授業の渚 ya-05-3


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 ヤマブキ5月3週の課題の説明です。

 今回は父親の役割についての話です。
 全体の構成ですが、第一段落に、この長文全体の要約を書きます。第二段落の一つ目の意見としては、昔気質の頑固で厳しい父親のよい面を書きます。そして、第三段落には、二つ目の意見としてものわかりのよい友達のような父親のよい面を書きます。第四段落は、総合化してまとめていきます。

 第一段落の要約は、150〜300字ぐらいでまとめます。この長文からポイントとなるところをいくつか抜き出してみましょう。「家族を統合し、理念を掲げ、文化を伝え、社会のルールを教えるという父の役割が消えかけている。」「リーダーシップをとり、家族をまとめ、社会のルールを教えていく立派な父親こそが必要とされているのに、そのような立派な父親が育ちにくいのが現代社会である。」「友達のような父親に育てられた子供は、自由な意志を持つようにはなるが、よい意志を持つようにはならない。」「自分が真に価値あると思った文化を教え込むのが父の最も大切な役割である。上下の関係があり、権威を持っていて初めてそれができる。」このあたりがポイントになると思います。

 第二段落は、いわゆる「頑固親父」として子供からは疎まれるような父親のよい面について考えます。「地震、雷、火事、おやじ」という言葉もあるように、かつて、父親は、怖いものの代名詞でした。このタイプの父親の代表としては、漫画「巨人の星」の星一徹や向田邦子原作「寺内貫太郎一家」の寺内貫太郎などが挙げられます。「一徹」、「貫太郎」といった名前からも、その頑固さが伝わってきます。この二人の必殺わざは、ちゃぶ台返し。気に入らないことがあると、いきなりちゃぶ台を引っくり返すような怖い父親です。このような厳しい父親に育てられた子供は、幼いうちから社会のルールをしっかりと教え込まれます。(ちゃぶ台返しは別として。)また、小さい頃から父という壁にぶつかり、はねとばされているので、いざ一人で社会という壁に立ち向かったときも、少しはねとばされたくらいではへこたれない精神的な強さを身につけることができるでしょう。

 第三段落は、ものわかりのよい友達のような父親の良さについて書いてみましょう。何でも気楽に相談に乗ってもらえるような父親、子供と同じ目の高さで話をしてくれる父親は、子供にとって理想の父親ではないでしょうか。このタイプの父親は、茶碗を引っくり返すようなことはあっても、決してちゃぶ台を引っくり返すようなことはしません。夕飯を食べる間中、いつ、ちゃぶ台が引っくり返されるか、はらはらする必要がないので、家庭の雰囲気はいつも明るく、自由です。子供とキャッチボールをするときも、決して、大リーグ養成ギブスを強制したりはしないので、子供は、のびのびと遊ぶことができます。

 第四段落は総合化でまとめます。相手がどんなタイプであっても、自分自身がその相手をどのように受け止めるかということが大切です。確かに、頑固な父親にもものわかりのよい父親にもそれぞれ良さがあります。しかし、いちばん大切なことは、どんな父親かではなく、自分自身が父親をどのように受け止めるかということではないでしょうか。名言は「カメラマンは、レンズのほこりを払うまえに目のほこりを払わねばならない。」、「良い友人を得たければ、まず自分が良い友人でなければならない。」などが使えそうです。

 以上で説明はおしまいです。対照的な二つの父親像を思い浮かべながら書いてみてください。