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音読の丘
 音読で、読む力、書く力が育つ。
 オンドリくんの 音読の丘
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※音読の丘は、家庭での音読の練習用として使ってください。
1.音読する文章が2つある場合は、最初の方の文章を音読してください。
2.はじめに、音声入力を始めるのボタンを押してください。
3.音読が終わったら音声入力を止めるのボタンを押してください。
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 【1】ところがあくる朝(あさ)、かあさんゾウが目(め)をさまして、おどろきました。バオバブがいなくて、そのかわり、ぜんぜんしらないゾウが、よこにねむっているのです。かあさんゾウは、あわててとうさんゾウをおこしました。
 【2】目(め)をこすりこすり、そのゾウをみてとうさんゾウもおおあわて。それにしても、なんというあつかましいゾウでしょう!
 いや、それよりも、バオバブは、いったいどこへいったのでしょう。
 【3】ふたりはますますあわてて、そのゾウのおしりを、おもいきりけっとばしてやりました。もしかすると、その下じき(した  )になっているかもしれないではありませんか。かわいそうなバオバブちゃん!
 【4】けれど、そのゾウはのんびりと目(め)をひらき、
――いたいなあ、とうさん……
 というのです。
――とうさんだって!
 とうさんゾウは、あきれてしまいました。こんな大きな(おお  )ゾウに、とうさんなんてよばれるおぼえはない。【5】すると、かあさんゾウが、とんきょうな声(こえ)をあげました。
――まああ、とうさん、それはバオバブぼうやですよ!
――バオバブぼうやだって……。
 どうみても、ぼうやなんてからだつきではないのです。とうさんゾウより大きい(おお  )くらいなのですから。
【6】――ほら、あの目の下(め した)のなきぼくろ……
 さすがはかあさんです。ちゃんと、むすこのとくちょうをおぼえていました。
――そうですよ、ぼく、バオバブですよ。 とうさんたら、じぶんのむすこをみわすれるなんて、ひどいなあ。
 【7】そんなことをいったって、この大きな(おお  )ゾウを、どうしてきのうのかわいいバオバブぼうやだとおもえるでしょう。とうさんゾウは、じぶんの耳(みみ)をひっぱってみました。
――まだあんなことをやってる。ゆめじゃありませんよォ。
 【8】バオバブが、ふふくそうにいいました。
――ぼくだといったら、ぼくなんです。ぼくは、大きく(おお  )なるのがはやいだけなんですよ。
 はやいといっても、はやすぎる、ひとばんでわしより大きく(おお  )なるなんてことがあるものか……と、とうさんゾウは、まだほんとうにできないようすです。
 【9】しかし、そういうあいだにも、 バオバブは、どうやらすこしずつそだってゆくようなのです。とうさんゾウは、すこしずつ背(せ)のたかくなってゆくむすこをみあげなければなりませんでした。目(め)のまえのできごとです。ほんとうにするほかはありません。

 【0】そのうちに、バオバブはとうさんの二ばいほどの大き(おお )さにもなってしまいました。ガスいりの風船(ふうせん)でなしに、なかみもちゃんとつまったほんもののゾウです。とうさんだといっても、きみわるがらずにはいられませんでした。このぶんでいったら、あしたは、どうなることでしょう。
 とうさんゾウとかあさんゾウはかおをみあわせるばかりでした。
 
 バオバブは、そのちょうしでどんどん大きく(おお  )なりはじめました。
 とうさんゾウは、むすこのかおをみるのに、えらくなんぎしなければなりませんでした。もともとくびのないゾウのこと、みあげるのはにがてなのです。
 でも、そんなことはまだよかったのです。こまったことに、バオバブのからだが大きく(おお  )なるにつれて、バオバブがたべるものも、ずんずんふえてゆくのです。みるみるうちに、あたりのたべものは、きれいさっぱりなくなってしまいました。これでは、ゾウがものすごいいきおいでふえてゆくようなものでした。とうさんゾウは、いそいでとしよりたちのところへしらせにいきました。

 話(はなし)をきいてほんきにしなかったとしよりたちも、バオバブをみると、たまげてしまいました。これが、ついこのあいだ、ほそいはなを風(かぜ)にふかれて目(め)をほそめていたゾウのあかんぼうでしょうか。
 としよりたちは、イヌがウマをみあげるようにバオバブをみあげなければならないので、すっかりあわててしまいました。そして、バオバブのたべっぷりをみて、もっとあわてました。これでは、いくらたべものがあっても、たりなくなってしまう。たいへんなゾウをかかえこんだものです。
「ぽけっとにいっぱい」より(今江(いまえ) 祥智(よしとも))フォア文庫(ぶんこ)