| ひとこと | (7月2週) |
| 知恵 |
| アジサイ | の | 谷 | の広場 |
| ペー吉 | / | うき | 中2 |
| 知恵 |
| ぺー吉 うき |
| 知識があるということは、大切なことだと思う。知識がたりなければ、無 |
| 謀な行動をして怪我をするハメになることもある。知識がなくては、人はどう |
| 動けばいいかを判断できないし、知識がなくては、どのようなことが正しいか |
| 、どのようなことが間違っているかを確かめることもできない。例えば、スポ |
| ーツだ。そのスポーツに関するルールを知らなくては、とても試合などできな |
| い。それに、バスケやサッカーなどのスポーツ一つ一つだけでなく、スポーツ |
| 全体を通しての目的、意味を知らなくては、スポーツをしている意味はない。 |
| だが、「経験」も大切だという意見もあるだろう。いかに知識があろうと |
| も、どのような状況でどのような動きをするか、を知っていても、実際にそう |
| 動けるかは、経験次第だ。また、経験が知識を上回ることも時にはある。知識 |
| がなくても、それまでの経験の中で覚えたことが、実際に活かされることもあ |
| る。童話を例に挙げてみよう。題名は忘れたが、「エパミナンダス」という男 |
| の子が登場する童話だ。その中でその男の子は、叔母さんの家へ遊びに行く。 |
| そしてお土産をもらって帰ってくるのだが、そのお土産の持ち帰り方を知らず |
| に、滅茶苦茶にして持ち帰ってしまう。それを見た母親は、次はどうすればい |
| いかを教える。エパミナンダスは、再びおばさんにお土産を貰う。だが、前回 |
| のお土産と少し違う。そして、母親に教えられた通りに持ってきたエパミナン |
| ダスは、やはりお土産を滅茶苦茶にしてしまっていた。その後も数回続くのだ |
| が、そのたびにエパミナンダスは失敗を繰り返す。犬を持ってきたあとに貰っ |
| たチーズを、母に教えられた通りに、綱をつけて引きずってもってきたり。そ |
| の後、ミルクをきちんと箱に包んで持って帰ってきたり。結局、彼は「経験」 |
| が足りなかったために、母親に与えられた「知識」を活かしきれなかったのだ |
| 。 |
| だが、本当に大事なのは、知識でも、経験でもないと思う。知識は身につ |
| いていなければ役に立たないし、経験は、それを得るには一回の失敗というリ |
| スクが必要だ。結局私は、知識を得て、それを経験によって自分のものにして |
| いくのがいいのではないかと思う。単なる「知識」を、「経験」というプラス |
| アルファの要素を加えることで、自分独自の、「知恵」にかえるのだ。自分の |
| 心の内に持っていないものは、何一つ自分の財産ではない。「知識」をそろえ |
| て満足するよりも、「経験」だけで浅い理解を得るよりも、それらを統合する |
| ことによって「知恵」を持ち、真に自分にとって価値のある「財産」にするべ |
| きではないかと思うのだ。 |