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音読の丘
 音読で、読む力、書く力が育つ。
 オンドリくんの 音読の丘
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※音読の丘は、家庭での音読の練習用として使ってください。
1.音読する文章が2つある場合は、最初の方の文章を音読してください。
2.はじめに、音声入力を始めるのボタンを押してください。
3.音読が終わったら音声入力を止めるのボタンを押してください。
4.音声入力を止めたあと、結果を送信するのボタンを押してください。



 【1】先生は、
「もういい、もういい。どうも、はじめてで、じじょうがわからなくて、気のどくをしたのう。さあ、そこにすわれ。」
といって、もうしわけなさそうに、ぼくを見つめるのでした。
 【2】それから、先生は、じぶんのべんとうをはんぶんずつにわけて、
「さあ、たべろ。なあにえんりょするな。人間(にんげん)ちゅうもんはなあ、いいか、どんなにつらいことがあっても、けっしてへこたれるんじゃあねえぞ。」
と、やさしくいってくれるのでした。
 【3】そういわれれば、いわれるほど、ぼくは、
「ううっ!」
といって、しゃくりあげてなきました。
 しゃくりあげながらも、先生から、もらったおべんとうをたべていました。
 わけてくれたおかずのしおじゃけも、こうやどうふのにしめも、おいしくておいしくて、みんなたいらげました。
 【4】ところが、そのあたりから、ゆめがさめはじめたようでした。
――おまえは、うそをついて、先生のべんとうをたべたのだ。
 どこからか、そんな声(こえ)がきこえます。
――いや、あれはゆめの中のぼくで、ほんとは東北(とうほく)の少年(しょうねん)なんだ。
 そんな、べんかいもきこえました。
 【5】しばらくすると、
――まあいいや、とにかく、こんどのあたらしい先生から、やさしい声(こえ)をかけてもらって、べんとうをわけてもらったのは、ぼくだけなんだから。
と、いばった声(こえ)もきこえました。
【6】――いや、おもいちがいをした源(げん)ちゃんが、わるいのだ。源(げん)ちゃんのくそぼうずめ。
 こんどは、源(げん)ちゃんのせいにした声(こえ)もでてきました。
 とにかく、ぼくは、おもいあまってしまいました。
 【7】そのおもいあまった気もちは、うちにかえってからも、つづいていました。
 つぎの日になりました。
 先生にあうのが、こわくなりました。
――いっそ、ずる休みするか。
と、おもいました。
 でも、ぼくのうちは、かんしがきびしくて、とてもだめです。
【8】――ええ! どうにでもなれ。
 ぼくははんぶんやけっぱちになって、しぶしぶと学校にいったのです。
 やっぱり、おもっていたとおりでした。
 ぼくは、一時間(じかん)めに、しょくいん室(しつ)によびつけられました。
 【9】いがぐり頭(あたま)のぎょろめの前沢(まえさわ)先生は、ぼくを、にらみつけて、
「代田(しろた)! よくも、おれをだましたな。」
 そういうなり、げんこつで、
「ゴツン」「ゴツン」
と、ぼくののうてんを、力いっぱいなぐりました。
「いたたっ!」「いたたっ!」
 【0】目から火のでるほどのいたみが、ずしんと、からだぜんたいにひびいてきました。
 でも、ぼくは、声(こえ)をだしませんでした。
 もちろん、なきもしませんでした。
 いや、かえって、この「げんこつ」で、むねの中のもやもやが、すうっと、きえていくのがわかりました。

「ほらふきうそつきものがたり」『げんこつゴツン』(代田(しろた)昇(のぼる))より