| ひとこと |
| 制約の薦め |
| イチゴ | の | 空 | の広場 |
| 天翔真人 | / | うち | 社 |
| 火事場の馬鹿力という言葉があるように、私たちは集中することにより、思 |
| いがけないほど強い力が出たりする事がある。普段どんなに急いでも15分掛 |
| かる道を、10分掛からずに歩き自分でもびっくりしたという経験のある人は |
| 以外とおおいのではないだろうか。しかし、最近の生活の中では、私自身また |
| 周囲の人を見ていても、精神的に緊張して過ごすことが極端に減ったことを感 |
| じる。それには、生活の過剰な安定が原因であると思う。 |
| 私は現在、いわゆるフリーターという存在である。大学までなに不自由する |
| 事無く、生活してきて、大学の卒業前に自分自身が、いかに明確な目的を持た |
| ず生活してきたかということに気付いた。運が良かったかどうか今でも判らな |
| いが、たまたま就職せず1年間、自分のやりたいことを、いままで以上に試す |
| ことが出来た。その中で強く感じたことは、いままでどうりに普通に生活して |
| いればいいという人が、あまりに多いという点である。実際私の周囲の人も、 |
| 普通に会社にいき決められたことをしていれば、特に気張って自分のやりたい |
| ことを無理にやることはなく、余った時間でそれをすればいいという人が多く |
| 、私自身も最近まで同様の考えを持っていたことは間違えない。 |
| 古代の国の法律や国王の言葉などで、様々に加工され言葉自体はかわってい |
| るが、いまも私たちが知っている言葉がある。そのなかに「民衆は生かさず殺 |
| さず」という言葉がある。あまりに物を与えすぎると反乱を起こしてしまう、 |
| とはいえ全く与えないと民衆は死んでしまう。常に何かを要求し、また足りな |
| い物を補完しようとする力が、国を支えるということを示していると思う。 |
| 私たちが学生の頃は、まだ足りない物を探しそれを補完しようとする力が残 |
| っていた。しかし、最近では生活の中で、不便と感じる物がほとんど無く、欲 |
| しい物が簡単に手にはいるようになってしまい、より便利で楽できる物を求め |
| るようになったのではないかと思う。その結果、私たち自身も次第に楽するよ |
| うになってしまい、危機管理への適応能力を失っているように感じる。私たち |
| は今のようなときにこそ、強い意思を持ち、自ら制約をかけ、火事場に対応で |
| きる力を十分に蓄えておくべきである。 |