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音読の丘
 音読で、読む力、書く力が育つ。
 オンドリくんの 音読の丘
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※音読の丘は、家庭での音読の練習用として使ってください。
1.音読する文章が2つある場合は、最初の方の文章を音読してください。
2.はじめに、音声入力を始めるのボタンを押してください。
3.音読が終わったら音声入力を止めるのボタンを押してください。
4.音声入力を止めたあと、結果を送信するのボタンを押してください。



 【1】私(わたし)が市場へゆく道は、いかにも自然発生的な細いやさしい道だ。家と家との間に何となく作られた人間のふみならした道だ。ところが、その道は最近アスファルトがしかれてしまった。夏の日など、かごを下げて歩いてみると、いかにもむんむんして照りかえしがきつい。それに何ともふぜいがなくなった。
 【2】私(わたし)は舗装(ほそう)されたのを残念に思った。新たに作った高速道路のようなものならまことにりっぱな舗装(ほそう)があってしかるべきだと思う。しかしほとんど車も通らない昔ながらの通り路のようなものまで舗装(ほそう)する必要は果たしてあるのだろうか。【3】いちおう石ころで足裏(うら)がごろごろすることもなくて歩きやすいようではあるが、幅(はば)一メートルありやなしやのこんな細道がべタッと黒くアスファルトを塗ら(ぬ )れているのはいたましくさえある。弱いはだにこってりドーラン(おしろいの一種)をぬって皮膚(ひふ)呼吸(こきゅう)をふさいでしまった感じがする。
 【4】私(わたし)がこどものころはいていた皮靴(くつ)は、たいていどれもこれも爪(つま)さきがけばだっていた。石けりをしながら歩くせいだ。これときめた小石を、小さくけりつづけながら学校へゆき家に帰る。車の心配などほとんどせず、けとばした石のゆくてのまにまに、よろけながら歩くのである。【5】いま、こんなことをしたら、それはもういっぺんに車にひかれてしまうが、昔はそんなことをしながらにぎやかにこどもは道を歩いた。
 道にはいろいろなものがあった。しゃれた石、虫の死がい、雑草の可憐(かれん)な花、ラムネびんの破片(はへん)、石炭のかけら、鳥の羽。【6】そんなものにいちいち心をとめながら、ゆっくりとこどもは楽しみながら歩くのであった。舗装(ほそう)された道にはそんな、手にとりたいようなものは何にもないのだ。
 最近ある方から石を一ついただいた。【7】ダイヤモンドやルビーでもない、また当然石ブームでさわがれる菊(きく)石とか赤石とかのしろものでもない。平べったい薄茶(うすちゃ)色の石で、手のひらに軽く乗る大きさ、重さである。
 ただおもしろいのは、全体にキララ(光る鉱物の一種)が入っていることで、光を受けて小さく一せいにまたたく。【8】太陽にあてると楽しいですと言われて、私(わたし)は日の光にも、また月の光にも照らしてみた。チカチカとかわいらしくきらめくのをみると、いわゆる童話の世界のおもむきがある。その人は、道で拾いましたと言った。どんな道だろう。【9】ゆたかな気持ちで、ものみなすべてにいとしみを感じながら歩く土の道にちがいない。無味乾燥(かんそう)なアスファルト道路、車が通るだけのための道にはこんな石はないのだ。
 もちろん舗装(ほそう)された道も場合によっては大切である。【0】ほこりをあびせかけられる街道筋(かいどうすじ)の家などは気の毒で見られない。一刻(いっこく)も早く舗装(ほそう)しなければ、道すじの家は窓(まど)も開けられない。だが、道が一番道らしいのは、人間のくらしをあたたかに支え、いろいろなものを発見することのできるふみしめられた道である。この事だけは忘れ(わす )てはならないのだ。