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音読の丘
 音読で、読む力、書く力が育つ。
 オンドリくんの 音読の丘
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※音読の丘は、家庭での音読の練習用として使ってください。
1.音読する文章が2つある場合は、最初の方の文章を音読してください。
2.はじめに、音声入力を始めるのボタンを押してください。
3.音読が終わったら音声入力を止めるのボタンを押してください。
4.音声入力を止めたあと、結果を送信するのボタンを押してください。



 奈津(なつ)は幼い(おさな )ころからとても利発(りはつ)で、本を読む(よ )ことや文を書く(か )ことが大好き(だいす )な女の子でした。ひとたび本を読み(よ )始める(はじ  )と、友達(ともだち)が遊び(あそ )に誘っ(さそ )ても全く(まった )応じ(おう )ません。なぜなら、友達(ともだち)と遊ぶ(あそ )より本を読む(よ )ほうがずっと楽しい(たの  )のです。一冊(さつ)の本を読み(よ )終わる(お  )と、もう一度(  いちど)はじめから何(なん)度(ど)も繰り返し(く かえ )て味わう(あじ  )ように読む(よ )のです。まるで本の世界(せかい)に入り込ん(はい こ )でしまったかのように熱中(ねっちゅう)してしまうのでした。
 そんな奈津(なつ)は、学校でも大変(たいへん)熱心(ねっしん)に勉強(べんきょう)に取り組み(と く )ました。あまりに熱心(ねっしん)なので、先生も驚い(おどろ )てしまうほどです。学ぶことが楽しく(たの  )て仕方(しかた)がないのです。砂(すな)が水を吸う(す )ように勉強(べんきょう)を理解(りかい)していくのですから、成績(せいせき)も大変(たいへん)優秀(ゆうしゅう)でした。
 ところがある日、思いがけない(おも     )ことが起こり(お  )ました。女の子は家(いえ)の手伝い(てつだ )や針仕事(はりしごと)をしたほうが役に立つ(やく た )のだから、学校はやめるようにと、お母さん( かあ  )が言う(い )のです。
 そのころは、学校へ通う(かよ )ことは恵まれ(めぐ  )た家庭(かてい)の子だけが持つ(も )特権(とっけん)でした。普通(ふつう)の家庭(かてい)では、家計(かけい)の足しにするために働く(はたら )ことが、学校で勉強(べんきょう)することよりも優先(ゆうせん)されていました。東京(とうきょう)に限っ(かぎ )てみても、女の子の半数(はんすう)以上(いじょう)が小学校に通え(かよ )なかったのです。学校へ行け(い )ない子たちは、家(いえ)でお母さん( かあ  )の手伝い(てつだ )をしたり、小さな弟(おとうと)や妹(いもうと)の世話(せわ)をして働き(はたら )ました。
 奈津(なつ)は、その時代(じだい)の女の子たちと同じ(おな )ように、学校をやめました。しかし、勉強(べんきょう)に対する( たい  )熱い(あつ )思い(おも )は一向に(いっこう )冷め(さ )ません。冷める(さ  )どころか、ますます大きく、強く(つよ )なってくるのでした。本が読み(よ )たくてたまらない奈津(なつ)は、こっそりと蔵(くら)に入り込み(はい こ )、暗がり(くら  )の中、小窓(まど)から差し込む(さ こ )光(ひかり)をたよりに、本を読みふける(よ    )ようになりました。
 今(いま)から百二十年ほど前(まえ)の明治(めいじ)時代(じだい)の話(はなし)です。奈津(なつ)はのちに樋口(ひぐち)一葉(いちよう)という名前(なまえ)で作家(さっか)になり、「たけくらべ」「にごりえ」といった名作(めいさく)を残し(のこ )ました。

 言葉(ことば)の森長文(ちょうぶん)作成(さくせい)委員(いいん)会(かい)(ω)