ゲストさん ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 2993番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/17
生涯続けられる仕事は、ITの分野ではなく、教育の分野 as/2993.html
森川林 2017/08/10 06:28 


 先日、人生百年時代に関する記事を書きました。
 人間が普通に100歳まで生きるような社会になると、既に破綻しかけている年金制度は確実に破綻します(笑)。(笑い事ではありませんが)
 定年は、今の60歳や65歳ではなく、80歳や90歳にしなければなりません。

 そのときに、その人の行っている仕事がITの分野だったらどうなるでしょう。
 IT技術の進歩に応じて、新しい知識や技能を毎年のように身につけなければなりません。
 若いときに苦労して身につけた技術が陳腐化して、全く役に立たなくなるという場合もあるでしょう。

 技術進歩の早い分野の仕事は、若い人が担うもので、ある程度の年齢になったら、技術の進歩に影響される仕事からは少しずつ手を引いていくのがいいのです。

 では、技術の進歩が遅い仕事、あるいはない仕事というのはあるのでしょうか。
 それがあるのです。
 その典型的な分野が教育や芸術や宗教です。

 しかも、それらの分野は、技術の進歩に無理してついていく必要がないばかりでなく、その仕事に携わる年数に応じて日々習熟していくのです。

 特に教育の分野については、経験年数の効果は大きくなります。
 子育ては、一人目が最も苦労しますが、二人目はかなり楽になります。三人目、四人目、五人目、六人目となれば(おそ松くんの一家のようですが)、最後の六人目の子供は目をつぶっていてもうまく子育てができるようになるでしょう。

 そして、この経験年数の効果とともに大きいのが、教育の仕事は自分をふりかえることで進歩するという面があることです。
 人が20代のころに、「小さいとき、もっとああいうことをしていればよかった」と思うことと、その人が40代のころに思うことと、60代のころに思うことは、かなり違ってきます。

 貝原益軒は、「和俗童子訓」という教育論を80代で書きました。
 ルソーは、「エミール」を40代で書きました。
 どちらの教育論があてになるかといえば、80代の知恵で裏打ちされたものの方だと思う人が多いでしょう。(ルソーファンのみなさん、ごめんなさい(笑))

 教育の仕事の進歩は、タブレット授業の仕方やデジタル黒板の使い方を身につけるようなところでなされるのではありません。
 自分の過去をふりかえり、それを今いる子供たちに重ね合わせることによってなされるのです。

 年をとって、経験年数を重ねるほど技術が進歩していくというのが、教育の仕事の特徴です。
 それは、芸術や宗教にもあてはまりますが、世の中に新しい価値を創造する力は主に教育が担っています。
 これからの長寿社会の進展を考えた場合、教育の仕事というのは、最も可能性のある仕事の分野になるのです。
 しかし、それはもちろん、今の受験教育のような教育ではありません。
 受験教育と少子化の進展という面から見れば、教育は先行きの展望のない仕事のように見えます。
 しかし、創造教育という面から見れば、少子化はむしろ充実した教育の土台であり、新しい未来の仕事の可能性を最も持っている分野だと言えるのです。

 言葉の森では、今、森林プロジェクトによる作文講師資格講座を開いています。
 これは、作文教育を中心に、自主学習教育、思考発表教育、自然合宿教育などをオンラインネットワークを利用しながら進めていくものです。
 オンラインを利用した教育と言っても、特に難しい技術的な習得が必要なわけではありません。
 スマホやSNSに慣れるように、オンラインに慣れることで身につくものです。

 人生百年時代の長寿社会に向けて、未来の仕事を、新しい教育の分野で作っていきましょう。

―――――――――――――――――
関連記事

言葉の森の新しい教育 
森林プロジェクトの作文講師資格講座、9月から料金改定 
人生100年時代の価値ある仕事としての教育 
生涯続けられる仕事は、ITの分野ではなく、教育の分野 
森林プロジェクトの新しい教育 


 先日、人生百年時代に関する記事を書きました。
 人間が普通に100歳まで生きるような社会になると、既に破綻しかけている年金制度は確実に破綻します(笑)。(笑い事ではありませんが)
 定年は、今の60歳や65歳ではなく、80歳や90歳にしなければなりません。

 そのときに、その人の行っている仕事がITの分野だったらどうなるでしょう。
 IT技術の進歩に応じて、新しい知識や技能を毎年のように身につけなければなりません。
 若いときに苦労して身につけた技術が陳腐化して、全く役に立たなくなるという場合もあるでしょう。

 技術進歩の早い分野の仕事は、若い人が担うもので、ある程度の年齢になったら、技術の進歩に影響される仕事からは少しずつ手を引いていくのがいいのです。

 では、技術の進歩が遅い仕事、あるいはない仕事というのはあるのでしょうか。
 それがあるのです。
 その典型的な分野が教育や芸術や宗教です。

 しかも、それらの分野は、技術の進歩に無理してついていく必要がないばかりでなく、その仕事に携わる年数に応じて日々習熟していくのです。

 特に教育の分野については、経験年数の効果は大きくなります。
 子育ては、一人目が最も苦労しますが、二人目はかなり楽になります。三人目、四人目、五人目、六人目となれば(おそ松くんの一家のようですが)、最後の六人目の子供は目をつぶっていてもうまく子育てができるようになるでしょう。

 そして、この経験年数の効果とともに大きいのが、教育の仕事は自分をふりかえることで進歩するという面があることです。
 人が20代のころに、「小さいとき、もっとああいうことをしていればよかった」と思うことと、その人が40代のころに思うことと、60代のころに思うことは、かなり違ってきます。

 貝原益軒は、「和俗童子訓」という教育論を80代で書きました。
 ルソーは、「エミール」を40代で書きました。
 どちらの教育論があてになるかといえば、80代の知恵で裏打ちされたものの方だと思う人が多いでしょう。(ルソーファンのみなさん、ごめんなさい(笑))

 教育の仕事の進歩は、タブレット授業の仕方やデジタル黒板の使い方を身につけるようなところでなされるのではありません。
 自分の過去をふりかえり、それを今いる子供たちに重ね合わせることによってなされるのです。

 年をとって、経験年数を重ねるほど技術が進歩していくというのが、教育の仕事の特徴です。
 それは、芸術や宗教にもあてはまりますが、世の中に新しい価値を創造する力は主に教育が担っています。
 これからの長寿社会の進展を考えた場合、教育の仕事というのは、最も可能性のある仕事の分野になるのです。
 しかし、それはもちろん、今の受験教育のような教育ではありません。
 受験教育と少子化の進展という面から見れば、教育は先行きの展望のない仕事のように見えます。
 しかし、創造教育という面から見れば、少子化はむしろ充実した教育の土台であり、新しい未来の仕事の可能性を最も持っている分野だと言えるのです。

 言葉の森では、今、森林プロジェクトによる作文講師資格講座を開いています。
 これは、作文教育を中心に、自主学習教育、思考発表教育、自然合宿教育などをオンラインネットワークを利用しながら進めていくものです。
 オンラインを利用した教育と言っても、特に難しい技術的な習得が必要なわけではありません。
 スマホやSNSに慣れるように、オンラインに慣れることで身につくものです。

 人生百年時代の長寿社会に向けて、未来の仕事を、新しい教育の分野で作っていきましょう。

―――――――――――――――――
関連記事

言葉の森の新しい教育 
森林プロジェクトの作文講師資格講座、9月から料金改定 
人生100年時代の価値ある仕事としての教育 
生涯続けられる仕事は、ITの分野ではなく、教育の分野 
森林プロジェクトの新しい教育 


 国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

コメント欄

森川林 2017年8月10日 6時40分 1 
 人生百年時代に最も有望な仕事は、教育の分野の仕事です。
 少子化が問題になるのは、子供を量の面からしか見ていないからです。
 創造教育の面から考えれば、大事なのは量ではなく質なのです。


nane 2017年8月10日 6時57分 1 
 芸術家、宗教家、教育者の中には、百歳近くになってもいい仕事をしている人がいます。
 これが、プロレスラーや、百メートル走者や、IT技術者などと違うところです。
 これからの時代は、若いときにできる仕事と、年をとってからこそできる仕事の二つのわらじを履いていく必要があるのです。(宗教家は仕事ではないかもしれませんが(笑))


コメントフォーム
生涯続けられる仕事は、ITの分野ではなく、教育の分野 森川林 20170810 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
ぬねのは (スパム投稿を防ぐために五十音表の「ぬねのは」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
森林プロジェクト(50) 
コメント1~10件
国語読解問題の 森川林
 あるとき、高3の元生徒から、「国語の成績が悪いのでどうした 3/28
今日は読書3冊 森川林
苫米地さんの「日本転生」は必読書。 3/25
共感力とは何か 森川林
言葉の森のライバルというのはない。 森林プロジェクトで 3/23
3月保護者懇談 森川林
 いろいろ盛りだくさんの内容ですが、いちばんのポイントは、中 3/22
中学生、高校生 森川林
 意見文の書き方で、もうひとつあった。  それは、複数の意 3/14
【合格速報】栃 森川林
 おめでとう!  受験勉強中も、硬い説明文の本をばりばり読 3/13
受験作文と入試 森川林
将来の作文入試は、デジタル入力になり、AIで自動採点するよう 3/13
大学入試が終わ 森川林
大学生になっていちばん大事なことは学問に志すこと。 18歳 3/12
【合格速報】東 森川林
 T君、いつも椅子に腹ばいになってずっと本を読んでいたものね 3/11
1月の森リン大 森川林
 小1から高3までの作文が並ぶと、学年に応じて、みんなの考え 3/11
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
メモ 森川林
https://www.mori7.com/za2024a0 4/16
単なる作業 森川林
勝海舟は、辞書を買うお金がなかったので、ある人から夜中だけ辞 4/8
勉強は、人に教 森川林
勉強は、人に教えてもらうのではなく、 自分で学べばよい。 4/7
タイマー勉強法 森川林
 勉強も、家事も、仕事も、やらなければならない細かいことがた 4/2
人間の役割 森川林
うちの子が1歳か2際のとき、 車で30分ほどの三浦海岸につ 4/2
舞岡のシラサギ 森川林
舞岡八幡宮に行ったら、帰りにシラサギがいた。 3/29
身体や物理的現 森川林
身体や物理的現実は、時間や空間に限定されているが、意識はそれ 3/29
メジロとか、ヒ 森川林
メジロとか、ヒヨドリとか、スズメとか、ヤマバトとかが、毎日わ 3/28
批判と創造 森川林
人を批判することはたやすい。 大事なことは、批判ではなく創 3/27
ぶんぶんドリム 森川林
また、あるところが、朝小に、作文講座のカラーの全面広告を出し 3/27

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習