竹は、中に
節があって、まるで空き
部屋がひとつひとつ
区切られているように、空っぽになっています。これは、竹が木の
仲間でなくて、草の
仲間だからです。竹は、
身のまわりにたくさんあるので、
大昔から、
人間は、この竹を
利用する
工夫をしてきました。
まず、あいたところにお
米をつめて、
蒸す道具にしました。水をつめて、
水筒にもしました。二つにわって、お
皿にもしました。
まっすぐにきれいに
割れることから、
細くして、ザルやカゴをあんだり、スダレを
編んだりもしました。また、
更に細くして、竹ヒゴというものにもしました。竹ヒゴは、しなやかにまがっても
折れることがないので、
模型飛行機などの
材料にも
使われています。
更に、
人間は、竹によって
弓矢や、
槍も
作りました。
剣道の
竹刀には、
今も竹が
使われています。
竹は、
遊ぶものにも
使われました。
穴をあけて、
尺八という
楽器にもなりました。
長い竹を
打ちあわせて、その上をとんで
踊るバンブーダンスにも
使われました。
竹馬や竹トンボという子どものおもちゃにもなり、竹から生まれた「かぐやひめ」という
お話も
作られました。
エジソンが
電球を
発明したとき、
光を
長くもたせるためのフィラメントの
材料を
長い間さがして、とうとう
京都の竹の
炭がいちばんいいことを
発見しました。
こんなに
役に立つ竹は、
値段も
決してタケーわけではありません。
身の回りに
豊富にある
材料です。日本人は、
昔からこの
役に立つ竹を
尊敬してきました。だから、おめでたいことに
使われるものは、
松竹梅と
言いますし、お正月には
門松を立てるのです。また、七夕の日には
笹に
願い事を
書いた
短冊をつるします。子どもの日には、
笹の
葉でまいたチマキを
食べて、
元気に
育つことを
祈ります。∵
竹もまさか、こんなに
人間に
利用されるとは
思わなかったでしょう。しかし、竹はきっと「竹をわったような
性格」ですから、「どんどん
工夫していいよ!」と
快く言っているはずです。
言葉の森
長文作成委員会(λ)