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国語力は知識のようにつくのではなく体力のようについてくる as/2379.html
森川林 2015/07/13 08:58 


 合気道と書道の師匠が、偶然同じことを言っていました。練習は、毎回同じようなものなので、3、4か月やってみて、「ああ、なんだ、毎回同じだな」とやめる人。もう一方は、やらないとなんかおかしいという感じになってくる人。そういう二種類の生徒がいるということです。(師匠とは、保江邦夫さんと山本光輝さんです。)

 現代の社会では、勉強は知識として習得することが中心になっています。数学の解き方のような方法も、知識として習得できます。理屈で理解して知識として習得するのですから、短期間で成果が現れます。
 夏休みは、苦手科目を克服する時期だと言われています。夏休みの1ヶ月間、英語や数学などの特定の教科を本気で勉強すれば、そのわずか1か月で苦手が普通に、普通が得意になるぐらいの大きな変化があります。

 同じように、国語でもテストの成績をある程度上げることはできます。それは、国語の問題の解き方にも、知識で理解して習得できる面があるからです。
 しかし、国語力の土台になっているものは、知識や理解ではなく、その生徒のそれまでのトータルな読書や経験や思考の蓄積です。
 だから、国語の問題集を解くような勉強では、国語力は決して身につかないのです。

 では、国語力はどのようにして身につくかというと、それは合気道や書道の師匠が言っていたことと同じで、毎回同じようなことを続けることによってです。

 国語の問題集は、ほとんどの場合、一度解いたらそれで終わりです。解けなかったからといって、同じ問題を二度三度解く人はまずいません。
 数学の勉強は、これとは正反対です。数学は、解けなかった問題だけを、繰り返し解くことによって初めて身につきます。
 国語は、問題を解くことによってではなく、問題に出されるような難解な文章を繰り返し読むことによって身につくのです。

 ところが、この難解な文章を繰り返し読むという勉強は、家庭ではなかなかできません。それは、問題を解く勉強と比べると、形として残るものがないので、まず子供が飽きてしまうからです。
 また、子供が何とか続けている場合でも、親にはその続けている中身を確認することができません。「問題集読書、やった?」「うん」。これでおしまいになってしまうのでは、親子とも張り合いがありません。
 それで、多くの人は、国語の問題を解くような形の残る勉強に戻ってしまうのです。

 国語の勉強は、知識と理解の勉強ではありません。体力をつけるのと同じ性格の勉強です。
 知識と理解の勉強であれば、週1、2回でも成果が上がります。体力をつける勉強は、毎日やらなければ蓄積されません。しかも、毎日やっても変化がないような状態が長く続き、成果のことなど忘れたときにいつの間にか力がついていることに気づくのです。

 言葉の森では、中学1年生のときに国語が苦手だったという子が、毎週作文を書くために長文を読むという勉強を続けているうちに、中学3年生になるころにはいつの間にか国語がいちばん得意になっていたという話がよくあります。
 それは、国語の問題を解くことによってではなく、国語の問題に出てくるような難しい文章を繰り返し読んでいたからそうなったのです。

 しかし、同じように作文や感想文の勉強をしていても、長文をあまり読まず、先生の言ったヒントだけをもとに書いてしまう生徒はあまり力が伸びません。
 同じような勉強をしていても、自分の力で読む生徒と、人に教えてもらう生徒とでは、実力のつき方が違うのです。

 そこで、言葉の森では、寺子屋オンエアという、先生と生徒が時間を共有できるできる仕組みで、国語の問題集読書を中心とした家庭学習の指導を始めました。
 この問題集読書で大事なことは二つあります。
 第一は、短い時間でいいから毎日やることです。問題集読書の音読だけならわずか3分でできます。感想を書く時間を入れてもせいぜい10分から15分です。これを毎日続けていくのです。
 第二は、1冊の問題集を一度読み終えたら、また最初から繰り返し読むことです。この繰り返しを5回行うのです。

 この問題集読書で、本当の国語力をつけ、それを作文の勉強にも生かしていくという形の勉強を作っていきたいと思っています。


 国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

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