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記述の森の記述検定
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 記述の森の記述検定  編集
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題名:○カニクイザルの道具使用行動が
 【1】カニクイザルの道具使用行動が、本書の趣旨(しゅし)である人類進化にどんな意味を持っているか考えてみよう。
 カキやカニはタンパク質に富む、非常に高品質な食物だ。【2】カキは多くの岩やマングローブの根に成育するので、大量にある食物資源(しげん)でもある。しかし、その一方で、カキは固い殻(から)に覆わ(おお )れていて、霊長(れいちょう)類にとっては獲得(かくとく)し難い(がた )食物である。【3】カニクイザルは、それを道具によって効率よく獲得(かくとく)・処理(しょり)して食べている。「脳(のう)=高度な知能=道具使用=得がたいが高品質・大量の食物の獲得(かくとく)」というヒト進化の原型がここにある。
 【4】カニクイザルはうまく叩け(たた )ば、三回ほどの打撃(だげき)でカキの身を食べている。この行動は、手ごろな石を握る(にぎ )こと、それを三〇〜五〇センチメートルの振り(ふ )幅(はば)で振り(ふ )下ろすこと、の二つの動作で構成されている。【5】そのどちらも日常的に行っている動作であり、それらの組み合わせである。ビデオ画像を見ると、強力な拇(おや)指が関与(かんよ)するヒトの握り(にぎ )に比べると、把握(はあく)のしっかり感にいくらか欠けるものの、こういった打撃(だげき)には十分だ。【6】また、彼ら(かれ )が使っているハンマーは楕円(だえん)形をした平たい石が多く、握り(にぎ )やすいとともに、打撃(だげき)部分が点に近いため、カキやカニ割り(わ )には効率がよい。脳(のう)の発達に効果器が重要であることが、ここでも証明されている。
 【7】宮崎(みやざき)県、日向灘(ひゅうがなだ)に浮かぶ(う  )幸島のニホンザルたちも、海産物を食べることが知られている。彼ら(かれ )の場合、岩に付着しているヨメガカサなどのアワビの小型版の一枚(まい)貝を、道具を使わず、下あごの前歯で剥(は)がして食べる。【8】このため、彼ら(かれ )の前歯は磨耗(まもう)が激しく(はげ  )、オトナの中には歯肉から出た部分がほとんどなくなった個体も多い。したがって、カニクイザルの道具の効果は絶大と言ってよい。
 道具使用行動は、遺伝(いでん)によって子孫に伝えられる行動パターンではない。【9】他の個体が行っているところを観察して、学習する必要がある。群れを作って生活し、他の個体のやっていることを見て、真似ることは、文化伝播(でんぱ)・伝承の必要条件である。【0】私(わたし)たちは、カニクイザルの子供(こども)たちが学習しているところを観察した。カキ割り(わ )の手順とメカニズムを十分に理解できていない子ザルが、獲物(えもの)もないのに台石をハンマーで叩き(たた )、叩い(たた )たところに口をもっていっていた。もうしばらくすれば、カキの殻(から)を叩き(たた )割る(わ )ことや獲物(えもの)をその道具セットの場に持っていくことを覚えるだろう。こう考えると、子供(こども)の期間が非常に重要で、霊長(れいちょう)類における成長期間の延長(えんちょう)は、複雑・高度な行動パターンの学習には必要条件である。
 知能というものが、新しい行動パターンを思いつくという最初の過程だけでなく、学び取ること「学習」を含む(ふく )ということを、特に強調したい。
(中略)
 小島の子ザルが、食物を置かずにハンマー石を台石に無心に叩きつけ(たた   )ている様子は微笑ましい(ほほえ   )。しかし、その行動をビデオで何度も見ているうちに、真似るということが、ヒト以外の動物にとってどれほど困難(こんなん)なものであるのかを実感する。そして、子ザルがそのメカニズムを体得しようと取り組んでいる真剣(しんけん)さに感動してしまう。それまで、カキ割り(わ )をしていなかったオトナなら、とっくにあきらめてしまうのだろうが、子ザルはそれを執拗(しつよう)に行う。生きる上で、この行動の習得が必須(ひっす)だと思いこませるような遺伝(いでん)的指令があるのかとさえ感じてしまう。この指令が発達過程に織り込ま(お こ )れているのは、ヒトにもあてはまるだろう。それゆえに親や社会のメンバーは、子供(こども)たちのモデルである。
 脳(のう)はあっても適切な学習過程と学習環境(かんきょう)が与え(あた )られなければ、十分な機能を発達させられない。「あるがまま」「自然にまかせて」の教育の恐ろし(おそ  )さは、そこにある。

(濱田穣()『なぜヒトの脳(のう)だけが大きくなったのか』(講談社ブルーバックス))

問1:  ~字
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問2:  ~字
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問3:  ~字
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問4:  ~字
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