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記述の森の記述検定
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 読む力、書く力、考える力を育てる
 記述の森の記述検定  編集
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題名:○「新しさ」が
 【1】「新しさ」がマイナス価値であった時代があった。新しさは奇(き)を衒う(てら )もの、良き古き伝統を破壊(はかい)するものだとして忌避(きひ)されたのである。思想の面で新しいアイディアを提出するものは非難と告発を免れ(まぬか )がたかった。【2】新しい思想家はどこでもいつでも、弾圧(だんあつ)されたし、排除(はいじょ)されたりしたものである。政治の場面でも、現存秩序(ちつじょ)を批判し、のりこえようとする運動は、いつでも新しい運動であったが、これも破壊(はかい)的なものとして可能なかぎり抑圧(よくあつ)される。
 【3】いつの時代でも、どんな社会においても、古さの方が価値的にプラスであって、新しさはつねにマイナス価値であった。新しいものは、古いものとの対決の中ではじめてエネルギッシュになり、前進のための生産力を獲得(かくとく)する。【4】したがって、物質的な力とも言うべき飛躍(ひやく)力と魅惑(みわく)的力をもつ新しさの基本型は、現存秩序(ちつじょ)の体系または古い価値体系から脱出(だっしゅつ)する批判的運動であるというべきであろう。
(中略)
 【5】圧倒的(あっとうてき)な力をもつモード的・記号的新しさによって隠さ(かく )れているが、決して消滅(しょうめつ)しそうもない批判的新しさもある。それはいろいろの形をとって現れるが、何よりも感情的・情緒(じょうちょ)的なものが基本であろう。【6】エルンスト・ブロッホが書きとめてくれた「小さな白昼夢」などはその典型である。小さな子どもの小さな夢は、憧憬(どうけい)とよぶべきもので、それはおとぎ話の形をとって未来へとはばたく。はかなさとこわれやすさを特徴(とくちょう)とする白昼夢は、現在の世界からの前方への脱出(だっしゅつ)願望である。【7】そこには、世界についての感情が世界を批判している。このままではいけない、別の良き世界があるのだと、理性的でなく情緒(じょうちょ)的に判断している。情緒(じょうちょ)・感情は批判力をもちうる。
 【8】感情や情緒(じょうちょ)は行為(こうい)である。それは世界の中にあって世界を作り変える。まだないものを先取りし、この先取りによってすでに世界の外に出る。外に出ることで今の生活世界を批判する。【9】いっさいのユートピアは、基本的にはこの感情の行為(こうい)的批判を出発点としている。
 前に、過去に埋もれ(うず  )た新しさがあると述べた。多くの可能性をもちながら、開花と現実化の条件を与え(あた )られないままに、歴史のほこりの堆積(たいせき)の下に埋もれ(うず  )た新しきものがある。【0】私たちは、願望夢のように前に眼を向けるばかりでなく、しばしばそれ以上に過去に眼を向ける。なぜ過去に眼を向けるのか。あるいはプロスペクティヴ()とレトロスペクティブとは互いに(たが  )無縁(むえん)なのであろうか。過去へふり向けられるレトロの眼は、単なる懐古(かいこ)趣味(しゅみ)であってはならない。現在を永遠化し、その立場から過去をふりかえる眼は、保守的なレトロスペクティヴ()である。現在に安住し、過去を高見から眺める(なが  )のは、過去をダシにして現在を栄光化する態度だ。こういうレトロの眼はモードの眼である。記号は新しさの発掘(はっくつ)源としてのみ過去を見る眼である。
 そうではなくて、過去の中に開花を待ちつつひそむ問題を探求することこそ、新しさの探求である。かつてワルター・ベンヤミンは、目ざめを待つ新しきものについて語った。可能的新しさを目ざめさせる眼こそ、真のレトロスペクティヴ()であり、それが同時にプロスペクティヴ()になる。レトロスペクティヴ()とプロスペクティヴ()との有機的な連関を自覚的に行うことは、歴史学や歴史哲学(てつがく)の仕事である。これは、もはや現在の固定化でも栄光化でもなくて、現在を前へと超え(こ )ていく作業である。過去の中で目ざめを待つ新しさは、未来において甦る(よみがえ )新しさである。どれほど過去を調べてもこの新しさがなくなることはない。過去には無尽蔵(むじんぞう)の新しさがある。
 時間的最先端(さいせんたん)が新しいというのは、近代歴史意識の虚妄(きょもう)であろう。時間と歴史に病的なまでに固執(こしつ)する現代の歴史感覚をひっくり返さなくてはならない。最も古い層のなかに目ざめを待つ根源的新しさがあるという逆説的立場――これがベンヤミンの独創性である――は、近代という大いなる時代の本質を突く(つ )。新しさの考察は、こうして、近代性への根本的反省へと通じていくであろう。

(今村仁司『精神の政治学』による)

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問3:  ~字
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問4:  ~字
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