| ひとこと |
| 時間 |
| イチゴ | の | 池 | の広場 |
| ペー吉 | / | うき | 中1 |
| 最近は、人々の興味が金銭的なものから時間的なものへ移っている。しかし |
| 、悲しいのは、時間への関心は、時間に追いかけられないことではなくて、時 |
| 間の能率的な使い方に向けられていることだ。効率よく時間を使い、あいた時 |
| 間にひと仕事いれてしまうのが、日本人の悲しい性だ。これからの課題は、能 |
| 率的・効率的でない時間の使い方のできるチャンスをいかに確保するかだ。 |
| 私は、時間をもっとゆったりと使えばいいと思う。その理由は、次のとおり |
| だ。 |
| まず、目的地があるとしよう。その目的地へ行くのに新幹線で寝ながら行き |
| 、目的地でお土産だけ買って帰りはやはり新幹線で寝ながら行く、というのと |
| 、のんびりと歩きながら、あたりの景色を楽しみつついくのと、どちらがより |
| 充実した思い出をのこせるかといえば、それは後者であろう。人間的な楽しみ |
| とは、そんなものであるはずだ。 |
| 第二に、あくせくと仕事をし、休みも無く会話も最低限という生き方と、お |
| だやかに少しずつ仕事をこなし、休日はのんびりするという生き方では、どち |
| らが充実した人生であろうか。これも、後者だろう。あくせくとした人生では |
| ストレスがたまり、自然と怒りっぽくなったり、つかれたりする。 |
| そもそも人間が誕生したばかりのときの生き方は、朝日が昇れば起き、お腹 |
| が空けば狩に出て、日が沈めば寝るというものであった。それに比べると、朝 |
| 早く起きて出勤し、空いた時間を見つけてなんとか食事をとり、夜遅くに帰宅 |
| するという現在の人間は、自然の中で見つけ出した、調度いい生活スタイルを |
| 自ら崩していることになる。 |
| 「人が旅行するのは、到着するためでなく、旅行するためである」という言 |
| 葉もあるように、目的地につくことではなく、その途中経過も大事にするべき |
| である。今の日本人には、その"途中経過を楽しめる心"が必要なのだから。 |