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音読の丘
 音読で、読む力、書く力が育つ。
 オンドリくんの 音読の丘
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※音読の丘は、家庭での音読の練習用として使ってください。
1.音読する文章が2つある場合は、最初の方の文章を音読してください。
2.はじめに、音声入力を始めるのボタンを押してください。
3.音読が終わったら音声入力を止めるのボタンを押してください。
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 【1】化学繊維(せんい)が発達(はったつ)し、最近(さいきん)では、手間のかかる養蚕(ようさん)をする人が少なくなりました。けれど、カイコを飼っ(か )ているところを見たことがある人、あるいは自分で飼っ(か )たことがある人なら、だれでも知っていることですが、【2】平らな入れ物の中にクワの葉を入れ、そのままにしておいても逃げだし(に   )もせず、あちこち歩きまわりもせず、ただクワさえきらさなければ、かんたんに飼え(か )ます。
 【3】ほかの昆虫(こんちゅう)を飼う(か )時には、逃げ(に )ないようにカゴやふたのある入れ物に入れ、えさや水やと、けっこう苦労(くろう)するものです。カイコはその心配がありません。やがて完全(かんぜん)に成熟(せいじゅく)すると、入れ物のすみや、枯れ(か )たクワの葉のあいだに糸をはり、繭(まゆ)をつくります。【4】養蚕(ようさん)家が、この時に入れ物の上に繭(まゆ)をつくる格子(こうし)状(じょう)のワクを置い(お )てやると、ここにはい上がって、一匹(ぴき)が一つずつきれいに繭(まゆ)をつくります。卵(たまご)からふ化した幼虫(ようちゅう)が、繭(まゆ)になるまでだいたい一か月で、そのあいだに四回、脱皮(だっぴ)をして成長(せいちょう)し、繭(まゆ)の中でサナギになります。
 【5】養蚕(ようさん)業では、繭(まゆ)ができるとすぐに集め、大きさのそろったものを選ん(えら )で糸をとる工場に送ります。サナギが成虫(せいちゅう)のカイコガになるのは一週間ほどですから、ガにならないうちに糸をとりはじめます。【6】これは、繭(まゆ)を煮(に)ながら糸をやわらかくして、ほぐれた糸をまき取る方法(ほうほう)が一般(いっぱん)的(てき)です。これで、一つの繭(まゆ)から切れずにつながった糸がとれます。現在(げんざい)の大きな良い(よ )繭(まゆ)は、千五百メートルほどの糸になります。この糸をより合わせ、絹糸(きぬいと)にして布(ぬの)に織り(お )ます。
 【7】このように繭(まゆ)から一本のつながった糸をとるのですから、繭(まゆ)の中で羽化したガが、繭(まゆ)を破っ(やぶ )て外にでたのではなんにもなりません。ヒトが糸をとるためには、成虫(せいちゅう)になってはいけないので、どんなにたくさんカイコが飼わ(か )れても、すべて殺さ(ころ )れてしまうことになります。
 【8】つぎの卵(たまご)を産ま(う )せる分は、別に(べつ )何匹(びき)かのこしておけば、このガ一匹(ぴき)で千個(こ)近い卵(たまご)を産み(う )ますからいっこうにさしつかえありません。幼虫(ようちゅう)の生活も、子孫(しそん)をつくることも、すべてヒトの計画どおりになっています。
 【9】そのうえ、羽化したガは翅()を持っていますが、飛ぶ(と )ことはできません。この翅()のはばたきはもともと飛ん(と )でいたころのはばたきと同じですから、いつごろからか飛べ(と )ないガになってしまったのです。これも、たぶん、飼育(しいく)化の結果(けっか)でしょう。【0】すべての点が、ヒトが飼い(か )やすい、すなわち管理(かんり)しやすいようになっているのです。
 こんな野生の昆虫(こんちゅう)が、はじめからいるわけがありません。その証拠(しょうこ)に、今日ではカイコの祖先(そせん)型(がた)と考えられている野生のカイコ、これはクワの樹(き)につくのでクワコとよばれますが、これは、成虫(せいちゅう)は立派(りっぱ)に飛び(と )ますし、幼虫(ようちゅう)は群がる(むら  )こともなく、一匹(ぴき)ずつかくれるように生活しています。飼育(しいく)もむずかしく、とてもカイコのようには飼え(か )ませんし、注意しないとすぐ逃げだし(に   )てしまいます。

 (「いい虫わるい虫」奥井一満() 日本少年文庫より)