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音読の丘
 音読で、読む力、書く力が育つ。
 オンドリくんの 音読の丘
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※音読の丘は、家庭での音読の練習用として使ってください。
1.音読する文章が2つある場合は、最初の方の文章を音読してください。
2.はじめに、音声入力を始めるのボタンを押してください。
3.音読が終わったら音声入力を止めるのボタンを押してください。
4.音声入力を止めたあと、結果を送信するのボタンを押してください。



【1】「でもね、お母さん、小学校って、まるで軍隊(ぐんたい)みたいなんだ。だからぼく、いやなんだよ。」
 なるほど、そのころのドイツの小学校は、規則(きそく)第(だい)一で、暗く(くら )重苦しい(おもくる  )ふんいきに満ち(み )あふれていました。【2】授業(じゅぎょう)も、暗記(あんき)ばかり。自分で考えることは、いっさい許さ(ゆる )れません。先生にさからうことはもちろん、質問(しつもん)することさえ禁じ(きん )られていたのです。おさないアルバートが「軍隊(ぐんたい)そっくり。」というのも、もっともでした。
 【3】おまけに、無口(むくち)で体育(たいいく)がにがてなアルバートには、なかなか友だちもできません。一か月もしないうちに、学校がすっかりいやになってしまいました。
 【4】とはいえ、勉強(べんきょう)まできらいになったわけではありませんでした。下校してくると、ヤコブおじさんに助け(たす )てもらいながら、辞書(じしょ)をひき、本を読み、自分の好き(す )な勉強(べんきょう)を深め(ふか )ていきました。
 【5】数学に興味(きょうみ)をもったのも、そのころのことです。
 ある日、アルバートはヤコブおじさんにたずねました。
「ねえ、おじさん、『代数(だいすう)』ってなんのこと?」
 おじさんは、待っ(ま )ていましたとばかりに、説明(せつめい)をはじめました。
【6】「『代数(だいすう)』とは、わからない数をさがしだす数学だよ。まず、わからない数を、文字の『X(エックス)』とよぶ。そして、問題(もんだい)でいわれたとおりに、計算式(しき)をつくっていくと、さいごに、『X』がどんな数かが、ちゃんとわかるんだ。」
【7】「なんだか、おもしろそうだね。」
「おう、頭の体操(たいそう)みたいなものだからな。」
 こうして、アルバートは、小学生ではとても理解(りかい)できないような数学を、どんどん、自力で学んでいったのです。
 【8】勉強(べんきょう)にあきると、こんどはバイオリンを取り上げ(と あ )、小さな手で器用(きよう)に、モーツァルトやベートーベンの曲(きょく)をかなでます。
 そういえば、バイオリンも、ほとんど独習(どくしゅう)でした。
 【9】六さいになったとき両親(りょうしん)に連れ(つ )ていかれたバイオリンの先生は、小学校の先生と同じように、かたくるしくて、いばりくさっていました。はじめのうち、アルバートは、レッスンがいやでたまりませんでした。【0】けれども、家に帰って、自分で工夫(くふう)しながら練習(れんしゅう)をつづけているうちに、ある日とつぜん、モーツァルトのソナタがひけるようになったのです。
 それからは、しめたもの。すっかりバイオリンのとりこになったアルバートは、一生、この優雅(ゆうが)で複雑(ふくざつ)な楽器(がっき)と、親友のようにつきあいました。
 父のへルマンからは文学、母のパゥリーネからは音楽、そしてヤコブおじさんからは科学……。この三つの世界(せかい)は、アインシュタインの一生の大きな柱(はしら)となりました。
 
(「アインシュタイン」岡田(おかだ)好恵(よしえ)著(ちょ)より)