未ログイン ログイン
記述の森の記述検定
★10月の問題だけができるようになっています。
 読む力、書く力、考える力を育てる
 記述の森の記述検定  編集
※最初にログインをしてください。言葉の森の団体コードは、aaa001です。
※解答欄への入力は、音声でもテキストでもどちらでもできます。

題名:★最近、諸外国(感)
 【1】最近、諸(しょ)外国とくにアメリカとの貿易摩擦(まさつ)が国民の大きな関心を集めている。第二次世界大戦の敗戦国としてほとんど無の状態から出発した我が国(わ くに)の諸(しょ)産業が著しい(いちじる  )発展(はってん)をとげた結果、いまや経済(けいざい)大国として世界の注目を集めているのはまぎれもない事実である。【2】ところが、日本と同じように、戦後めざましい経済(けいざい)発展(はってん)をとげた西ドイツも自動車産業をはじめ、世界のトップレベルの工業力を持つ、有数の黒字国であるが、我が国(わ くに)ほどの貿易摩擦(まさつ)をおこしているということはあまり聞かない。
 【3】我が国(わ くに)の商社マンは、語学力に優れ(すぐ )、相手国の政治や経済(けいざい)に精通している有能な人ばかりである。彼ら(かれ )の働きで、日本製品は、どんどん海外に進出できたわけである。しかし、商品を大量に売りさばいてさえいればはたして事足りるのであろうか。
 【4】昨年の秋、私(わたし)の友人の画家がニューヨークで個展(こてん)を開いた。ふとしたことがきっかけであちらの新聞記者と知り合いになって、話がとんとん進み、はるばるかの地での個展(こてん)実現の運びとなったのだという。帰国後の彼(かれ)の話は私(わたし)にはとても興味深かった。【5】友人は当然のことながら美術に関する深い理解を持っているが、それに加えて能や歌舞伎(かぶき)などの日本の古典芸能にもくわしく、かなりの知識を持っている。そのためにアメリカで実に多くの友人を得ることができたというのである。【6】彼ら(かれ )は日本の古典を愛し、日本人を通してその文化にふれることを熱心に望んでいるというのである。果たして、我が国(わ くに)の商社マン諸君(しょくん)はこういう外国人の期待にどの程度こたえてきたのだろうか。歌舞伎(かぶき)や能を熱心に鑑賞(かんしょう)し、何かを吸収(きゅうしゅう)しようと食い入るように舞台(ぶたい)を見つめている外国人をよく目にする。【7】ところが、日本の若者(わかもの)はおおむね我が国(わ くに)の古典芸術には関心がうすいように見受けられる。たとえば、俳句(はいく)はアメリカでは小学校の教科書にもとりいれられているのだが、日本の大学生は、ほとんど見向きもしない。【8】音楽や、映画(えいが)、演劇(えんげき)などには、多くの若者(わかもの)がかなりの興味を示すのだが、歌舞伎(かぶき)や能などにはそれほど関心をもたない。お茶や、お花を習っているといえば、ヘェーとびっくりされるぐらいのものである。
 本居宣長(のりなが)という江戸(えど)時代の学者がこんなことをいっている。【9】我が国(わ くに)の儒者(じゅしゃ)(中国の思想家孔子(こうし)の教えを学び、それを教える人)のうちには、日本のことを聞かれて知らないことは恥じ(は )と思わず、中国のことを聞かれて知らないというのを大変恥ずかしく(は    )思って、ろくすっぽ知らないことまで知ったかぶりをする者がいる。【0】彼(かれ)はまさに日本人なのだから、日本のことをやらなくていいはずがない。もし中国の人に日本のことを何か聞かれて、自分はあなたの国のことはよく知っているけれど、日本のことはあまり知らないとは、まさかいえないだろう。もし、そんなことをいったら、自分の国のことすら知らない学者が、どうして外国のことを知ろうぞ、といって手を打ってひどく笑うだろう――。
 私(わたし)たちは有能な商人であると共に、自国の伝統に深い理解を持った日本人でなければならないのである。そして外国人と友人どうしのつきあいができるようになれば、現在のような貿易摩擦(まさつ)もかなり少なくなるのではないだろうか。優れ(すぐ )た商社マン諸君(しょくん)のすべてが、同時にりっぱな日本文化の担い手(にな て)であってくれることを願うのである。

問1:  ~字
文字数(もじすう):0字



問2:  ~字
文字数:0字



問3:  ~字
文字数:0字



問4:  ~字
文字数:0字