授業の渚 ra-05-3


↑スタート/ストップ音声オン/オフ↑
 ライラックの5.3週は、ニーズとウォンツの話だよ。ニーズというのは必要という意味で、ウォンツというのは欲望というような意味だね。
 ニーズとウォンツ、どちらも似ているようだけど、どこが違うのかな。
【1】
 例えば、よる寝る前に、「ようし、明日は早起きして勉強するぞ!」と思って寝たとするよ。さて、この子の運命は……。朝の9時になってもまだ寝ている、となるね。これは、早起きがニーズだったからだね。ニーズというのは、理屈で頭の中で必要だとわかっているけど、心の中では別にしたいとは思っていないことなんだ。
 第一段落は、要約のあと、「ウォンツを大事にして生きていきたい」とまとめてみよう。「生きていきたい」なんて、ちょっとオーバーだけどね。
【2】
 さて、第二段落は、その方法一番。「自分が心からしたいことをすることだ」、又は、「自分の本当にしたくなるような工夫をすることだ」。
 例えば、みんなも、こんなやり方で勉強をすることがあるでしょう。「ようし、この勉強が終わったら、彼女とデートだ」。ほら、どんどん勉強する気がわいてきて、そのうちデートの約束の時間を忘れて、結局振られちゃったとかね。女の子だったら、こんなこともある。「ようし、このダイエットが成功したら、甘いものをたっぷり食べるぞう」で、結局よけい太ったりして。
 つまり、単なるニーズに思われるようなことをウォンツに切り換えるという工夫をすることだね。
【3】
 第三段落は、方法の二番。これは、ウォンツを尊重する社会ということになるかなあ。
 大学の学部選びや将来の職業選びなどでも、自分が何をしたいかということよりも、何が人気があるかという基準で選んでしまうことがよくある。でも、それ以前に、自分が何をしたいかがわからないという声もよく聞く。それだけ、ウォンツということが普段から話題になっていないということなんだね。
 真珠の養殖に世界で始めて成功した御木本幸吉は、周りの人から「できっこないじゃん」とバカにされていた。これは、エジソンの電球の発明でも、ライト兄弟の飛行機の発明でも、豊田佐吉の自動織機の発明でも、すべてそう。彼らは、単にそういうものを発明したいというニーズを感じていただけでなく、そこに燃えるようなウォンツを感じていたんだろうね。
【4】
 第四段落は、反対理解とまとめ。確かに、客観的な情勢を分析することは大切だ。ウォンツさえあればいいというのでは、この絵のように、アコヤガイからダイヤモンドを作ろうなんていう人も出てきてしまう。よくみんなも、小学生のときに七夕の短冊に「世界征服」などと書いたことがあるでしょう。ほかによくあるのが「ウルトラマンになりたい」とか「お姫さまになりたい」とかいう願い事ね。もっと贅沢なのは、世界征服とウルトラマンとお姫さまを1枚の短冊に書いて、まるで悪の手先のウルトラマンが女装して登場するような夢を持っていた人もいたね。
 こういうやみくもなウォンツではなく、客観的な可能性を判断することももちろん必要だ。しかし……、と最初の生き方の主題に戻ってまとめていくんだよ。
 名言も引用して格好よくまとめていこう。