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親と子の教育的な接し方――未来の教育は喜びを語る教育 as/2985.html
森川林 2017/07/11 04:32 


 夏の朝です。青く広がる空の下で、お母さんが小さい子供に何か話しかけています。
「太陽が昇るのはどっち」
「ひがし」
「よくできたわねえ。じゃあ、太陽が沈むのは」
「にし」
「えらい、えらい。じゃあ……」

 子供に教育的に接することは大事なことです。
 しかし、それがともすれば知識中心の接し方になりがちなのが、現代の社会の特徴です。
 知識を教えるという接し方は、親にとっては「教える役割」、子供にとっては「教わる役割」という関係を生み出します。
 この「知識を教える―教わる」という教育関係は、やがて限界が来ます。

 それは第一に、知識のレベルが次第に上がってくるにつれて、親は冷たい接し方になるからです。
 第二に、子供はやはり知識のレベルが上がってくるにつれて、無味乾燥な受容の仕方になるからです。
 第三に、知識がやがて子供の方が豊富になってくると、そこで親子の教育関係は終わってしまうからです。
 そして第四に、もっと大事なことは知識を重視する社会がこれからなくなっていくからなのです。

 現在の社会は、知識を持つ人が優遇される形になっています。
 しかし、人工知能の発達によってこれから職業がなくなる分野として考えられているものは、高度な仕事とされていた豊富な知識を必要とする分野なのです。

 知識の豊富な人がある資格を取得し、その資格を元に仕事をするということは、これまでは自由で高収入な仕事の条件でした。
 学校教育も、そういう人を育てるような方向に編成されてきました。
 しかし、人工知能の発達によって、知識を中心とする仕事はこれから急速に人間の手から離れていくようになります。

 これからやって来るのは、知識を仕事の中心とする社会ではなく、喜びと創造を仕事の中心とする社会です。
 その喜びと創造の力を育てていくことが、これからの教育の目標になります。

 それでは、どうしたらそういう教育ができるのでしょうか。
 それは「知識を教える―教わる」という関係ではなく、教える側の父また母が喜びをもって何かを「為す」又は「話す」ことによってです。
 親のすることや話すことに接した子供が、それに憧れ自分もやってみたくなるという関係が、これからの教育の基本になります。
 両親や上級生や友達がやっていることを見て、それに憧れた子は、自分でもそれをやってみたくなります。

 そこには、もちろん基礎となる学力が必要です。
 しかし、基礎学力は、教科書に準拠した参考書や問題集を反復することができれば、自学自習で十分に身につけることができます。
 必要な基礎学力の上に、自分のしたいことをするというのが、これからの教育の基本的な形になっていくのです。
 この知識の勉強から喜びと創造への勉強というのが、これからの教育の方向です。

 このような将来の教育を実現するために、言葉の森では六つの取り組みをしています。

 第一は、もちろん作文教育です。
 文章を書くことを通して自分の考えを創造する力を身につけるのです。
 それをプレゼン作文発表会や作文検定で勉強の目標を作りながら進めていきます。

 第二は、その前提となる読む力を育てる教育です。
 読書、音読、暗唱に力を入れることによって、多様な知識を吸収する力を身につけていきます。
 暗唱については、暗唱検定で勉強の目標を作っていきます。

 第三は、自主学習クラスです。
 他人に頼らずに自分自身で勉強し、そのきっかけとして友達や先生と学ぶ場を共有するという仕組みです。
 暗唱という自学自習も、この自主学習クラスを利用すれば容易に続けていくことができます。

 第四は、思考発表クラブです。
 自分なにり考え、その結果をみんなの前で発表することによって、相互に知的な向上心を高めていく学び方です。

 第五は、今年、読書作文キャンプとして行なっている自然寺子屋合宿です。
 実際に自然や友達と接することよって、勉強ばかりでなく人間や自然との交流も学んでいきます。

 そして第六は、これらの教育を実現するための組織作りとしての森林プロジェクトによる作文講師資格講座です。

 これらのトータルな企画で、日本のこれからの教育をよくしていきたいと思っています。
 青い空を見て、「太陽が昇るのはどっち」という話をするだけでなく、お母さんが子供に、「あの空を見ると、お母さんは、またいつか夏山に登ってみたいなあと思うのよ」と自分の喜びを語るような接し方が、未来の教育的な接し方になっていくと思います。


 夏の朝です。青く広がる空の下で、お母さんが小さい子供に何か話しかけています。
「太陽が昇るのはどっち」
「ひがし」
「よくできたわねえ。じゃあ、太陽が沈むのは」
「にし」
「えらい、えらい。じゃあ……」

 子供に教育的に接することは大事なことです。
 しかし、それがともすれば知識中心の接し方になりがちなのが、現代の社会の特徴です。
 知識を教えるという接し方は、親にとっては「教える役割」、子供にとっては「教わる役割」という関係を生み出します。
 この「知識を教える―教わる」という教育関係は、やがて限界が来ます。

 それは第一に、知識のレベルが次第に上がってくるにつれて、親は冷たい接し方になるからです。
 第二に、子供はやはり知識のレベルが上がってくるにつれて、無味乾燥な受容の仕方になるからです。
 第三に、知識がやがて子供の方が豊富になってくると、そこで親子の教育関係は終わってしまうからです。
 そして第四に、もっと大事なことは知識を重視する社会がこれからなくなっていくからなのです。

 現在の社会は、知識を持つ人が優遇される形になっています。
 しかし、人工知能の発達によってこれから職業がなくなる分野として考えられているものは、高度な仕事とされていた豊富な知識を必要とする分野なのです。

 知識の豊富な人がある資格を取得し、その資格を元に仕事をするということは、これまでは自由で高収入な仕事の条件でした。
 学校教育も、そういう人を育てるような方向に編成されてきました。
 しかし、人工知能の発達によって、知識を中心とする仕事はこれから急速に人間の手から離れていくようになります。

 これからやって来るのは、知識を仕事の中心とする社会ではなく、喜びと創造を仕事の中心とする社会です。
 その喜びと創造の力を育てていくことが、これからの教育の目標になります。

 それでは、どうしたらそういう教育ができるのでしょうか。
 それは「知識を教える―教わる」という関係ではなく、教える側の父また母が喜びをもって何かを「為す」又は「話す」ことによってです。
 親のすることや話すことに接した子供が、それに憧れ自分もやってみたくなるという関係が、これからの教育の基本になります。
 両親や上級生や友達がやっていることを見て、それに憧れた子は、自分でもそれをやってみたくなります。

 そこには、もちろん基礎となる学力が必要です。
 しかし、基礎学力は、教科書に準拠した参考書や問題集を反復することができれば、自学自習で十分に身につけることができます。
 必要な基礎学力の上に、自分のしたいことをするというのが、これからの教育の基本的な形になっていくのです。
 この知識の勉強から喜びと創造への勉強というのが、これからの教育の方向です。

 このような将来の教育を実現するために、言葉の森では六つの取り組みをしています。

 第一は、もちろん作文教育です。
 文章を書くことを通して自分の考えを創造する力を身につけるのです。
 それをプレゼン作文発表会や作文検定で勉強の目標を作りながら進めていきます。

 第二は、その前提となる読む力を育てる教育です。
 読書、音読、暗唱に力を入れることによって、多様な知識を吸収する力を身につけていきます。
 暗唱については、暗唱検定で勉強の目標を作っていきます。

 第三は、自主学習クラスです。
 他人に頼らずに自分自身で勉強し、そのきっかけとして友達や先生と学ぶ場を共有するという仕組みです。
 暗唱という自学自習も、この自主学習クラスを利用すれば容易に続けていくことができます。

 第四は、思考発表クラブです。
 自分なにり考え、その結果をみんなの前で発表することによって、相互に知的な向上心を高めていく学び方です。

 第五は、今年、読書作文キャンプとして行なっている自然寺子屋合宿です。
 実際に自然や友達と接することよって、勉強ばかりでなく人間や自然との交流も学んでいきます。

 そして第六は、これらの教育を実現するための組織作りとしての森林プロジェクトによる作文講師資格講座です。

 これらのトータルな企画で、日本のこれからの教育をよくしていきたいと思っています。
 青い空を見て、「太陽が昇るのはどっち」という話をするだけでなく、お母さんが子供に、「あの空を見ると、お母さんは、またいつか夏山に登ってみたいなあと思うのよ」と自分の喜びを語るような接し方が、未来の教育的な接し方になっていくと思います。


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森川林 2017年7月11日 4時47分 1 
 喉が渇けば、馬は自然に川の水を飲もうとします。
 無理に飲ませる必要はありません。
 大事なのは、自分自身がおいしそうに水を飲むことです。
 それは勉強も同じです。
 勉強を嫌いだった親が、子供に勉強させようとしてもうまく行きません。
 親自身が今の自分の興味の範囲で勉強好きになることが、子供を勉強好きにさせるいちばんの方法です。
 しかも、それは子供が小さいときほど影響が大きいのです。


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