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音読の丘
 音読で、読む力、書く力が育つ。
 オンドリくんの 音読の丘
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※音読の丘は、家庭での音読の練習用として使ってください。
1.音読する文章が2つある場合は、最初の方の文章を音読してください。
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 転んでもただでは起きぬ

 【1】つまずいてころんでも、ころんだところにおちているものをひろってから起きあがる、という意味だ。そこから、たとえ失敗(しっぱい)したとしても、その失敗(しっぱい)をむだにしないで役にたて、利益(りえき)をあげようとする。【2】欲(よく)がふかくて、どんな時でも自分の得(とく)になるようにすること。ぬけ目のない人をあざわらっていうことばだ。
 これは、古くからあったことわざらしい。「転んでも土」とか、「こけてもただでは起きぬ」、「こけても砂(すな)」、「こけても馬のくそ」といったように、おなじ意味のことわざがいくつもある。【3】むかしは、馬のくそも畑のいい肥料(ひりょう)になったから、ひろってもって帰ったんだね。「こけた所で火打ち石」は、ころんだら、そこにおちている石の中から、火打ち石になるようなかたい石をひろってからたちあがったという意味だ。【4】ほんとに、ただでは起きないたくましさを感じることわざだ。
 むかし話に「わらしべ長者」というのがある。この話にでてくる男は、ころんでもただでは起きなかったことから、幸運がはじまるんだ。
 ――むかし、京の町にとても貧乏(びんぼう)でしようのない男がいた。【5】大和(やまと)の国、長谷(はせ)の観音(かんのん)様におまいりして、どうかお助けくださいとたのんでいた。すると、ある夜の明け方、観音(かんのん)様が夢(ゆめ)にあらわれていわれた。「都へ帰るとちゅう、どんなものでも手にはいったものを、大切に思ってもって帰りなさい。」
 【6】男はお寺の門からでようとして、ころんでしまった。起きあがって気がつくと、一本のわらしべをひろってつかんでいた。男は、このわらしべが観音(かんのん)様のいわれたものだと思い、すてずに歩きはじめた。
 【7】男は、飛ん(と )できたアブを、そのわらでむすんでもっていた。すると、牛車(ぎっしゃ)に乗ってきた高貴(こうき)な人の子が、すごくほしがった。アブのわらしべをあげると、みかん三つをくれた。少しいくと、のどがかわいて歩けなくなった女の人がいてみかんをあげるとよろこんで、三反(たん)の布(ぬの)をくれた。
 【8】またいくと、たおれた馬の処分(しょぶん)にこまっている武士(ぶし)がいた。男は三反の布(ぬの)をあげて馬をもらった。もう動かないと思っていた馬は、しばらくすると息をふき返した。男は、その馬に乗って京の町へ帰ってきた。町の入口までくるとひっこしで大さわぎしている家がある。【9】その家では、いい馬がほしいと思っていたので、馬を買ってくれた。代金は近くにある田だった。そして、その家にしばらく住んでほしいとたのまれた。その家主は何年たっても帰ってこず、とうとう大きな家まで男のものになった。ころんでつかんだ一本のわらしべが、その先で大きな家や田になることもあるんだよ。【0】

 「常識(じょうしき)のことわざ探偵(たんてい)団(だん)」(国松(くにまつ)俊英(としひで)著(ちょ) フォア文庫)より