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音読の丘
 音読で、読む力、書く力が育つ。
 オンドリくんの 音読の丘
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※音読の丘は、家庭での音読の練習用として使ってください。
1.音読する文章が2つある場合は、最初の方の文章を音読してください。
2.はじめに、音声入力を始めるのボタンを押してください。
3.音読が終わったら音声入力を止めるのボタンを押してください。
4.音声入力を止めたあと、結果を送信するのボタンを押してください。



 【1】花の絵を描き(えが )始める時、心は画用紙のように真白でありたいと思っている。同じ名前がついている花でもよく見ると、一つ一つが人間の顔が違う(ちが )ように、それぞれの表情(ひょうじょう)を持っているからである。【2】また同じ花でも、朝と昼ではほんのわずか色が変わっている場合が多い。
 いくら見なれた花でも「この花はこういう形をしているんだ」などと先入観をもって描き(えが )始めると、花にソッポを向かれてしまうことがある。【3】花屋さんでは、開きすぎたものは売り物にならないようだけれど、開きすぎて雌蕊(めしべ)や雄蕊(おしべ)がとび出したものも、時にはハッとするくらい美しい表情(ひょうじょう)を見せてくれることがある。【4】花びらが一、二枚(まい)落ちてしまったのも、虫が食っているのもいいなあと思う。咲き(さ )終わって花びらが茶色くなってしまったのも……、それは決して死んだ花ではなく一生懸命(いっしょうけんめい)生きて、いま実を結び始めた最もすばらしい時期を迎え(むか )ているのではないだろうか。
 【5】風で折れてぶらさがっているのもあれば、病気か何かでゆがんで咲い(さ )ているのもある。日向(ひなた)で勢い(いきお )よく咲い(さ )ているのもあるが、根元の方では雨の日に土のはねかえりを受けて、うすぎたなくなったのもある。そういうのを見ていると、人間の社会と同じだなあと思ったりする。【6】頭の良いのもいれば、悪いのもいる。美しい人も、そうでない人も、病気の人も、健康な人も……、いろいろな人がいる。
 しかし、私(わたし)自身、「あいつは、ああいうやつなんだ」とほんのわずかしか知らないうちに決めつけてしまうことが、なんと多いのだろう。【7】花の色が一日にして変化するのだから、まして心を持っている人を見るとき、自分のわずかな秤(はかり)で決めつけてしまうのなんて全く間違っ(まちが )ていると思う。
 いま私(わたし)の前には、みごとな菊(きく)の大輪(たいりん)が咲い(さ )ている。【8】菊(きく)は比較的(ひかくてき)長い期間咲い(さ )ている花だけれど、それでも人にその花をほめられている時期はほんとうにわずかである。【9】花の下にある葉の一つ一つを、さらにその下にある土の中の根の美しさを、花びらの中に描ける(えが  )ようになりたいと思っている。【0】
(『風の旅』星野富弘(とみひろ)著(ちょ))