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記述の森の記述検定
★10月の問題だけができるようになっています。
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題名:★商社マンがカリフォルニアに(感)
 【1】商社マンがカリフォルニアに出張すると、帰りぎわにカリフォルニア米の大袋(おおぶくろ)を何個ももって帰ってくる。なんとなく外米はまずいという印象を日本人はもっているが、実際には舌の肥えた商社マンたちが、わざわざもって帰るほどおいしくて、しかもその値段が日本の四分の一である。
 【2】ところで、牛肉、オレンジの次は米を買ってくれとアメリカが要求してくるというと、日本人は「まさか、冗談(じょうだん)でしょう」と、おどろくばかりだ。その「まさか」の根拠(こんきょ)には、まず日本人にとって米がどういうものであるかを、当然アメリカ側がよく理解してくれているにちがいない、という大前提の存在がある。【3】つまり、日本人にとって、米は死活にかかわる問題である。米は日本人の生命線である。しかも、米に対して日本人は単なる穀物として以上の特別にセンチメンタルな気持ちを抱い(いだ )ている、というようなことを、アメリカ側は少なくとも一応のところは承知しているはずだと勝手に思い込ん(おも こ )でいるわけだ。
 【4】しかし、たとえば、アーカンソーの農民にとっては、米はごくあたりまえの穀物の一種でしかない。大豆が儲かる(もう  )のなら大豆を、小麦なら小麦を、そしてそれらとまったく同じ感覚で、儲かる(もう  )なら米を作ろうとかれらは考える。【5】日本人と米とのつき合いにおいて、私たちが感情的になるほどの何かが存在するなどとはかれらには想像もできないのだ。
 また、そのように、米といっても炭水化物のひとつではないか、米と麦とどうちがうのだという発想をもっているアメリカ人に対して、【6】一歩手前の段階に戻っ(もど )て実情はこうだと説明する努力を、私たちはほとんどといっていいほどしていない。
 では、このような問題を内在させている米についてまったく別の発想を試みるとすれば、どんなことが考えられるだろうか。【7】現在、食管会計の赤字を黒字に転じる解決策はまずないといっていいだろう。国民の六パーセントを占める(し  )農民の生活を保証し、なおかつ食管会計を黒字にすることは、現在の方針をそのまま延長していくかぎり不可能である。
 【8】ところで、かりに食管会計の赤字のおよそ二年分を投資すると、アーカンソーやカリフォルニアの豊かな穀倉地帯に、日本の全水田面積と同じだけの水田が買える。二年分の食管会計の赤字を投入して、二年にわたって土地を買うと、三年目には赤字がゼロになり、そのうえ米の値段はいまの半分以下になるだろう。【9】アメリカで水田を「経営」するわけである。農民は流通その他をコントロールする経営者となる。
 構造的な赤字解決策の試案として、このような発想は、国をひとつの大きな企業(きぎょう)としてとらえるかぎりでは、じゅうぶんに勝算を見込む(みこ )ことのできる戦略となり得る。【0】カリフォルニアに日本の水田面積と同じだけの土地を買い、現地の農民を雇い(やと )、そこで経営をはじめるとなると、利害関係の密接さという点からいっても国益は私たちの方へ有利に傾く(かたむ )はずである。こちらが経営者であり、アメリカの農民に下請け(したう )を依頼(いらい)するといった図式において、アメリカの世論を操作し得る力をある程度もつことができる。アメリカに対する日本の経済上の力を強めることができるのだ。

(大前研一「世界が見える日本が見える」より)

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