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音読検定
 楽しくできる音読で、読む力、考える力が育つ。
 音読検定

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2026/9/22

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【1】「うまっ」
 どうしてこんなにおいしいのでしょう。わたしは、つまみ食いの常習犯じょうしゅうはんです。つまみ食いは、お行儀ぎょうぎが悪いとされていますが、実は大事な仕事なのです。これは、よく言えば「味見」です。【2】味の足りないところや、直した方がよいところを事前に料理りょうり人に知らせることができるのですから。今日の料理りょうり人である母にも、感謝かんしゃしてほしいくらいなのですが、なぜだかいつもぎゃく怒らおこ れてしまいます。もたもたしていると、手の甲て こうをペチッと叩かたた れます。【3】ああ、こわい。それでも、わたしと弟は、懲りこ ずに毎晩まいばん任務にんむ遂行すいこうします。てきがマーボー豆腐とうふやカレーの時は諦めあきら ますが、たいがいの料理りょうりには挑戦ちょうせんします。得意とくい分野は、揚げ物あ ものるいです。これは大好物こうぶつでもあるのです。
 【4】中でも、今夜のようにフライドポテトがある日は、うでが鳴ります。おなかも鳴ります。次々に揚がっあ  てくる黄色いポテトたち。むねがワクワクします。母が後ろを向いて、次のポテトを投入している時はねらい目です。【5】テーブルにそっと近づき、目にも留まらと  ぬ速さで、ポテトをつかみます。その様子は、まるでワニが獲物えものを後ろからパクッとやるようです。弟は、あちっと言ってしまったり、落としてしまったりと失敗しっぱいしやすいので、わたしが弟の分まで取ってあげます。【6】わたしはたいがい、気付かきづ れずに取ることができます。数が決まっているおかずの時などは、取られたことを気付かきづ ない母が
「おかしいわねえ。」
と、数が合わないと首をかしげることもあるほどです。
 【7】たまに、見つかってしまってもちゃんと作戦さくせんがあります。怒らおこ れる直前に、
「す、ご、くおいしかったよ。」
と言うのです。口封じふう じゅつです。気負いこんで、怒ろおこ うとしていた母は、拍子抜けひょうしぬ して
「そ、そう?」
となってしまいます。【8】わたしは心の中で大成功せいこう、と叫んさけ でいます。
 父も実は仲間なかまです。ビール片手かたてにさり気なく、テーブルのわきすり抜け  ぬ 、見ると、しっかりつまみ食いのつまみを持っているというわけです。
 【9】この間、母に聞いてみると、
「つまみ食いなんか、わたしはしたことないわよ。そんなはしたないこと。」
と言うので、こっそりおばあちゃんに電話しました。すると
「しょっちゅうしよったよ。揚げたてあ   をつまんで、何度ヤケドしたことか。」
笑っわら ていました。【0】

(言葉の森長文作成さくせい委員会 φ)