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読解検定
 難しい文章を読み取る力をつける
 ドルくんの 読解検定  編集
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題名:★ぼくは、とりのこされたように
 ぼくは、とりのこされたように一人、奥(おく)の座敷(ざしき)にすわっていた。おばあちゃんがお棺(かん)に入り、ふとんがかたづけられてしまっても、その部屋にはなんとなく、まだおばあちゃんの気配が残っているようで、ぼくは、せつなく、そしてちょっぴりこわいような気分だった。

   カバンの中から、持ってきたマンガをだして読んでいても、あまり身が入らない。耳をすますと、表座敷(おもてざしき)のかすかなざわめきがきこえて、いよいよぼくだけが一人ぼっちだという気になってくる。

   どれほどしたころだったろう。座敷(ざしき)の前の長い廊下(ろうか)を、ヒタヒタと歩いてくる小さな足音がきこえた。

   昌一(しょういち)がきたのだろうと思って、ぼくはいそいで、座敷(ざしき)のふすまをひきあけた。

   だが、そこにはだれもいないのだ。うす暗い電球が三つ天井(てんじょう)からぶらさがる、長い廊下(ろうか)はシンとして、たまらなくさびしかった。

  「なんだ、そら耳かあ。」

   ぼくは、わざと大きな声でいって、乱暴(らんぼう)にふすまをしめた。

   そして、座敷(ざしき)の中をふりむいた瞬間(しゅんかん)、アッと息をのんだきり、うごけなくなってしまった。

   いつのまに入りこんだのか、小さな男の子が一人、ちょこんと仏壇(ぶつだん)の前にすわっていた。

   ぼくは、頭の毛が逆立つ(さかだ )ような気がして、背中(せなか)がゾクゾクと寒くなった。それでも、頭の中では必死に考えていた。

  「裏庭(うらにわ)から入ってきたのかな……。」

   裏庭(うらにわ)に向いた障子(しょうじ)戸はあいかわらず半分開いたままだった。ちょうどそのとき、ものすごいような春の風が庭にあふれたかと思うと、桜(さくら)の花びらが暗い闇(やみ)の中で、グルグルと渦まく(うず  )ように踊る(おど )のが見えた。

   小さな男の子は、あたりまえのような顔をして、座敷(ざしき)の中にすましてすわっている。たぶん、まだ小学校にもあがっていない、ぼくより五つ、六つも年下の子のようだった。

   いがぐり頭の下の大きな目で、じっとぼくを見あげてだまっている。白い半そでの開襟(かいきん)シャツに、紺色(こんいろ)のごわごわした半ズボンをはいて、正座(せいざ)した膝(ひざ)の上に、両方の手をきちんとそろえているのだ。

   自分のほうがずっと年上だと気づいて、ぼくの気持ちはいくらかおちついてきた。きっと、だれかおとなについてお通夜にやってきた子供(こども)が、たいくつになって、歩きまわっているうちに、裏庭(うらにわ)から座敷(ざしき)にあがりこんでしまったのだろう。迷子(まいご)になって、こまっているのかもしれない。

  「坊や(ぼう )。お母さんは?」

   ぼくはやっと、そうたずねた。

   そのとたん、その子がにやりとわらった。おちつきはらって、人をばかにしたような笑いだった。

  「おい。」

   その子がいった。

  「オレが、ついててやる。だから、心配はいらんで。」

  「え?」

   ぼくは、ぽかんとしてききかえした。こいつは、なにをいってるんだろう。おばあちゃんをなくしたぼくをなぐさめるつもりなんだろうか。びっくりしているぼくに向かって、その子はしゃべりつづけた。

  「おまえな、もうじき、ここに住むようになるぞ。でも、心配すな。オレがついとるから。」

   みょうにおとなびた口ぶりでそれだけいうと、その子は、もう一度大きく口をゆがめてわらった。

  「きょうは、それだけいいにきたんや。」

   そういって、ツイと立ちあがったその子が、ふすまをあけて廊下(ろうか)に出ていくのを、ぼくはあっけにとられてながめていた。ふすまは、ぼくの目の前でぴたりととじられ、また廊下(ろうか)を、ヒタヒタと足音が遠ざかっていく。

 

 

  (富安(とみやす)陽子「ぼっこ」)

問5 読解(どっかい)マラソン集3番「ぼくは、とりのこされたように」を読んで次の問題に答えましょう。
 ○と×との組み合わせが合っているものの数字を書きなさい。 
A ぼくは一人で奥(おく)の座敷(ざしき)にすわっていた
B 廊下(ろうか)を渡っ(わた )てきたのは昌一(しょういち)だった
1 A○ B○   2 A○ B×   3 A× B○   4 A× B×

解答選択:

問6 読解(どっかい)マラソン集3番「ぼくは、とりのこされたように」を読んで次の問題に答えましょう。
 ○と×との組み合わせが合っているものの数字を書きなさい。 
A その男の子は、ぼくよりも少し年下の小学生ぐらいの子だった
B その男の子は、ぼくに、「心配するな」と言うために来たのだった
1 A○ B○   2 A○ B×   3 A× B○   4 A× B×

解答選択: