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音読の丘
 音読で、読む力、書く力が育つ。
 オンドリくんの 音読の丘
※最初にログインをしてください。言葉の森の団体コードは、aaa001です。
※音読の丘は、家庭での音読の練習用として使ってください。
1.音読する文章が2つある場合は、最初の方の文章を音読してください。
2.はじめに、音声入力を始めるのボタンを押してください。
3.音読が終わったら音声入力を止めるのボタンを押してください。
4.音声入力を止めたあと、結果を送信するのボタンを押してください。



【1】「ああっ。」
私(わたし)は、目を疑い(うたが )ました。石井(いしい)君の指は、小さな赤べこをつまんでいました。赤べことは、福島県の郷土(きょうど)玩具(がんぐ)で、「赤いべこ」つまり、赤い体をした、牛のことです。首が振り子(ふ こ)のようにゆらゆらゆれる、とてもユーモラスな格好(かっこう)の牛です。【2】私(わたし)の赤べこは、キーホルダーになっています。それをランドセルに下げていました。石井(いしい)君はふざけて触っ(さわ )て遊んでいたのですが、何かの拍子(ひょうし)にはずれてしまったようです。いっしょにいたさやかちゃんが、あわててつけ直してくれようとしました。【3】しかし、赤べこの背中(せなか)についていた輪っか(わ  )が折れ(お )ていて、もうチェーンとつなげることができなくなっていました。石井(いしい)君は、いつものいたずらぼうずの顔から、びっくりした顔になって、
「ごめん。取れちゃった。」
と言いました。
 【4】この赤べこは、私(わたし)が一年生のとき、福島のおばあちゃんが送ってくれたものです。私(わたし)の赤いランドセルにぴったりだったので、一年生のときからずっと、お守り代わりにつけています。私(わたし)の大事な大事な宝物(たからもの)です。
 【5】でも、私(わたし)は、石井(いしい)君がわざと壊し(こわ )たわけではないと知っていました。私(わたし)は、なるべく明るい言い方で、
「あ、いいよ。これ、たぶんもう古くなっていたんだ。」
と言いました。石井(いしい)君は、少しほっとした顔になりましたが、もう一度、
「でも、ぼくがひっぱったから……。」
と、小さく言いかけました。【6】私(わたし)は、
「いいの、いいの。気にしない。そういう運命だったんだから。」
と、元気に言って、赤べこを手に取りました。
 壊れ(こわ )た赤べこに目をやると、赤べこは、のんびりした顔で、手のひらに横たわっています。【7】じっと見ていると、不思議(ふしぎ)なことに赤べこが少し笑っ(わら )たような気がしました。
「まあまあ、そんなにしんべ(心配( ))しねえで。」
そんな牛の言葉まで聞こえた気がして、ふと顔を上げると、石井(いしい)君もじっと赤べこを見つめています。私(わたし)たちは、顔を見合わせて、思わずくすっと笑い(わら )ました。
 【8】その日、私(わたし)は家に帰ってから、お母さんに、壊れ(こわ )てしまった赤べこを見せました。お母さんは少し驚い(おどろ )た顔をしましたが、事情(じじょう)を聞くとすぐに納得(なっとく)してくれました。そして、赤べこを見ながら、
「石井(いしい)君、気にしていないといいね。」
と言いました。【9】私(わたし)は、牛の声を聞いたんだから大丈夫(だいじょうぶ)、と心の中で思いました。
 お父さんが帰ってきたら、たぶんうまく直してくれるでしょう。今度、福島のおばあちゃんの家に行くときに、元気になった赤べこを一緒(いっしょ)に連れ(つ )ていくつもりです。【0】

(言葉の森長文(ちょうぶん)作成(さくせい)委員会 φ)