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音読の丘
 音読で、読む力、書く力が育つ。
 オンドリくんの 音読の丘
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※音読の丘は、家庭での音読の練習用として使ってください。
1.音読する文章が2つある場合は、最初の方の文章を音読してください。
2.はじめに、音声入力を始めるのボタンを押してください。
3.音読が終わったら音声入力を止めるのボタンを押してください。
4.音声入力を止めたあと、結果を送信するのボタンを押してください。



 【1】地球は、水の惑星(わくせい)と言われるように、表面の七十パーセントが水でおおわれている。「湯水のように」というたとえが使えるのは水の豊富な日本だけのようだが、誰(だれ)でも日常的に接しているこの水が、実はきわめて不思議な性質を持っている。
 【2】〇度で固体になり、百度で気体になる水は、地球の大きな循環(じゅんかん)を支えている。この支える力の秘密は、水が自在に形を変えるというその性質にある。環境(かんきょう)に合わせて形を変えることが、世界を潤す(うるお )力になっているのである。
 【3】人間もたぶん、この水のように周囲に合わせて自在に形を変えることで、周囲を潤す(うるお )力を持つことができる。
 例えば、ディベートということを考えてみよう。欧米(おうべい)では、意見を闘わ(たたか )せることによって相互(そうご)の意見が進歩すると考えられている。【4】弁証法では、ある意見Aとある意見Bが対立することによって新しい意見Cが生まれると考える。
 日本人は、これとは反対に対立を避ける(さ  )。あたかも水のように、相手がAと言えば、「Aもわかる」と答え、相手がBと言えば、「Bも理解できる」と答える。【5】AもBも、仏教もキリスト教も、欧米(おうべい)では本来両立しないと考えられたであろうあらゆるものをのみこんで、深い湖のように豊かになっていったのが日本文化である。
 【6】日本語のもともとの出発点にも、日本文化の水のような性質が発揮されている。日本は巨大(きょだい)な中国文化圏(けん)の辺境に位置していたために、中国からの影響(えいきょう)を絶えず受けていた。【7】しかし、同じ立場にある他の多くの民族が、自らも漢字を採用するか、あるいは漢字という言語を拒否(きょひ)して独自の言語に留まるかどちらかの選択(せんたく)しか持たなかった中で、日本だけは長い年月をかけて、平仮名、片仮名、音訓読み、漢字かな交じり文という独自の創造的な受け入れ方を生み出した。
 【8】この水のような性質こそ、これからの世界に最も求められているものではないだろうか。
 自己主張ということは確かに大切だ。特に日本人は、相手に合わせすぎるという批判もある。【9】しかし、狭い(せま )地球の中で、岩や石のようにぶつかり合う個性だけが充満(じゅうまん)しても、地球は息苦しくなるだけだろう。
 水のように自在に形を変える柔軟(じゅうなん)さが世界を潤す(うるお )としたら、日本人や日本文化の水のような性質も、改めて見直す必要があるのではないだろうか。【0】

(言葉の森長文作成委員会 Σ)