【1】コウモリは、
夕方薄暗くなってから
空を
飛びまわる動物です。その
黒い影が、
少し気味が悪いということで、
怖がる
人もいます。
しかし、
南の
国には、とてもかわいいコウモリがいます。【2】フルーツコウモリといって、
金色でむくむくしていて、まるでぬいぐるみのようです。コウモリはふつう
虫などを
食べますが、このフルーツコウモリは、
果物や
花の
花粉を
食べます。
【3】
南の
国には、おいしくて
甘い果物がどこにでもたくさんみのっています。マンゴーやパパイヤなど、
汁気もたっぷりのみずみずしい
果物です。【4】こうしたところでは、コウモリが
果物を
食べて
種を
落としたり、
花粉を
運んだりすることによって、その
果物や
花の
繁殖を
助けています。
【5】このコウモリはおいしい
果物ばかり
食べているので、
清潔でしかも
肉の
味がとてもよく、
地元の
人がつかまえて
食べるようになりました。
そこで、コウモリも
知恵を
使って、
お寺の
広い庭の
木にすむようになりました。【6】どうしてかというと、
南の
国では、
お寺の
中にいる
生き物は、
決して殺してはいけないという
決まりがあるからです。コウモリたちは、なぜかそのことを
知って、
お寺にすむようになったのです。
【7】
南の
国の
お寺にいくと、
庭には、
野良猫や
野良犬がのんびりし、
木には、
金色のフルーツコウモリがたくさんぶらさがって、これものんびりしています。【8】その
様子は、まるでコウモリの
形をした
果物がたくさんみのっているようです。
昼間は
暑いので、コウモリたちは、
片方の
羽を
使ってぱたぱた
体をあおいでいます。
∵
【9】「コウモリさん、フルーツをどうやって
食べるんですか。」
「コウ、モリモリ
食べるんだよ。」
言葉の
森長文作成委員会(λ)