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記述の森の記述検定
★10月の問題だけができるようになっています。
 読む力、書く力、考える力を育てる
 記述の森の記述検定  編集
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題名:○今までの実験では(感)
 【1】今までの実験(じっけん)では、問題をクレバー・ハンスに示す(しめ )ときに、その場にいる人たちはもちろん、その問題をいっしょにみて知っているわけですが、こんどは、問題をその場にいる人たちには知れないようにして、クレバー・ハンスだけがわかるようにします。【2】たとえば一枚(まい)一枚(まい)のカードに問題を書いてごちゃごちゃにし、その中から一枚(まい)を抜き出し(ぬ だ )て、それがどの問題を書いたカードかがその場にいるだれにもわからないようにして、ハンスに示し(しめ )ます。【3】そうすると、もうウマはまったく答えることができません。一番やさしい問題にも答えられないのです。クレバー・ハンスは、とめどなくヒヅメで床(ゆか)をたたいたり、わけのわからない仕方で床(ゆか)を打ったりするだけです。【4】そのようすは、ちょうど、問題を解こ(と )うとしているというよりは、問題を出した人が床(ゆか)をたたくのをやめろという合図をするのを今か今かと待っているようにみえます。これはどうしたことでしょうか。
 【5】クレバー・ハンスが習ったのは、問題のほんとうの解き方(と かた)ではなかったのです。答えに相当する数を打ちおわった瞬間(しゅんかん)に、まわりの人が知らず知らずにちょっと動いたりする、この微妙(びみょう)な動きを見ぬくことを習っていたのです。
 【6】実験(じっけん)を行う質問(しつもん)者の立場になって考えてみましょう。質問(しつもん)者は、必要(ひつよう)な打ち数をあらかじめ知っているわけです。床(ゆか)をたたく打ち数を正確(せいかく)に数えるためには、質問(しつもん)者自身が数えなければなりません。【7】それですから、最後(さいご)の打ち数になった瞬間(しゅんかん)には質問(しつもん)者は自然(しぜん)にほっとすることになります。そういうときには、頭やからだをおもわずちょっと前へ出すとかうしろへ引くとかするものです。【8】クレバー・ハンスは、まわりの人びとがするこの微妙(びみょう)な運動に答えていたのです。
 プングストはこういう運動を問題の答えと関係(かんけい)なく、少々大げさにやってみましたところ、クレバー・ハンスの答えを自由に変える(か  )ことに成功(せいこう)しました。【9】このウマは、もともとこういう運動をわざわざ習ったわけではないのですが、訓練(くんれん)中に自然(しぜん)にそうならされてしまったものでしょう。
 アマガエルはじっとしている獲物(えもの)には気がつきませんが、それが動きだすと、急にとびつきます。【0】動物は静止(せいし)しているものには鈍感(どんかん)ですが、運動には、それがほんのわずかな運動でも、気がつくことができます。ウマについても同じことです。
 ウマが人間と同じ知恵(ちえ)をもっているという信念(しんねん)を確かめる(たし   )ためにやった大さわぎは、ただ、ウマが微妙(びみょう)な運動をすばやくみわけられることを確かめ(たし  )ていたにすぎなかったわけです。世間の人たちや学者たちまでがそれに気がつかなかったのは、クレバー・ハンスの答えの正確(せいかく)なことにまどわされて、答えがえられる仕方がまったく人間の場合と同じだと思いこんでいたからです。
 動物が人間と同じような表情(ひょうじょう)をしたり、行動をするように思えることがありますが、そのときにすぐ、人間になぞらえて考えてしまいがちです。しかし、その行動にとらわれない心で観察(かんさつ)し、前後のすじ道を考えてみますと、まったく当たらないことがあるものです。
 クレバー・ハンスの大さわぎは、このうえもなくばかげたことのようですが、動物が人間と同じ知恵(ちえ)をもっていて、人間と同じように教育ができるというのはまちがいだということをはっきりわたくしたちに教えてくれたのです。それでわたくしたちはこのことを、「クレバー・ハンスの誤り(あやま )」とよんでいます。その意味は、クレバー・ハンスが答えをまちがえたからではありません。クレバー・ハンスが、人間がもっているような知恵(ちえ)で答えられると信じ(しん )ていた人たちのまちがいという意味です。

(「動物とこころ」 小川隆(たかし)著(ちょ) 大日本図書より)

問1:問題の内容をその場にいる人たちには知らせず、クレバー・ハンスだけに見せると、ハンスはどうなりましたか。また、それはなぜですか。  60~70字
文字数(もじすう):0字



問2:クレバー・ハンスは、人間のどのような動きを手がかりにして、正しい答えを出していたのですか。  60~70字
文字数:0字



問3:世間の人たちや学者たちまで、クレバー・ハンスが人間と同じような知恵(ちえ)を持っていると思いこんだのはなぜですか。  60~70字
文字数:0字



問4:この文章では、見たことだけですぐに決めつけず、よく観察して考えることの大切さが書かれています。あなたが何かを確かめるとき、どんなことに気をつけるとよいと思いますか。理由も入れて書きなさい。  100~120字
文字数:0字