授業の渚 wa-05-1


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 さあ、ワタスゲの課題の説明だよ。
 まず、第一段落は状況実例。そのあと「べき」という形で意見を書いて、第二段落は、その方法1番。第三段落は、方法2番。最後の第四段落は、反対理解とまとめ。
(1)
 みんなは、こういう問題ができるかな。2/3×3/4。うーん、パオ君はできないなあ。これは、数学の勉強をしていないとできない問題なんだよ。例えば、有名なイエスキリストやお釈迦様や聖徳太子に、この問題を出したら、どうだっただろう。たぶん、みんな、できなかったと思うよ。大体、分数などという言葉を知らなかっただろうし。
 世界には、学校を出ていなくても優秀な人はたくさんいる。しかし、分数の計算のようなことは、勉強をしないとできるようにはならない。でも、だからと言って、学校での勉強が万能かというとそうではない。学校の勉強はあまり得意ではなかったけど、実生活での仕事はばりばりできるという人もいる。大事なことは、学校か実生活かということではなく、その場にあわせた適応力を身につけていくということなんだね。それを「べき」という形で書いていく。
(2)
 第二段落は、そのための方法。まず、第一は、学校の勉強は、もちろん基礎の勉強としてやっていくということだ。適応力というのは、突然天から降ってくるわけではないからね。昔のことわざで「桃栗三年、柿八年」というのがあるよね。あれは、単に桃と栗が三年で成って、柿が八年で成るという意味だけではない。何かの結果が実るまでは、それなりの辛抱が必要だという意味なんだ。エジソンだって、言ったでしょう。「天才は99%の汗と1パーセントのひらめきである」って。つまり、適応力の前提として、もちろん努力もしなければならないということだ。ここで、体験実例を入れてみよう。
(3)
 第三段落は、方法の二番。しかし、地道にこつこつやるだけでは、適応力は身に付かない。やはり、実戦の中でコツを見つけていくということが大事になる。
 頭の中で考えておしまいにしないで、実際にやってみるということだ。例えば、この子みたいに、実際に折り紙を切ってみる。もちろん、テストの最中に折り紙を出してきり始めることはできないけどね。
 トロイの都を発掘したシュリーマンがなぜえらかったかと言うと、自分で実際に掘ってみたからだよね。頭で考えて、口で言っているだけではなくて、実際に手足を動かしてみる。たぶん、そこから適応力というものが育ってくるんだろうね。
(4)
 第四段落は、反対理解とまとめ。「確かに、簡単に適応しないことも大事だ」。適応力に頼りすぎると、例えば、わからないときは答えを見ちゃえ、という安易な発想になってしまうこともある。みんなは、青の洞門という話を知っているかな。大分県中津市にあるトンネルで、禅海というお坊さんが49歳のときから30年間ノミと槌だけで掘り続けたんだ。考えてみたら、あまり適応力がない感じがするでしょう。もっと大勢の人の協力を頼むとか、行政を動かすとか、ブルドーザーやダイナマイトを利用するとか、適応力のある人だったら、もっといいやり方をしたかもしれない。しかし、逆に適応力のある人だったら、最初からあきらめていたかもしれないものね。
(5)
 では、最後に問題を出そう。1/100×1/100は、なんだろう。ここで、まさか折り紙を切り始めた人はいないよね。答えは1万分の1だね。
 では、もっと難しい問題。1/100×1/100×1/100……と1/100を100回かけたらどうなるだろう。ここで、電卓を持ち出してきた人はいないよね。答えは、パオ君もわからないけど、たぶんそのまま計算するんじゃないと考えた人は正解だね。答えは、10の2乗分の1を100回かけるんだから、10の200乗分の1だね。本当かなあ。