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記述の森の記述検定
★10月の問題だけができるようになっています。
 読む力、書く力、考える力を育てる
 記述の森の記述検定  編集
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題名:★そのつもりになって(感)
 【1】そのつもりになって神経(しんけい)を集中、注意すれば、われわれの能力(のうりょく)は大幅(おおはば)にアップする。たとえば、騒音(そうおん)のひどい電車の中で会話をしている二人がいるとする。聞きづらいにしても、なんとか互いに(たが  )言っていることがわかる。【2】ところがこれをテープレコーダーで録音して聞いてみると、全体が雑音(ざつおん)でぬりつぶされてしまい、なにを言っているのか、まるでわからない。
 【3】機械は正直に音をとらえているのだが、それではわからない声を話している当人たちは聞きとっている。必要な音だけを選んで、不必要な音をすてて聞きとっていることがわかる。【4】機械はただ聞いているにすぎないが、人間は注意して、大事な音だけをとらえるからこういう違い(ちが )が出る。同じ人間でも、当人ではなく、そばで立ち聞きしている人には、テープレコーダーほどではないにしても、聞きとれないところがずいぶんあるにちがいない。
 【5】こどもが重い病気にかかって、その母親がつきっきりで看病(かんびょう)している。連日の寝不足(ねぶそく)で、母親は、ときどきまどろむ。そんなとき、台所でものが落ちて大きな音がしても、母親の目は覚めることはない。【6】ところが、目の前の病児が、なにか小さな声でうわごとのようなことでも言うと、母親はハッとわれにかえり子供(こども)の顔をのぞく。
 【7】看病(かんびょう)する母親にとって、台所の物音など問題ではないから、いくら大きな音がしても、目を覚ましたりはしない。それが気にかけているこどもだと、ほんの小さな声でも聞きもらすことがない。【8】心を向けているところにはたいへん鋭敏(えいびん)な神経(しんけい)がはたらくのである。
 「気をつけ」という号令をかける。これは、注意力を集中させ、力を発揮(はっき)するようにということである。【9】体操(たいそう)などでは「気をつけ」によって、もっている能力(のうりょく)を高めることができる。ぼんやり、注意散漫(さんまん)にしていては、なにもできない。
 スポーツですばらしい力をだすのは、集中しているからである。【0】集中が持続できなくて、崩れる(くず  )と、それまででは考えられないようなミスが出たりして、試合ならたちまち負けてしまう。スポーツで勝つには、何としても、始終集中を維持(いじ)する必要があるのである。スポーツの選手はこのことを経験(けいけん)でよく知っている。集中できないで、強くなったり、試合に勝つことはできない。
 勉強のよくできる生徒が、スポーツでも優秀(ゆうしゅう)な成績(せいせき)をおさめることがあるのは、勉強を通じて体得した集中力をスポーツでも発揮(はっき)するからである。逆に(ぎゃく )また、スポーツで養った集中力を勉強に生かせば短い時間で効率(こうりつ)のよい学習ができる。文武両道(ぶんぶりょうどう)といわれるのは、こうした集中力を頭の活動にも、体の活動にも、うまく使っているケースのことである。
 ところで、この集中力を持続するのはなかなか容易(ようい)なことではない。それが可能(かのう)になるには、訓練が必要である。
 「陸上競技(きょうぎ)の四百メートル走で、全部を短距離(たんきょり)のように疾走(しっそう)することは難しい(むずか  )。それで四百メートルは中距離(ちゅうきょり)ということになっていた。かつてソ連で、これを短距離(たんきょり)なみに、始めから終わりまで全力を出し切って走る方法を考案、実地に試みて成功した。その結果、四百メートルは短距離(たんきょり)なみに走ることができるようになったのである。
 どうして、それが可能(かのう)になったのか。まず四百メートルを百メートルずつ四つに区分し、それぞれを十メートルと九十メートルに分ける。そして十メートルを全力疾走(しっそう)、九十メートルは力を抜い(ぬ )て走る。これを四回くりかえすと、四百メートルになる。それに慣れ(な )たら、二十メートルと八十メートルにして、同じく全力疾走(しっそう)と力を抜い(ぬ )た走り方をする。次は、三十メートルと七十メートル、さらに四十メートルと六十メートルにし、やがて全力疾走(しっそう)九十メートル、流す走り十メートルにし、ついには九十九メートル、百メートルの全力疾走(しっそう)にこぎつける。こうすれば四百メートルすべてが、短距離(たんきょり)と同じような走り方ができるようになる。すこしずつ集中持続をのばしていく方法である。」
 勉強における集中持続も似(に)たような具合にのばすことができる。
 大体、三十分くらいの集中継続(けいぞく)なら、一カ月もすればできるようになるであろう。欲(よく)を言えば、もうすこしのばして一時間くらいにしたい。それができるようになればしめたものである。
 集中しているかどうかは、メトロノームのような音を出すものをそばにおいてしらべる。その音が気になるようなら、注意が集中してない証拠(しょうこ)である。没頭(ぼっとう)、夢中(むちゅう)になれば雑音(ざつおん)など気にならなくなる。
 勉強はどれくらい長い時間、机(つくえ)に向かっているかではなく、どれだけ集中しているかによって成果がきまってくる。だらだらした長時間勉強など、そもそも勉強の中に入らない、と言ってもよいくらいである。

(外山滋比古(とやましげひこ)「ちょっとした勉強のコツ」より)

問1:騒音(そうおん)のひどい電車の中でも、話をしている二人がおたがいの言葉を聞きとることができるのはなぜですか。  60~70字
文字数(もじすう):0字



問2:病気の子供を看病している母親が、大きな物音では起きないのに、子供の小さな声では目を覚ます例から、どんなことがわかりますか。  60~70字
文字数:0字



問3:四百メートル走の練習方法を例にして、筆者は集中力を長く続けられるようにするには、どうすればよいと説明していますか。  60~70字
文字数:0字



問4:筆者は、勉強では机に向かう時間の長さよりも、どれだけ集中しているかが大切だと述べています。あなたが勉強するとき、集中するためにどんな工夫ができると思いますか。理由も入れて書きなさい。  100~120字
文字数:0字