世界でいちばん
初めに
切手ができた
国は、イギリスです。それは、
今から二
百年近く前のことでした。
当時、イギリスにはすでに
郵便の
制度はありましたが、
手紙の
重さと
送る距離によって、
値段が
変わっていました。つまり、
重いものを
遠くへ
送るほどたくさんの
お金を
払わなければならなかったのです。また、その
料金も、
受け取った
人が
払う仕組みでしたから、
受け取りを
拒否する
人もたくさんいました。なかには、
空の
封筒を
送り、
家族に
受け取りを
拒否してもらい、
自分が
元気なことをただで
知らせる
人もいたそうです。
ここに
登場したのが、「
近代郵便制度の
父」と
呼ばれるローランド・ヒルです。
彼はその
時、
郵便の
仕事をしているわけではありませんでした。しかし、
郵便を
前払い制にして、
料金を
安く、またどこへ
出しても
同じ金額にすることを
提案したのです。
こうして、
世界で
最初の
切手である一ペニーの「ペニー・ブラック」と、二ペンスの「ペンス・ブルー」という二
種類の
切手が
作られました。どちらも、
当時のイギリスのビクトリア
女王の
横顔が
描かれています。
この
切手は、
世界で
最初の
切手だったため、イギリスの
国名は
印刷されていませんでした。
その後、この
新しい郵便制度はヨーロッパ
中に、そして
世界中に
広まりました。しかし、イギリスだけは
現在でも、
切手に
国名を
印刷していません。これは、
世界の
先頭をキッテ、
最初に
切手を
作ったという、
誇りがあるからです。
「ヒルさん、
切手を
最初に
作ったときは、どんな
気持ちでしたか。」
「うまく
行くかどうかわからないので、どきどキッテしました。」
言葉の
森長文作成委員会(τ)