授業の渚 ra-05-2


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ラ5.2 何を読むかという前に

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 ぼくは、バオ君。今日は、ライラックの5.2週の課題を説明するよ。
 みんなは、読書が好きかな。読書好きな人は、ここに書いてあることを、「そう、そう」と思いながら読んだのじゃないかな。
 最初の第一段落は、要約。要約のあと、読書の楽しさを味わいながら生きて生きたいのように生き方の主題で意見を書いていこう。第二段落は、そのための方法1。第二段落は、方法2。最後の第四段落は、反対理解とまとめ。
 では、紙芝居を見てみよう。
(1)
 読書好きになるには、ある時期、読書に夢中になる期間が必要だ。現代の社会では、勉強が忙しいせいか、読書にのめりこむという時間がなかなか取れない人もいる。でも、始めるのに遅すぎることはない。世の中には、若いときには全然本を読まなかったのに、ある時期から急に読むようになった人もいる。いつから始めてもいいけど、何しろ夢中で読むという時間を持つことが大事だね。夢中で読むと、このように本の中に入り込んでしまう。よく、小さい子供で、本を読んでいるときは、呼ばれても気がつかないという人がいる。こんな時期を持てた子は幸せだよね。
(2)
 第二段落は、そのための方法。まず、本に触れる機会を作ることだ。そのためには、本の邪魔になるものは、少し抑え気味にしておくことが大事かもしれない。例えば、テレビ、漫画、ゲームなど。もちろん、読書が好きな子は、テレビも漫画もゲームも好きだ。しかし、人生の時間は限られているから、テレビを見すぎて、本を読む時間が取れなくなるという人も多い。この長文にも書いてあるように、テレビや漫画やゲームは惰性でだらだら見ることができる。それは、つまり自分の頭をあまり使っていないからなんだよ。それとは逆に、読書は自分の頭を使う。ところが、読書になれてくると、この頭を使って読むということがそれなりに楽しくなってくるというわけだね。
(3)
 第三段落は、いい本を見つけるということかな。今、学校で朝の10分間読書などをしているところも増えているらしい。これがきっかけで読書の面白さに気がついたという人もいる。学校も図書室というのは、実は、いい本がたくさんそろっているんだよ。普通、本屋さんに行くと、よく売れる本や新しい本が中心だから、古い名作などはなかなか読む機会がない。ところが、学校や図書館では、学生が読むのにふさわしい本をそろえている。だから、君たちも学校や図書館をもっと活用するといいんだよ。
 本を読んでいると、どんどん世界が広がる。読書は、人間を自由にしてくれるんだね。
(4)
 本を読む前と読んだあとでは、人間が変わる。何だかダイエットのコマーシャルのようだけど、これは本当だよ。本を読んでいる人は、顔つきもだんだんきりりとしてくる。みんなも、もてたいと思ったら、顔かたちに気をつかうよりも、まず読書で内面を磨くことが大事だ。確かに、人生には、読書以外に大事なことはたくさんある。読書だけして実行しないというのでは、かえって読書のマイナス面が出てしまう。英語のことわざに、「プディングの味は食べてみなければわからない」というのがある。英語で言うと、「The proof of pudding is in the eating」って言うんだ。バオ君の英語は、アフリカ英語だよ。読書も大事だけど、実行ももちろん大事だ。しかし、その実行を豊かにするためにも、読書がある。と、こういう関係になっているんだよ。
(5)
 さて、ここで二宮尊徳の話をしてみよう。みんなのよく知っている二宮金次郎だよ。金次郎は、小さいころから丁稚奉公に出されていたので、自由に本が読めなかった。しかし、ご主人の目を盗んで、仕事を終えた夜中に読んだり、薪を運びながら読んだりした。しかし、もちろん、学者のようにたくさん読むことはできなかった。その尊徳が、こういう歌を残している。「音もなくかもなく常に天地(アメツチ)は書かざる経をくりかへしつ ゝ」。しかし、これは、当時の書物など読む時間を取れなかった農民たちに、たとえ本が読めなくても天地自然に書かれている真理を実戦を通して身につければいいということを言ったんだ。
 しかし、ぼくたちは、尊徳のころよりもずっと豊かな時代に暮らしている。読書と実践を両方こなしていくことが、ぼくたちの仕事だよ。がんばろうね。