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音読の丘
 音読で、読む力、書く力が育つ。
 オンドリくんの 音読の丘
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※音読の丘は、家庭での音読の練習用として使ってください。
1.音読する文章が2つある場合は、最初の方の文章を音読してください。
2.はじめに、音声入力を始めるのボタンを押してください。
3.音読が終わったら音声入力を止めるのボタンを押してください。
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 【1】そうじをおわって、わたしがかえろうとすると、運動(うんどう)場(じょう)から、バラバラと男の子たちがやってきて、わたしをとりかこみました。
 (こりゃ、ひとあばれけんかをしなけりゃならなくなったぞ。)わたしはそう思い(おも )ました。【2】でも、けっして、その男の子たちがにくらしかったわけではありません。ほんとうは、はやく、その子たちといっしょになってあそびたかったのです。めいわくだったのは、むしろしんせつにしてくれる女の子でした。
 【3】(あの子がこなければよいが。)みんなにかこまれて、わたしがそうおもったとき、もう女の子は見つけて、こちらにかけてくるのがわかりました。
 【4】と、わたしは、いちばんちかくにいた男の子を、ポカンとぶっていました。それから、とっくみあいになりました。ほかの男の子たちは、わたしの先手に、いささかあきれたかっこうです。
 【5】女の子は、それを見ると、わたしがさきに手をだしたこともしらずに、先生をよびにいきました。とっくみあいになると、なかなかしょうぶがつきません。
「おい、先生がきたぞ。」
 だれかがいいました。そして、ほかの男の子たちが、学校の外(そと)へにげだしました。【6】わたしも、とっくみあいをちゅうしして、みんなといっしょに、にげました。
 わたしは、ごくしぜんにみんなといっしょににげだせたのがうれしくてたまりませんでした。わたしたちは、学校が見えなくなるまで、フーフーいいながら走り(はし )ました。【7】そして、ひとりが草の中へ、
「ああ、しんど。」
とたおれこむと、みんなも草の中へころがりました。わたしは、いまさっきけんかをしたこともわすれていました。ところが、あいてはわすれていなかったのです。とつぜん、おかしなことをいいだしました。
【8】「おまえ、へびつかめるか。」
「つかめらい。」
 わたしは、そうこたえずにはいられませんでした。それに、へびなど、そうかんたんにいるものとはおもっていませんでした。
「大阪(おおさか)の天王寺(てんのうじ)の動物(どうぶつ)園(えん)には、こんなふといへびがいるぞ。【9】おら、そいつにさわらせてもらった。ぬるっとして、手がぬれたぞ。」
 なぜ、じぶんのいちばんおそれていることを、わたしはわざわざしゃべってしまったのでしょう。もちろん動物(どうぶつ)園(えん)で、にしきへびにさわれるわけがありません。【0】へびがぬるっとしていて、手がぬれるなんて、まったくでたらめです。いいえ、わたしはそんなゆめを見て、いく夜(よ)うなされたかしれません。
 ところが、あいての男の子は、そのとき、まったく手じなのように、草むらの中から、へびをみつけだしたのです。しっぽをつかむがはやいか、バン、バンと、土の上にたたきつけました。小さなしまへびではありましたが、わたしはもうぶるぶるとふるえていました。
「さあ、つかめ。もうかみつきよらん。」
 みんなは、わたしがどうするか見まもっていました。
「はよう、つかまんか。こわいのか。」
 わたしはだまってつかみました。つかむとどうじに、それをぶんぶんふりまわしました。とても、じっとなどつかんでいられませんでした。へびは、すこしもぬるっとなんかしていませんでした。むしろざらっとしたかんじです。これはほんとうにいがいでした。
 わたしはへびをふりまわしながら、みんなにちかづけました。さすがにみんなにげました。ふと気がつくと、むこうのほうから、さっき学校でいっしょにそうじをしていた、女の子たちがふたりでかえってきます。わたしはへびをふりまわしながら、その子たちのほうへ走り(はし )ました。
 女の子は、わたしがそんなことをしているのを見ると、ハッとしたようにたちどまってから、それがへびであることがわかると、キャッとさけんで、にげだしました。
 なんでそんならんぼうをしたのか、じぶんでもふしぎでした。
 あくる朝(あさ)、先生からたいへんおめだまをいただきました。
「なにもわるいことをしないへびをころして、おまけに、女の子をいじめるなんて、いちばんひきょうもののすることだぞ。」
 先生にそういってしかられました。つくえをならべた女の子は、わたしをよけるように、つくえのはしっぽにすわり、口もきいてくれなくなりました。
 へびをつかむなんて、ほんとうにつまらぬことです。でたらめのうそをいったばかりに、じぶんのいちばんきらいだったへびをつかんでみせなければなりませんでした。
 でも、そんなことがあってから、わたしは、すぐ山の友だち(とも  )となかよしになりました。へびもこわくなくなりました。二年ほどしかいませんでしたが、たのしい山の小学校でした。

「ほらふきうそつきものがたり」(今西(いまにし)祐行())より