ゲストさん ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 2806番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/20
明日の教育と今日の教育を両立させる勉強を――はせくらみゆきさんの「チェンジ・マネー」を読んで as/2806.html
森川林 2017/01/30 08:09 


 1年ほど前、山内尚子さんの話を読んで感動したので、山内さんが代表となっている「きれい・ねっと」の会員になりました。会員と言っても、年間2000円の会費を払うだけですので大したことではありません。
 しかし、わずか2000円の会費なのに、文心という通信がときどき届き、いつも心が洗われるようなメッセージをいただきます。
 その通信の中に、「きれい・ねっとで出している本を1冊無料で送ります」という申し込みの紙が入っていたので、前から少し気になっていた「チェンジ・マネー」を注文しました。
 土曜日の夕方、その本と、長谷川慶太郎さんの「大転換」と、野口悠紀雄さんの「ブロックチェーン革命」と、月間「ザ・フナイ」が一緒にどさっとポストに届いていました。
 「チェンジ・マネー」は、船井勝仁さんとはせくらみゆきさんの共著です。

 ちょうど昨日、1月29日(日)は、朝10時から夕方5時半まで船井総研のセミナーがあったので、それに行く途中の電車の中で読むために、「大転換」と「チェンジ・マネー」と「ブロックチェーン革命」をリュックに入れました。
 行きの電車の中で、「大転換」を読み、帰りの電車の中で「チェンジ・マネー」を読むことができました。「ブロックチェーン革命」は読み切れないまま持って帰ってきました。ただ重かっただけです。
 それらの本のほかに、出かける前にポストに入っていた日経と朝小と毎小の新聞も読み、キンドルに入っていた日下公人さんと安保徹さんの本もちょっと読んだので、行き帰りの約1時間の電車の中は、なかなか有意義に過ごせました。
 もちろん、それ以上に、肝心の船井セミナーは更に有意義な時間でした。あとで数えてみたら、ノートに8枚もびっしりメモを書いていました。

 と、長い前書きのあとで(笑)
 その「チェンジ・マネー」を読んで考えたことです。
 はせくらさんは、ひとりの母親という立場から、子供たちに「お金」の本当の姿を伝えたいと考えたそうです。
 そして、お金のもともとの役割は、「感謝を伝える表現手段」だとわかったということでした。
 この話に、私は全面的に納得しました。

 世の中は、競争と勝敗の世界から、次第に共感と創造の世界に移っていきます。
 この世界に対する意識の変化に応じて、お金の役割も確かに変わっていくだろうと私も思います。
 多くの人は、そういうことを夢物語のように考えていると思いますが、私はかなり早くそういう時代が来ると思っています。

 そのひとつの大きなきっかけになるものがフリーエネルギーです。これも、夢物語のように言われていると思いますが。
 世の中にある物やサービスの値段は、結局エネルギーの値段に還元されるものですから、エネルギーがフリーになれば、物やサービスには、そのことに関わる人間の労働や人間の工夫以外の値段はなくなります。
 こういう世の中では、人は何のためにお金を使うかと言えば、感謝の気持ちを表す手段としてお金を払うということになるのです。

 そういう時代で、人が労働する動機は、お金を稼ぐためではありません。人に喜ばれることをしたいということが動機となって仕事が行われるようになります。そして、その労働への感謝としてお金が流通するのです。
 そして、本当に喜ばれることは、自分が犠牲になって人の嫌がることをすることではありません。そういう仕事も一部には一時的に残りますが、本質的な喜びは創造によってもたらされます。
 自分らしいものを創造することが、他の人の喜びになるような形で、世の中の産業とお金が回っていくようになるのです。

 近い未来に、こういう世の中が来るだろうことを、私は確信していますが、しかし同時に、まだこのような社会になっていない現在でも、人間は生きていかなければなりません。
 明日よりよく生きると同時に、今もよりよく生きるという両方の選択をするのが現代という過渡期の時代なのです。

 それは、具体的には、喜ばれるために仕事をすると同時に、勝つために仕事をするということです。
 子供の勉強に関して言えば、創造と共感の人間らしい生き方をするために勉強をすると同時に、当面の受験を頂点とする試験教育に勝つために勉強をする必要もあるということです。

 この二つの水と油のような教育を両立させることは、私は十分に可能なことだと思っています。
 そのひとつの例が、数学者の岡潔さんのような勉強法です。岡さんは、学生時代、普段は自分の好きな勉強を楽しむためにやっていましたが、定期試験の前だけは短期間でその試験の出題範囲を全部覚えて好成績を上げていたそうです。
 創造的な仕事をしている人に、こういう勉強法をしている人は多いと思います。

 この正反対の勉強法が、普段から自分のあまり興味の持てない勉強を、苦しいのを我慢しながら早めに取り組んで、試験のためだけの勉強を長時間続けることです。
 これは、今日の勉強のために、未来の勉強を犠牲にしていることと同じです。
 未来の勉強のために、今日の勉強を犠牲にすることもいいことではありませんが、今日のために未来を犠牲にすることはもっと決定的によくないことです。

 最近の学習塾で行っている英語教育の中には、小1から英語の学習を始めて小2か小3のころまでに英検2級を取るというようなスケジュールのコースがあるそうです。そのために、家庭での保護者の協力による宿題が大量に出るのです。
 子供が自分で選んだわけではもちろんありません。親がよかれと思ってやっていることですが、この子たちが数年後、肝心の日本語がうまく使えるようになっているかどうかはわかりません。日本語だけでなく、肝心の自由な遊びの時間なども制限されるでしょう。
 こういう勉強が、今日のために明日を犠牲にしている勉強です。

 普通の賢い母親は、小学校低学年のうちから子供を勉強漬けにするようなことはしません。しかし、自由放任で遊び放題というのでもありません。
 低学年のうちは、いつも言っていることですが、読書と対話と遊びと、自主的な勉強習慣をつけることを目標にしていくことです。そして、勉強は決して長時間やらせたり、難しいものをやらせたりするのではなく、基礎的な1冊を反復するという形で進めていくことです。
 平凡なことですが、これが、未来と今日を両立させる勉強の仕方です。

 そして、これもいつも言っていることですが、そのために、作文を勉強の中心として、読書と対話と遊びと日々の勉強を回転させていくのです。言葉の森では、そういう勉強の仕方をしている人がかなりいると思っています。


 1年ほど前、山内尚子さんの話を読んで感動したので、山内さんが代表となっている「きれい・ねっと」の会員になりました。会員と言っても、年間2000円の会費を払うだけですので大したことではありません。
 しかし、わずか2000円の会費なのに、文心という通信がときどき届き、いつも心が洗われるようなメッセージをいただきます。
 その通信の中に、「きれい・ねっとで出している本を1冊無料で送ります」という申し込みの紙が入っていたので、前から少し気になっていた「チェンジ・マネー」を注文しました。
 土曜日の夕方、その本と、長谷川慶太郎さんの「大転換」と、野口悠紀雄さんの「ブロックチェーン革命」と、月間「ザ・フナイ」が一緒にどさっとポストに届いていました。
 「チェンジ・マネー」は、船井勝仁さんとはせくらみゆきさんの共著です。

 ちょうど昨日、1月29日(日)は、朝10時から夕方5時半まで船井総研のセミナーがあったので、それに行く途中の電車の中で読むために、「大転換」と「チェンジ・マネー」と「ブロックチェーン革命」をリュックに入れました。
 行きの電車の中で、「大転換」を読み、帰りの電車の中で「チェンジ・マネー」を読むことができました。「ブロックチェーン革命」は読み切れないまま持って帰ってきました。ただ重かっただけです。
 それらの本のほかに、出かける前にポストに入っていた日経と朝小と毎小の新聞も読み、キンドルに入っていた日下公人さんと安保徹さんの本もちょっと読んだので、行き帰りの約1時間の電車の中は、なかなか有意義に過ごせました。
 もちろん、それ以上に、肝心の船井セミナーは更に有意義な時間でした。あとで数えてみたら、ノートに8枚もびっしりメモを書いていました。

 と、長い前書きのあとで(笑)
 その「チェンジ・マネー」を読んで考えたことです。
 はせくらさんは、ひとりの母親という立場から、子供たちに「お金」の本当の姿を伝えたいと考えたそうです。
 そして、お金のもともとの役割は、「感謝を伝える表現手段」だとわかったということでした。
 この話に、私は全面的に納得しました。

 世の中は、競争と勝敗の世界から、次第に共感と創造の世界に移っていきます。
 この世界に対する意識の変化に応じて、お金の役割も確かに変わっていくだろうと私も思います。
 多くの人は、そういうことを夢物語のように考えていると思いますが、私はかなり早くそういう時代が来ると思っています。

 そのひとつの大きなきっかけになるものがフリーエネルギーです。これも、夢物語のように言われていると思いますが。
 世の中にある物やサービスの値段は、結局エネルギーの値段に還元されるものですから、エネルギーがフリーになれば、物やサービスには、そのことに関わる人間の労働や人間の工夫以外の値段はなくなります。
 こういう世の中では、人は何のためにお金を使うかと言えば、感謝の気持ちを表す手段としてお金を払うということになるのです。

 そういう時代で、人が労働する動機は、お金を稼ぐためではありません。人に喜ばれることをしたいということが動機となって仕事が行われるようになります。そして、その労働への感謝としてお金が流通するのです。
 そして、本当に喜ばれることは、自分が犠牲になって人の嫌がることをすることではありません。そういう仕事も一部には一時的に残りますが、本質的な喜びは創造によってもたらされます。
 自分らしいものを創造することが、他の人の喜びになるような形で、世の中の産業とお金が回っていくようになるのです。

 近い未来に、こういう世の中が来るだろうことを、私は確信していますが、しかし同時に、まだこのような社会になっていない現在でも、人間は生きていかなければなりません。
 明日よりよく生きると同時に、今もよりよく生きるという両方の選択をするのが現代という過渡期の時代なのです。

 それは、具体的には、喜ばれるために仕事をすると同時に、勝つために仕事をするということです。
 子供の勉強に関して言えば、創造と共感の人間らしい生き方をするために勉強をすると同時に、当面の受験を頂点とする試験教育に勝つために勉強をする必要もあるということです。

 この二つの水と油のような教育を両立させることは、私は十分に可能なことだと思っています。
 そのひとつの例が、数学者の岡潔さんのような勉強法です。岡さんは、学生時代、普段は自分の好きな勉強を楽しむためにやっていましたが、定期試験の前だけは短期間でその試験の出題範囲を全部覚えて好成績を上げていたそうです。
 創造的な仕事をしている人に、こういう勉強法をしている人は多いと思います。

 この正反対の勉強法が、普段から自分のあまり興味の持てない勉強を、苦しいのを我慢しながら早めに取り組んで、試験のためだけの勉強を長時間続けることです。
 これは、今日の勉強のために、未来の勉強を犠牲にしていることと同じです。
 未来の勉強のために、今日の勉強を犠牲にすることもいいことではありませんが、今日のために未来を犠牲にすることはもっと決定的によくないことです。

 最近の学習塾で行っている英語教育の中には、小1から英語の学習を始めて小2か小3のころまでに英検2級を取るというようなスケジュールのコースがあるそうです。そのために、家庭での保護者の協力による宿題が大量に出るのです。
 子供が自分で選んだわけではもちろんありません。親がよかれと思ってやっていることですが、この子たちが数年後、肝心の日本語がうまく使えるようになっているかどうかはわかりません。日本語だけでなく、肝心の自由な遊びの時間なども制限されるでしょう。
 こういう勉強が、今日のために明日を犠牲にしている勉強です。

 普通の賢い母親は、小学校低学年のうちから子供を勉強漬けにするようなことはしません。しかし、自由放任で遊び放題というのでもありません。
 低学年のうちは、いつも言っていることですが、読書と対話と遊びと、自主的な勉強習慣をつけることを目標にしていくことです。そして、勉強は決して長時間やらせたり、難しいものをやらせたりするのではなく、基礎的な1冊を反復するという形で進めていくことです。
 平凡なことですが、これが、未来と今日を両立させる勉強の仕方です。

 そして、これもいつも言っていることですが、そのために、作文を勉強の中心として、読書と対話と遊びと日々の勉強を回転させていくのです。言葉の森では、そういう勉強の仕方をしている人がかなりいると思っています。


 対話と個別指導のあるオンライン少人数クラスの作文教室
小1から作文力を上達させれば、これからの入試は有利になる。
志望校別の対応ができる受験作文。作文の専科教育で40年の実績。

コメント欄

コメントフォーム
明日の教育と今日の教育を両立させる勉強を――はせくらみゆきさんの「チェンジ・マネー」を読んで 森川林 20170130 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
くけこさ (スパム投稿を防ぐために五十音表の「くけこさ」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
作文教育(134) 小学校低学年(79) 未来の教育(31) 
コメント1~10件
国語読解問題の 森川林
 あるとき、高3の元生徒から、「国語の成績が悪いのでどうした 3/28
今日は読書3冊 森川林
苫米地さんの「日本転生」は必読書。 3/25
共感力とは何か 森川林
言葉の森のライバルというのはない。 森林プロジェクトで 3/23
3月保護者懇談 森川林
 いろいろ盛りだくさんの内容ですが、いちばんのポイントは、中 3/22
中学生、高校生 森川林
 意見文の書き方で、もうひとつあった。  それは、複数の意 3/14
【合格速報】栃 森川林
 おめでとう!  受験勉強中も、硬い説明文の本をばりばり読 3/13
受験作文と入試 森川林
将来の作文入試は、デジタル入力になり、AIで自動採点するよう 3/13
大学入試が終わ 森川林
大学生になっていちばん大事なことは学問に志すこと。 18歳 3/12
【合格速報】東 森川林
 T君、いつも椅子に腹ばいになってずっと本を読んでいたものね 3/11
1月の森リン大 森川林
 小1から高3までの作文が並ぶと、学年に応じて、みんなの考え 3/11
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
日本復活の道筋 森川林
 工業製品を経済発展の原動力をした資本主義は終わりつつある。 4/17
メモ 森川林
https://www.mori7.com/za2024a0 4/16
単なる作業 森川林
勝海舟は、辞書を買うお金がなかったので、ある人から夜中だけ辞 4/8
勉強は、人に教 森川林
勉強は、人に教えてもらうのではなく、 自分で学べばよい。 4/7
タイマー勉強法 森川林
 勉強も、家事も、仕事も、やらなければならない細かいことがた 4/2
人間の役割 森川林
うちの子が1歳か2際のとき、 車で30分ほどの三浦海岸につ 4/2
舞岡のシラサギ 森川林
舞岡八幡宮に行ったら、帰りにシラサギがいた。 3/29
身体や物理的現 森川林
身体や物理的現実は、時間や空間に限定されているが、意識はそれ 3/29
メジロとか、ヒ 森川林
メジロとか、ヒヨドリとか、スズメとか、ヤマバトとかが、毎日わ 3/28
批判と創造 森川林
人を批判することはたやすい。 大事なことは、批判ではなく創 3/27

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習