて生態系が単調になる。私たちの今住んでいる社会も、植林された杉林のように個人の個性が発揮しにくくなっている」など。
 第四段落は、反対理解とことわざの加工。「確かに、個人が大きい価値観に縛られなかったり、特定の集団に所属しなくなったりしたことは、社会の自由の現われで一つの進歩とも言える。しかし……」。ことわざの加工は、意見とは逆のことわざを選び、それを加工する形で。「出る杭は打たれると言う。しかし、それはほとんどの杭がひっこんでいるから言えることである。すべての杭が全体への従属を断ち切って頭を出すような社会が今求められている」など。