| ひとこと |
| ニーズとウォント |
| アジサイ | の | 滝 | の広場 |
| 武照 | / | あよ | 中3 |
| 「必要」には二つの解釈がある。一つは過去経験したことを基準に割り出し |
| た「ニーズ」。もう一つは欲望や欠乏を求めることである「ウォント」である |
| 。創造しようとするものが過去に類を見ないものであればあるほど飛躍が必要 |
| であり、飛躍の原動力は内なる欲望、「ウォント」である。 |
| ちらちらと金粉をまぶしたような深い群青色の海が紙面を飾っている。「私 |
| が飛ぶのは空が好きだから。そしてそこから見える景色はすばらしかった。」 |
| 世界の女性のために飛ぶといって女性で始めて大西洋横断に成功した飛行士イ |
| ヤハートはこのようなことを言っていたという。新しいことに挑戦するために |
| は内からの欲求、情念が必要である。我々は情念を大切にしていくべきであろ |
| う。 |
| 地面に飽きたものは空へ飛び、又は海底に潜り、現在に飽きたものは過去を |
| 探り、人並みに考えることに飽きたものは自らの考えを活字に、色に表現し今 |
| 見えるものに飽きたものはミクロの世界を覗いた。内からの欲求であるところ |
| の情念は我々の進歩にはなくてはならぬものなのである。 |
| ではどうすれば情念を持つことができるのか。それは自分の欲望をもっと大 |
| 切にすることだ。つまりもっと飢えることである。ある社会人類学者がアメリ |
| カに行った時、レストランで討論し、ナプキンに数式を書き連ねる若い数学者 |
| に驚いたと書いていたが、自分の欲求を満たすことに情熱を傾けることを我々 |
| は見習わなくてはならないであろう。 |
| 確かに情念の暴走を押さえるために理性も重要である。情念によって自己を |
| 顧みない行動に走った時理性は我々に冷静な判断を与えてくれる。しかし生き |
| る喜びは守りではなく攻めにあるであろう。一般に新しいことに挑戦すること |
| をなかなかできない、又はする気のない日本人に情念をもっと持つことが求め |
| られているであろう。情念を持つ餓鬼は後に海の美しさをみることができるの |
| である。 |