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音読の丘
 音読で、読む力、書く力が育つ。
 オンドリくんの 音読の丘
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※音読の丘は、家庭での音読の練習用として使ってください。
1.音読する文章が2つある場合は、最初の方の文章を音読してください。
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 煙突(えんとつ)の上のほうが、ぜんぶ燃え(も )あがっていました。芯(しん)にしてあった棒(ぼう)が燃え(も )ているのです。つよい風にあおられた炎(ほのお)が、いまにも屋根にうつりそうに長い舌(した)をのばしていました。かあさんは、長い棒(ぼう)をひっつかむと、ゴーゴーと燃え(も )あがる火をむちゅうでたたきつづけ、炎(ほのお)をあげている木ぎれが、かあさんのまわりにどんどんおちていきました。
 ローラはどうしていいかわかりませんでした。自分も棒(ぼう)をひっつかみましたが、かあさんにそばへよってはいけないととめられました。火は、ものすごいいきおいで、ゴーゴー音をたてて燃え(も )ています。いまにも家が燃え(も )つくすかもしれないのに、ローラにはどうすることもできないのです。
 ローラは家にかけこんでいきました。燃え(も )ている木や石炭が、煙突(えんとつ)からおちてきて、炉辺(ろへん)にころがりでています。家のなかはけむりでいっぱいでした。まっかに焼け(や )た大きな木ぎれが、床(ゆか)にころがりでてきました。メアリイのスカートのすぐそばです。メアリイは動くこともできません。すっかりおびえきっているのです。
 ローラは、考えるひまもないほど、こわさでいっぱいでした。いきなり重いゆり椅子(いす)の背(せ)をひっつかむと、力のかぎりひっぱりました。椅子(いす)は、メアリイとキャリーをのせたまま、床(ゆか)をすべるようにあとへさがりました。ローラが、燃え(も )ている木ぎれをひっつかんで暖炉(だんろ)にほうりこむのと同時に、かあさんが家へはいってきました。
「えらい、えらい、ローラ。火のついたものが床(ゆか)におちたとき、ほっといてはいけないといったのをよくおぼえていて」
かあさんはそういうと、バケツをとって、手早く、でも静か(しず )に、暖炉(だんろ)の火に水をかけました。水蒸気(すいじょうき)がもうもうとあがります。
「手にやけどをした?」かあさんはローラの手をしらべましたが、ローラは燃え(も )ている木ぎれをおおいそぎで投げこんだので、やけどはしていませんでした。
 ローラは、もう大きいから泣い(な )たりはしないので、ほんとに泣い(な )ているわけではありませんでした。ただ、両ほうの目からひとつぶずつ涙(なみだ)がこぼれ、のどがきゅっとつまっているだけで、それは泣い(な )ているのとはちがいます。ローラはかあさんにしがみついて、ぴったり顔をくっつけてかくしてしまいました。かあさんが、火事でけがをしなかったのが、ローラはうれしくてたまらないのです。
「泣か(な )ないのよ、ローラ」かあさんはローラの頭をなでながらいいます。「こわかったかい?」
「ええ」ローラはいいます。「メアリイとキャリーが焼け(や )ちまうんじゃないかと思ってこわかったの。家が焼け(や )てしまって、住む所がなくなるんじゃないかと思って。あたしーあたし、いまのほうがこわい」
 メアリイもやっと口がきけるようになっていました。そして、かあさんに、ローラが椅子(いす)をひっぱって、火が燃え(も )うつらないようにしたのだと話しました。ローラはまだ小さく、メアリイとキャリーがすわったままでは、ただでさえ大きくて重い椅子(いす)がどんなに重かったろうにと、かあさんはびっくりしました。いったいどうやってローラがそれを動かせたのか、信じ(しん )られないとかあさんはいいます。
「ローラ、おまえはとても勇気(ゆうき)があったんだね」かあさんはいいました。でも、ローラは、ほんとうは、とてもこわかったのです。

(ローラ・インガルス・ワイルダー「大草原の小さな家」)