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音読検定
 楽しくできる音読で、読む力、考える力が育つ。
 音読検定

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2026/9/22

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 【1】小学校一年生の三がっきのことです。こくごのべんきょうで、かん字が、十二、三字出そろい、それらを、三十かいずつ、ノートに書くか しゅくだいがでました。【2】をかくとか、作文さくぶん書くか というのなら、そんなにいやではなかったのですが、わかりきった字をなんかいも書いか たり、たしざんやひきざんのけいさんもんだいを、たくさんやらされるしゅくだいは、とてもにがてでした。
 【3】(三十かいずつか。いやだなあ。日、日、日……。人、人、人……。山、山、山……。ああ、いやだなあ。わかっている字じゃないか。いやだなあ……。)とおもっているうちは、まだいやいやでもいえにかえったら書こか うとおもっていました。
 【4】ところが、学校のもんをでて、山のすそをとおり、小川のばしをわたっていえについたころには、すっかりわすれてしまいました。
 しゅくだいをわすれるのと、ひきかえのようにおもいだしたことがあります。【5】というのは、その日が、毎月まいつき買っか ているざっしの売りう だし日だったのです。
 さっそく、ざっしを買うか お金をもらって、やく二キロメートルはなれている、小さな町の本屋ほんやへでかけました。うめの花をみちみち見ましたが、かぜはまだつめたかったようです。
 【6】そのころ、テレビなんてものはありませんでした。ラジオも、まだ町にしかありませんでしたから、毎月まいつきのざっしが、なによりのたのしみでした。
 ざっしを買っか いえにかえってくると、からだじゅうがほかほかしていました。【7】ときどき、グラビヤのところをのぞいてたちどまったり、小走りこばし にあるいたりしてきたのです。
 夕食ゆうしょくまえに、ふろへはいるようにははにいわれましたが、「あとにする。」といって、まずざっしをよみつづけました。
 【8】ねるまえに、いちどカバンの中でも見ればしゅくだいをおもいだしたでしょうが、そのころのぼくは、本もどうぐも、みんなカバンにいれっぱなしで、学校といえとをおうふくしていました。しゅくだいをわすれなければ、けっして、カバンの中のものをとりだすひつようがなかったのです。
 【9】さて、もんだいはそのあくる日です。こくごの時間じかんがはじまり、しゅくだいをしてきたノートを、つくえの上にひろげることになりました。
 (あっ、そうだった。あの、いやなしゅくだいがあったっけ。)と気づいたが、もうなんともなりません。【0】せめて、はじまるまえにでも気づいていたら、すこしは書いか ておけたのでしょうが。
 たんにんのわかい女の先生は、かくべつきびしかったのです。(さあ、どうしよう。しかたがない。しょうじきにいおう。わすれました。)と。そうおもって、先生に見てもらうばんを、びくびくしてまっていました。
「はい、どこにやってありますか?」
「わすれました。ぼくう、すっかりわすれてしまいました。」
「わすれた? どうしてわすれたの? わすれたといえばすむの?なまけたのでしょう?」
「なまけたんじゃありません。」
「なまけたのでしょう。」と、いわれて、きゅうにくやしくなりました。
「なまけたんじゃなかったら、どうしてやってないの?」
「わすれたのです。」
「わすれたといえばすむの? どうしてわすれたの? ただわすれたではゆるしません。」
 さあ、ぼくはこまってしまいました。ざっしのことでわすれたといえば、先生は、よけいおこるにちがいありません。(よし。いえようでやれなかったといおう。)と、とっさにおもいつきました。
いえようがあったのです。」
「どんなよう?」
「となり村の水車小屋こやへ、べいを一ぴょうついてもらいにいったのです。」
「あんたひとりで?」
「はい。」
 これは、とんでもないことをいってしまったなとおもいました。でも、そういってしまったいじょうは、それでとおさにゃならんとおもい、あることないこと、おもいつくままにならべました。
「ほらふきうそつきものがたり」(赤憲久)より