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音読検定
 楽しくできる音読で、読む力、考える力が育つ。
 音読検定

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2026/9/22

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 【1】ぼくの目の前に、テストの問題用紙が山積みされている。教室にはだれもおらず、ぼく一人。とても静かな、居残り勉強の時間である。いつもなら頭を抱えるかか  か、逃げ出しに だ てしまいたくなるところだ。しかし、この時のぼくはやる気に満ちていた。【2】なぜなら、今まで休ませてもらったぶん、ここでがんばろうと決意していたからだ。 
 ぼくはつい昨日まで、北海道にいた。三日間、旅行へ行っていたのだ。両親が計画したこの旅行は、学校のテスト期間とぶつかってしまっていた。【3】卒業と進学を控えひか たこの時に、テストを休んで遊びに行くなんて言ったら、怒らおこ れるんじゃないか……とぼくは思っていた。けれども担任たんにんの先生は、 
「学校の勉強より、旅行の方がずっと良い経験になります。ぜひ行ってきてください。」
と言ってくれた。【4】ぼくはとても感動した。だからこそ、旅行から帰った後、テストをまとめて受けることになっても、いやだなんて感じなかったのだ。 
 この旅行は本当に楽しく、新鮮しんせんなことばかりだった。飛行機に乗るのは初めてで、はじめは不安もあった。【5】墜落ついらくしたらどうしよう、という心配はもちろん、それ以上に、海外旅行の経験がある友達から「暗いし、混んでいるし、とても窮屈きゅうくつだった」と聞いていたからだ。 
 だが、僕たちぼく  の乗った飛行機はビックリするくらい空いていた。【6】時季を外れていたからで、両親の計画のうちだったらしい。ばたばたと座席ざせきを移動して、色々な方向から雲の下の景色を楽しむことができた。昔、母が滑りすべ に行ったという蔵王ざおうのスキー場も見えた。国内の移動だから、二時間も乗っていられないのが、残念だったくらいだ。
 【7】北海道では、最初に摩周湖ましゅうこを見た。雪ときりで一面が真っ白、それは綺麗きれいだったのだが、積もった雪が太陽の光を照り返して、すごくまぶしかったことの方が忘れわす られない。そこで撮っと た写真では、ぼくは目を細めて、まるでとても機嫌きげんが悪いかのような表情をしている。
 【8】他にも、アイヌ族の村を見たり、凍っこお た湖の上を歩いたり、スノーモービルに乗ったりした。どれも、先生の言っていたとおり、同じ冬でも東京にいたのでは決してできない経験ばかりだった。 
 気がつけば、ぼくはいつも以上にサッサッと問題を解いていた。【9】一番苦手な、算数のテストも片付いかたづ た。人間は、楽しい思い出があるからこそ、やらなければならない辛いつら 勉強にも取り組むことができるのだろう。あと、つくえの上に残っているのは、数まいの作文用紙だけ。最後は、「この冬の思い出」という課題の作文テストだ。【0】書くことはもう決まっている。「鉄は熱いうちに打て」という。思い出を文章に残すのも、きっと早い方がいいに違いちが ない。ぼくは笑顔でペンを握りにぎ 直した。

(言葉の森長文作成委員会 ι)