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音読の丘
 音読で、読む力、書く力が育つ。
 オンドリくんの 音読の丘
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※音読の丘は、家庭での音読の練習用として使ってください。
1.音読する文章が2つある場合は、最初の方の文章を音読してください。
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 【1】ユーモアについて、話がしたくなりました。
 第二次大戦の時、イギリスの主要都市は、ドイツ空軍の激しい(はげ  )爆撃(ばくげき)にさらされました。特にロンドンは熾烈(しれつ)でした。【2】この時、建物を大破されたロンドンのあるデパートが、
「平常通り営業。本日より入口を拡張(かくちょう)しました」
というカンバンを出しました。よく知られているエピソードです。
 先日、イギリス人がユーモアについて書いてあるものを読んだらこうありました。
【3】「私(わたし)たちイギリス人は、『ユーモアのセンス』というものには特別のプライドを持っているし、また、それについて敏感(びんかん)である。たとえばイギリス人に向かってモラルがないとか、仕事ができないと言ってもおこりはしない。【4】自分には音楽がわからない、と自慢(じまん)する者もいる。しかしイギリス人にユーモアのセンスが無いと言ったらぶんなぐられるはずだ。他国では、人の悪口を言うとき、ばか、臆病者(おくびょうもの)、極悪人などと呼ぶ(よ )が、イギリスでは『ユーモアのセンスが無いね』と言うのである。【5】これは最高の侮辱(ぶじょく)となる」
 国民性のちがいと言ってしまえばそれまでですが、日本では、ユーモア感覚は、それほどまでには高く評価されていないように感じます。【6】「お互い( たが )にもっとユーモアの感覚をみがこう」というより「人間マジメに、一生懸命(いっしょうけんめい)に働くのが一番だ」という言葉のほうが、説得力を持つのではないでしょうか。
 【7】空襲(くうしゅう)で爆破(ばくは)されたデパートが、「本日より入口を拡張(かくちょう)しました」というカンバンを出すなんて不真面目だ。「空襲(くうしゅう)による被害(ひがい)のためお客様にご迷惑(めいわく)をおかけいたします」と書くべきだ。というのが真面目な人の反応でしょう。
 【8】真面目な国から真面目をひろめにやってきたような人っているものです。そういう人は、もしかしたら欠陥(けっかん)人間と呼ん(よ )でいいかもしれません。自動車のハンドルにあそびがあるからこそ、自動車を安全に運転することができます。【9】ユーモアは命を運転して人生をわたっていくのに欠かすことのできないものです。
 と言いながら、生真面目な言い方になりますが、明治以来、日本の文学は喜怒哀楽(きどあいらく)の怒(ど)と哀(あい)だけに片寄り(かたよ )過ぎたように思います。【0】喜びや楽しみを書いたものは評価が一段(いちだん)低かった。近代の苦悩(くのう)について書いたものが文学としては上等で、人生の深みにおもりを下ろしていると最敬礼(さいけいれい)されてきました。
 詩に限ってみても、上質の軽みに成熟(せいじゅく)を示した詩、ユーモアの詩が書かれるようになったのは戦後のことです。
 ただ、ユーモアというものは、論理(ろんり)で解釈(かいしゃく)できるものではなく、それを受信する感性の装置(そうち)をそなえているかどうかなのですね。頭がどんなによくても、それだけではだめ。いくら知識があっても、それだけではだめだということです。
「平行な二直線が他の直線と交わってできる錯角(さっかく)は等しい」という定理なら、これを証明することができます。しかし、ユーモアは、たとえるなら花のかおりのようなもので、口ではうまく説明できない。
 数学なら数学、物理なら物理、こういう真面目なことというものは、一生懸命(いっしょうけんめい)努力すれば分かります。少なくとも分かるはずです。しかし、ユーモアというものは、ユーモラスと感じるか感じないかというセンスの問題になるわけです。

 (横浜(よこはま)共立学園中)