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音読の丘
 音読で、読む力、書く力が育つ。
 オンドリくんの 音読の丘
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※音読の丘は、家庭での音読の練習用として使ってください。
1.音読する文章が2つある場合は、最初の方の文章を音読してください。
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 イヌが喜びを表現(ひょうげん)するときに尾(お)を振る(ふ )ことはよく知られている。イヌの喜びが大きいときには、尾(お)を激しく(はげ  )振り(ふ )、体をくねらせる。耳は後方に絞ら(しぼ )れるような形で伏せ(ふ )ている。いてもたってもいられぬように跳び(と )はねることもある。生後半年前後の若い(わか )雌(めす)では、嬉し(うれ )すぎて尿(にょう)をもらす場合もある。
 このような喜びを表すのは、たとえば、長い間、旅に出ていたご主人が帰ってきたようなときである。イヌは家族をひとつの群れ(む )として考えているが、群(むれ)にはひとりひとりに順位の格付け(かくづ )がある。当然、順位の上の人に会えたときのほうが喜びの表現(ひょうげん)も激しく(はげ  )なる。人に対して喜んでいるときのイヌは、年齢(ねんれい)が若い(わか )ほど人の顔を舐め(な )たがるものである。
 犬種によって喜びの表現(ひょうげん)に差があり、一般(いっぱん)に日本犬は洋犬ほどオーバーではない。洋犬でも小型の愛玩(あいがん)犬種と、シェパード、シベリアン・ハスキーなど使役犬種との比較(ひかく)では、飼主(かいぬし)と居住(きょじゅう)区を同じにしている愛玩(あいがん)犬種のほうが喜びの表現(ひょうげん)は大きい。
 イヌには人と共同作業をしてほめられたときも嬉しく(うれ  )なる習性(しゅうせい)がある。たとえば、ボールを投げての「持って来い」の訓練をさせると、イヌは嬉々(きき)として投げたボールをくわえてきて飼主(かいぬし)に渡す(わた )が、このときのボディランゲージは、「大喜び」とはやや違う(ちが )。「上機嫌(じょうきげん)」あるいは「親愛」である。ボールを渡し(わた )た後、「よーし、よくやった」という賞賛(しょうさん)の言葉で嬉しく(うれ  )なっている。尾(お)は激しく(はげ  )は振ら(ふ )ず、ゆっくりと振っ(ふ )て、耳は後ろに伏せ(ふ )ている。ボールを主人に渡し(わた )た後、脚(あし)側に坐っ(すわ )て待つ訓練までよくできているイヌは、首を伸ばし(の  )て主人がもう一度ボールを投げるのを待つ。ときには「わん、わん」と催促(さいそく)することがある。
 また、イヌは叱ら(しか )れた後、許し(ゆる )を乞う(こ )ために「甘え(あま )」のボディランゲージを見せるが、そのときの尾(お)の位置は催促(さいそく)のときとは違っ(ちが )て、下に向けている。つまり、恐縮(きょうしゅく)を表現(ひょうげん)しながら、遊びに誘い(さそ )、なんとか御(ご)主人に機嫌(きげん)をなおしてもらいたいという魂胆(こんたん)である。
 ただし、イヌがこういう様子を見せたからといって、叱ら(しか )れた理由を理解(りかい)して二度と同じことをしないかといえばそうではない。叱ら(しか )れて懲り(こ )たときは、まず恐怖(きょうふ)を覚えるものである。恐怖(きょうふ)を覚えたときのイヌは、尾(お)を完全に股間(こかん)にまるめ込み(   こ )、耳を後方に伏せ(ふ )てうずくまってしまう。まるめられた尾(お)は振ら(ふ )れることはない。叱ら(しか )れても「甘え(あま )」を見せるイヌには、叱ら(しか )れた意味が分かっていないものである。
 イヌが知らないイヌに出あって、尾(お)を上にあげて小刻み(こきざ )に振る(ふ )ときは、相手に警戒(けいかい)心を持ったときである。同時に攻撃(こうげき)すべきか否(いな)かの迷い(まよ )がある。耳は前方に向けてしっかりと立てられている。垂れ(た )耳のハウンド種でも、耳の付け根が前向きになるので、警戒(けいかい)心と攻撃(こうげき)的な気持ちを抱い(いだ )たことが判断(はんだん)できる。
 この場合、尾(お)を高い位置で振る(ふ )イヌほど気性(きしょう)が強い上位のイヌである。イヌが相手に威圧(いあつ)感を覚えれば尾(お)を下げながら振り(ふ )、耳は後方に向けて伏せ(ふ )ていく。
 したがって、イヌが尾(お)を振っ(ふ )ているから喧嘩(けんか)にはならないだろうと思ったら大間違い(まちが )である。威圧(いあつ)されたイヌが怯え(おび )ながらも敵意(てきい)を表して牙(きば)を見せたりすると、尾(お)を振っ(ふ )ていたほうがいきなり攻撃(こうげき)をしかける場合もある。とくにテリア・グループは反応(はんのう)が早いので注意する必要がある。

(沼田(ぬまた)陽一「イヌはなぜ人間になつくのか」)