記事 3181番  最新の記事 <一つ前の記事 一つ後の記事> 2019/3/25 
木彫りと塑像
森川林 2018/02/13 07:21 


 木彫りは掘って削っていくことだけだが、塑像は粘土でいくらでも付け加えて調整ができる。そこで何度も手を加えてしまう。そこに、卑しさのようなものが出てくる。
 このようなことを、木彫りの彫刻家池上俊氏が、中島多加仁氏との対話の中で話していました。(「超宗教」中島多加仁著より)
 中島氏はそれに関連して、水墨画や書に見る1回限りの仕事と、西洋の油絵などの何度も上書きできる仕事との対比していました。

 同じことは、文章を書くことについても言えます。

 手書きの作文であれば、手直しをすることはあまりできません。特に、ペンで手書きの作文を書けば、うっかり間違えた場合でも大幅な手直しはできなくなります。
 そこで、文章を書くことに、一種の気合が入るのです。

 ところが、パソコンのキーボードで入力するときは、手直しが容易にできるためにかえって時間がかかってしまうことがあります。
 だから、パソコンの入力をするときも、できるだけ直さずに書くということを心がけていくといいのです。

 しかし、人間の考えるスピードは手書きやパソコン入力よりもずっと速いので、書いているうちに文章の流れが不自然になることもあります。
 ここが難しいところです。

 また、日本語の場合は特に同音異義語の変換をしなければならないために、パソコン入力では思考の流れが中断されるということもあります。

 ところが、ここに新しい入力方法として、音声入力というやり方が出てきました。

 音声入力は、考えながらゆっくり喋るようにすれば、少し慣れると誰でも楽にできるようになります。
 この音声入力の利点は、同音異義語の選択による思考の中断がないことと、言い直しや修正がしにくいことです。

 そのため、ゆっくり話していけば、同音異義語の変換と文章の修正という後戻りがないために、手書きやキーボード入力よりもずっと早く文章をテキスト化することができます。
 これが、文脈によって文字変換をするようになった深層学習の成果だと思います。

 ただし、音声入力は自分が喋ろうとする内容の全体の見取り図を持っていることが必要です。
 その見取り図は、構想図を書く過程で深めておくという形の分業ができます。

 今後の作文は、この音声入によるテキスト変換が第一で、第二に手書きOCRによるテキスト変換というものになっていくと思います。

 付け加えることのできるやり方ではなく、削ることしかできないやり方で物事を仕上げて行くのが作文のひとつのコツになるのです。

 だから、今後の作文指導は、長くたくさん書くことよりもむしろ、短く削っていかに簡潔に書くかということが重点になってくると思います。

言葉の森の受講案内  無料体験学習受付中


 木彫りは掘って削っていくことだけだが、塑像は粘土でいくらでも付け加えて調整ができる。そこで何度も手を加えてしまう。そこに、卑しさのようなものが出てくる。
 このようなことを、木彫りの彫刻家池上俊氏が、中島多加仁氏との対話の中で話していました。(「超宗教」中島多加仁著より)
 中島氏はそれに関連して、水墨画や書に見る1回限りの仕事と、西洋の油絵などの何度も上書きできる仕事との対比していました。

 同じことは、文章を書くことについても言えます。

 手書きの作文であれば、手直しをすることはあまりできません。特に、ペンで手書きの作文を書けば、うっかり間違えた場合でも大幅な手直しはできなくなります。
 そこで、文章を書くことに、一種の気合が入るのです。

 ところが、パソコンのキーボードで入力するときは、手直しが容易にできるためにかえって時間がかかってしまうことがあります。
 だから、パソコンの入力をするときも、できるだけ直さずに書くということを心がけていくといいのです。

 しかし、人間の考えるスピードは手書きやパソコン入力よりもずっと速いので、書いているうちに文章の流れが不自然になることもあります。
 ここが難しいところです。

 また、日本語の場合は特に同音異義語の変換をしなければならないために、パソコン入力では思考の流れが中断されるということもあります。

 ところが、ここに新しい入力方法として、音声入力というやり方が出てきました。

 音声入力は、考えながらゆっくり喋るようにすれば、少し慣れると誰でも楽にできるようになります。
 この音声入力の利点は、同音異義語の選択による思考の中断がないことと、言い直しや修正がしにくいことです。

 そのため、ゆっくり話していけば、同音異義語の変換と文章の修正という後戻りがないために、手書きやキーボード入力よりもずっと早く文章をテキスト化することができます。
 これが、文脈によって文字変換をするようになった深層学習の成果だと思います。

 ただし、音声入力は自分が喋ろうとする内容の全体の見取り図を持っていることが必要です。
 その見取り図は、構想図を書く過程で深めておくという形の分業ができます。

 今後の作文は、この音声入によるテキスト変換が第一で、第二に手書きOCRによるテキスト変換というものになっていくと思います。

 付け加えることのできるやり方ではなく、削ることしかできないやり方で物事を仕上げて行くのが作文のひとつのコツになるのです。

 だから、今後の作文指導は、長くたくさん書くことよりもむしろ、短く削っていかに簡潔に書くかということが重点になってくると思います。

言葉の森の受講案内  無料体験学習受付中

コメント欄

森川林 2018年2月13日 7時32分 1 
 文章を書くときは、消しゴムを使わないつもりで書いた方がいいものが書けます。
 いつでも消して直せると思うと、かえって書くことに時間がかかり、そしていい文章が書けないのです。
 これが、記述問題の練習をするときの一つのコツです。



nane 2018年2月13日 7時39分 1 
 推敲というのは、推す(おす)か敲く(たたく)のどちらにするかという選択から来た言葉ですが、気合いが入っているときに書く文章は、そういう選択はほとんど出てきません。
 だから、時間をかけた作文より、あっという間に書き上げた作文の方がいい文章になっていることが多いのです。



コメントフォーム
木彫りと塑像 森川林 20180213 に対するコメント

▽コメントはここにお書きください。
るれろわ (スパム投稿を防ぐために五十音表の「るれろわ」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

(za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
メルマガの配信
▼バックナンバー
○一般用 ダイジェスト版
○生徒用 完全版

Facebookページ
言葉の森作文ネットワーク
いいね! 17,226件
新着コメント11~13件
……前のコメント
新中学1年生に nane
 勉強は、やれば誰でもできるようになりま 3/21
新中学1年生に 森川林
 中学生の勉強は、小学生のときよりも簡単 3/21
言葉の森は、な 森川林
 あおさん、ありがとうございます。   3/20
……次のコメント

オープン教育 1~3件
オープンの川
鳥の村 1~3件
鳥の村
虹の谷 1~3件
虹の谷
過去の記事

過去の1~30件目を表示
■お母さんとの対話が子供を賢くする――作文発表交流会の作文から 3月25日
■記憶の勉強と創造の勉強――創造は信頼できる他人との関わりの中で育つ 3月24日
■読解検定試験で国語力、読解力をつけ、学力をつける 3月23日
■勉強の追加をさせない――理想の子育て 3月22日
■「春の読書作文キャンプのしおり」をお送りします 3月21日
■新中学1年生におすすめの勉強法 3月21日
■言葉の森は、なぜまだプログラミング講座を始めないのか 3月20日
■県立甲府西高校 3月19日
■「小学生のための読解・作文力がしっかり身につく本」のレビューありがとうございました――小冊子とシャーペンを昨日発送 3月19日
■文鳥のサクとブン――生き物との触れ合いのある子育て 3月18日
■3.4集の授業の動画をアップロードしました 3月17日
■小学1、2年生は勉強のスタイルを決めることが大事――高学年も中高生も基本は同じ 3月17日
■国語力のある子はどんな勉強をしているか――問題を解く勉強では国語力はつかない 3月16日
■3.3週の受業の動画(小1~小6)をアップロードしました 3月15日
■中学1・2・3年生の保護者懇談会――中学生の勉強の仕方 3月15日
■新小5・小6の保護者懇談会から――英語の暗唱について、意見文の書き方についてほか 3月14日
■【合格速報】横浜サイエンスフロンティア高校 3月13日
■いい本の選び方 3月13日
■小学校低学年のうちは、勉強させるというよりも、子供と知的で創造的な生活を楽しむ 3月12日
■準備を充実させ、交流を楽しむ作文の授業 3月11日
■読解検定の問題文のページーー問題を解くことで読解力がつく検定試験 3月11日
■3.11を思い出す 3月11日
■お母さんとお喋りしながら作文の準備――親子で書く構想図の例【動画】 3月10日
■新しい作文のアップロードの仕方――googleフォトから作文の丘へ 3月10日
■中学生になったら作文の勉強 3月9日
■3.2の授業の動画をアップロード 3月8日
■【合格速報】都立北園高校 3月8日
■作文は材料七分に腕三分――材料に関心が向く授業 3月8日
■発表学習クラスの発表から「なめこについて」 3月7日
■晩ごはんのおかずは何――発表学習クラスの授業のあとで 3月7日
……前の30件
HPの記事検索
ホームページの全記事

 言葉の森新聞

Google+ページ
言葉の森作文オンエア

Twitter
言葉の森@kotomori

RSS
RSSリーダー

代表プロフィール
森川林(本名中根克明)

講師ブログ
言葉の森の講師のブログ

算数の通信教育
できた君の算数クラブ

カテゴリー
全カテゴリー
ICT教育(1)
遊び(6)
新しい産業(23)
暗唱(121)
生き方(41)
息抜き(19)
いじめ(1)
インターネット(25)
英語教育(10)
オープン教育(24)
親子作文コース(9)
オンエア講座(41)
音声入力(10)
音読(22)
オンライン作文(2)
外国人と日本語(4)
科学(5)
学問コース(1)
学力テスト(2)
合宿(14)
家庭学習(92)
家庭で教える作文(55)
漢字(17)
帰国子女(12)
教育技術(5)
教育論文化論(255)
教室の話題(26)
行事と文化(1)
ゲーム的教育(4)
合格情報(27)
高校入試作文小論文(10)
構成図(25)
公立中高一貫校(63)
国語問題(15)
国語力読解力(155)
子育て(117)
言の葉クラブ(2)
言葉の森サイト(41)
言葉の森の特徴(83)
言葉の森のビジョン(51)
子供たちの作文(59)
作文教育(134)
作文検定試験(4)
作文の書き方(108)
算数・数学(22)
自習検定試験(10)
自習表(5)
自然災害(1)
実行課題(9)
質問と意見(39)
受験作文小論文(89)
小学校低学年(79)
森林プロジェクト(50)
政治経済(63)
生徒父母向け記事(61)
生徒父母連絡(78)
全教科指導(2)
センター試験(7)
創造力(9)
大学入試(14)
対話(45)
他の教室との違い(22)
知のパラダイム(15)
中学生の勉强(21)
中高一貫校(11)
寺子屋オンライン(101)
読書(95)
読書感想文(19)
読書実験クラブ(9)
友達サイト(7)
日本(39)
日本語脳(15)
発達障害(1)
発表交流会(20)
東日本大震災(15)
facebook(29)
facebookの記事(165)
プログラミング教育(5)
勉強の仕方(119)
未来の教育(31)
MOOC(2)
無の文化(9)
メディア(8)
森の学校オンライン(2)
森リン(103)
問題集読書(33)
読み物(1)
四行詩(13)
未分類(378)

QRコード






 
小学生、中学生、高校生の作文(2007年4月まで)
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

Donate with IndieSquare