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音読の丘
 音読で、読む力、書く力が育つ。
 オンドリくんの 音読の丘
※最初にログインをしてください。言葉の森の団体コードは、aaa001です。
※音読の丘は、家庭での音読の練習用として使ってください。
1.音読する文章が2つある場合は、最初の方の文章を音読してください。
2.はじめに、音声入力を始めるのボタンを押してください。
3.音読が終わったら音声入力を止めるのボタンを押してください。
4.音声入力を止めたあと、結果を送信するのボタンを押してください。



 【1】すごくきれいね! トトが、かあさんをふりむいていいました。
 森(もり)の秋(あき)。森(もり)はきんいろとべにいろの色紙(いろがみ)細工(ざいく)です。もっと、あっちへいこう、――トトは、かあさんにせがみました。あぶないわ。いまは、にんげんが山(やま)の中(なか)をあるきまわるときなのよ。【2】かあさんがとめました。だってこんなにきれいなんだもの。トトはピョコピョコ、シカのよこっとびでかけだしました。そして谷(たに)まへの道(みち)にでたとたん、
――おッ!
 たちすくんだのはトト。【3】たちどまってさっと鉄砲(てっぽう)をかまえたのはにんげんです。わかいりょうしです。かあさんが、ひととびでトトのよこにならびました。そして頭(あたま)で、トトをぐいと、おしていいます。トト、おにげ! トトはにげない。【4】トトは、とうさんのことをおもいだします。これがとうさんをいなくしちまったにんげんか! トトは夏(なつ)にあったポロをおもいだします。ゾクッとからだじゅうをむしゃぶるいがはしり、トトは頭(あたま)をぐっとさげ、するどい目(め)つきで、りょうしをにらみつけました。【5】トト! かあさんが、またおします。けれどトトは、けんめいです。ポロとおなじかまえで、さっととびかかろうとしたとたん、
――あっはっは!
 にんげんがわらいました。
――うてねえな、おまえは……。
 【6】そのわかいりょうしは、鉄砲(てっぽう)のつつさきをあげていいました。
――そのちびさんが、かあさんをまもろうってんだからな。
 トトはにんげんのいってることばは、わからない。ただ、かあさんがもうおさないので、きけんがさったことは、わかりました。
【7】――おれにゃ、うてねえよ。
 りょうしは白い(しろ )歯(は)をみせて、かあさんに話しかける(はな    )ようにいいました。
――こんなきれいな目(め)のこジカは、ころせねえ。
 かあさんはトトに、ぴったりよりそいました。【8】トトはきゅうにぐったりして、そこへすわりこみたくなりました。そのとき、にんげんが、どなるようにいいました。
――おい、早い(はや )とこにげてくれよ! また気(き)がかわるかもしれないんだぜ。
 かあさんが、ぐいとトトをおしました。【9】こんどはトトもひととびです。あかるい栗色(くりいろ)の二つのてんが森(もり)の中(なか)にきえたとき、りょうしは鉄砲(てっぽう)をかまえて空(そら)にむけてうちました。
 グァアン! ……赤(あか)と黄(き)のかれはが、パラパラと、りょうしにふりかかりました。【0】

「ぽけっとにいっぱい」『森(もり)のシカ、トト』より(今江(いまえ) 祥智(よしとも))フォア文庫(ぶんこ)