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音読の丘
 音読で、読む力、書く力が育つ。
 オンドリくんの 音読の丘
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※音読の丘は、家庭での音読の練習用として使ってください。
1.音読する文章が2つある場合は、最初の方の文章を音読してください。
2.はじめに、音声入力を始めるのボタンを押してください。
3.音読が終わったら音声入力を止めるのボタンを押してください。
4.音声入力を止めたあと、結果を送信するのボタンを押してください。



 【1】僕(ぼく)の目の前に、テストの問題用紙が山積みされている。教室には誰(だれ)もおらず、僕(ぼく)一人。とても静かな、居残り勉強の時間である。いつもなら頭を抱える(かか  )か、逃げ出し(に だ )てしまいたくなるところだ。しかし、この時の僕(ぼく)はやる気に満ちていた。【2】なぜなら、今まで休ませてもらったぶん、ここでがんばろうと決意していたからだ。 
 僕(ぼく)はつい昨日まで、北海道にいた。三日間、旅行へ行っていたのだ。両親が計画したこの旅行は、学校のテスト期間とぶつかってしまっていた。【3】卒業と進学を控え(ひか )たこの時に、テストを休んで遊びに行くなんて言ったら、怒ら(おこ )れるんじゃないか……と僕(ぼく)は思っていた。けれども担任(たんにん)の先生は、 
「学校の勉強より、旅行の方がずっと良い経験になります。ぜひ行ってきてください。」
と言ってくれた。【4】僕(ぼく)はとても感動した。だからこそ、旅行から帰った後、テストをまとめて受けることになっても、嫌(いや)だなんて感じなかったのだ。 
 この旅行は本当に楽しく、新鮮(しんせん)なことばかりだった。飛行機に乗るのは初めてで、はじめは不安もあった。【5】墜落(ついらく)したらどうしよう、という心配はもちろん、それ以上に、海外旅行の経験がある友達から「暗いし、混んでいるし、とても窮屈(きゅうくつ)だった」と聞いていたからだ。 
 だが、僕たち(ぼく  )の乗った飛行機はビックリするくらい空いていた。【6】時季を外れていたからで、両親の計画のうちだったらしい。ばたばたと座席(ざせき)を移動して、色々な方向から雲の下の景色を楽しむことができた。昔、母が滑り(すべ )に行ったという蔵王(ざおう)のスキー場も見えた。国内の移動だから、二時間も乗っていられないのが、残念だったくらいだ。
 【7】北海道では、最初に摩周湖(ましゅうこ)を見た。雪と霧(きり)で一面が真っ白、それは綺麗(きれい)だったのだが、積もった雪が太陽の光を照り返して、すごくまぶしかったことの方が忘れ(わす )られない。そこで撮っ(と )た写真では、僕(ぼく)は目を細めて、まるでとても機嫌(きげん)が悪いかのような表情をしている。
 【8】他にも、アイヌ族の村を見たり、凍っ(こお )た湖の上を歩いたり、スノーモービルに乗ったりした。どれも、先生の言っていたとおり、同じ冬でも東京にいたのでは決してできない経験ばかりだった。 
 気がつけば、僕(ぼく)はいつも以上にサッサッと問題を解いていた。【9】一番苦手な、算数のテストも片付い(かたづ )た。人間は、楽しい思い出があるからこそ、やらなければならない辛い(つら )勉強にも取り組むことができるのだろう。あと、机(つくえ)の上に残っているのは、数枚(まい)の作文用紙だけ。最後は、「この冬の思い出」という課題の作文テストだ。【0】書くことはもう決まっている。「鉄は熱いうちに打て」という。思い出を文章に残すのも、きっと早い方がいいに違い(ちが )ない。僕(ぼく)は笑顔でペンを握り(にぎ )直した。

(言葉の森長文作成委員会 ι)