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音読の丘
 音読で、読む力、書く力が育つ。
 オンドリくんの 音読の丘
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※音読の丘は、家庭での音読の練習用として使ってください。
1.音読する文章が2つある場合は、最初の方の文章を音読してください。
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 【1】小学校一年生の三がっきのことです。こくごのべんきょうで、かん字が、十二、三字出そろい、それらを、三十かいずつ、ノートに書く(か )しゅくだいがでました。【2】絵(え)をかくとか、作文(さくぶん)を書く(か )というのなら、そんなにいやではなかったのですが、わかりきった字をなんかいも書い(か )たり、たしざんやひきざんのけいさんもんだいを、たくさんやらされるしゅくだいは、とてもにがてでした。
 【3】(三十かいずつか。いやだなあ。日、日、日……。人、人、人……。山、山、山……。ああ、いやだなあ。わかっている字じゃないか。いやだなあ……。)とおもっているうちは、まだいやいやでも家(いえ)にかえったら書こ(か )うとおもっていました。
 【4】ところが、学校の門(もん)をでて、山のすそをとおり、小川の土(ど)ばしをわたって家(いえ)についたころには、すっかりわすれてしまいました。
 しゅくだいをわすれるのと、ひきかえのようにおもいだしたことがあります。【5】というのは、その日が、毎月(まいつき)買っ(か )ているざっしの売り(う )だし日だったのです。
 さっそく、ざっしを買う(か )お金をもらって、やく二キロメートルはなれている、小さな町の本屋(ほんや)へでかけました。うめの花を道(みち)みち見ましたが、風(かぜ)はまだつめたかったようです。
 【6】そのころ、テレビなんてものはありませんでした。ラジオも、まだ町にしかありませんでしたから、毎月(まいつき)のざっしが、なによりのたのしみでした。
 ざっしを買っ(か )て家(いえ)にかえってくると、からだじゅうがほかほかしていました。【7】ときどき、グラビヤのところをのぞいてたちどまったり、小走り(こばし )にあるいたりしてきたのです。
 夕食(ゆうしょく)まえに、ふろへはいるように母(はは)にいわれましたが、「あとにする。」といって、まずざっしをよみつづけました。
 【8】ねるまえに、いちどカバンの中でも見ればしゅくだいをおもいだしたでしょうが、そのころのぼくは、本もどうぐも、みんなカバンにいれっぱなしで、学校と家(いえ)とをおうふくしていました。しゅくだいをわすれなければ、けっして、カバンの中のものをとりだすひつようがなかったのです。
 【9】さて、もんだいはそのあくる日です。こくごの時間(じかん)がはじまり、しゅくだいをしてきたノートを、つくえの上にひろげることになりました。
 (あっ、そうだった。あの、いやなしゅくだいがあったっけ。)と気づいたが、もうなんともなりません。【0】せめて、はじまるまえにでも気づいていたら、すこしは書い(か )ておけたのでしょうが。
 たんにんのわかい女の先生は、かくべつきびしかったのです。(さあ、どうしよう。しかたがない。しょうじきにいおう。わすれました。)と。そうおもって、先生に見てもらうばんを、びくびくしてまっていました。
「はい、どこにやってありますか?」
「わすれました。ぼくう、すっかりわすれてしまいました。」
「わすれた? どうしてわすれたの? わすれたといえばすむの?なまけたのでしょう?」
「なまけたんじゃありません。」
「なまけたのでしょう。」と、いわれて、きゅうにくやしくなりました。
「なまけたんじゃなかったら、どうしてやってないの?」
「わすれたのです。」
「わすれたといえばすむの? どうしてわすれたの? ただわすれたではゆるしません。」
 さあ、ぼくはこまってしまいました。ざっしのことでわすれたといえば、先生は、よけいおこるにちがいありません。(よし。家(いえ)の用(よう)でやれなかったといおう。)と、とっさにおもいつきました。
「家(いえ)に用(よう)があったのです。」
「どんな用(よう)?」
「となり村の水車小屋(こや)へ、米(べい)を一ぴょうついてもらいにいったのです。」
「あんたひとりで?」
「はい。」
 これは、とんでもないことをいってしまったなとおもいました。でも、そういってしまったいじょうは、それでとおさにゃならんとおもい、あることないこと、おもいつくままにならべました。
「ほらふきうそつきものがたり」(赤座(ざ)憲久())より